韓国伝統の「餅菓子」をいただく静謐な空間。1日4回のコースメニューのみの完全予約制カフェ「1994 SEOUL」

  • 2025年4月8日
  • CREA WEB

 好評発売中の「CREA」2025年春号では、韓国の伝統を再解釈し、モダンにアップデートした食や韓屋宿をはじめ、癒しの「済州島」やカルチャーの街「坡州」まで、2025年の韓国をたっぷりと取材しました。グルメ・カルチャー・ファッション・コスメまで、全108ページの大ボリュームでお届けする本誌から一部を抜粋してご紹介。


韓国の伝統行事や祭祀の菓子を洗練された空間で心静かに味わいたい

【延南洞】1994 SEOUL(イルググサ ソウル/1994 서울)


小さな丸餅、ウォンソビョン。蜂蜜餡を忍ばせてシロップに入れ、松の実が添えられる。奥のシナモン風味のもち米薬菓は甘さ控えめ。

 伝統菓子とお茶をペアリングして、楽しさと癒しをもたらす空間を目指し、人々で賑わう延南洞から一筋入った場所にオープンした1994 SEOUL。


1994 SEOULのシグニチャーティー。

 店内3階の静謐なカウンターで、忘れられつつある歳時風俗や名節をテーマに、2カ月ごとに新たなメニューを提供する。

 店名に冠した数字は店主のイ・ミョンジェさんの生まれ年であるとともに、両親が餅屋を始めた年でもある。

脈々と受け継がれてきた伝統菓子


朝鮮王朝時代の陶器の重箱から銘々器に盛り替えて供される醬油薬飯。もち米に熟成自家製醬油、蜂蜜、ごま油などを加え蒸し上げる。

小豆団子。タンジャ(団子餅)とも呼ばれる宮中での宴会や祝事で出されたもの。もち米でナツメや栗などを包み小豆粉をまぶしている。

きな粉で覆われたベピ餅。餅の中には緑豆餡が。

 宮廷行事で王に供えた「トゥトプトク」や旧暦の正月に作って食べる「ウォンソビョン(元宵餅)」など、脈々と受け継がれてきた伝統菓子。

 日常でも餅菓子が好まれる韓国で、素材は国産にこだわり、現代人の嗜好に合うよう工夫を凝らして再現している。

インテリアの細部に至るまで店主の美意識が行き渡る


伝統的な虹色セクトン柄で室内に彩りを。

茶器も菓器も韓国の作家ものが中心。

 器や骨董の茶箪笥、照明や音響、アートピースやインテリアの細部に至るまで店主の美意識が行き渡るスペースで、口福と眼福と、心まで満たされる体験をぜひ。


1階のショップでは、日持ちのする薬菓も販売。W22,000〜。

1994 SEOUL(イルググサ ソウル/1994 서울)


「1994 SEOUL」。

所在地 ソウル特別市麻浦区ソンミ山路23アンギル20-12(서울특별시마포구성미산로23안길20-12)
電話番号 010-2583-5409
営業時間 12:00、14:00、17:00、19:00〜の各回80分制
定休日 火曜
Instagram @1994seoul.yeonnam
※インスタのDMから完全予約制で1日4回のコースメニューのみ。2カ月周期で変わるメニューはお茶3種類、伝統菓子7〜8種類の構成でW80,000(季節により変動)。


 ご紹介したお店を含む、ソウル&済州島の観光スポットがまるわかりのGoogle Mapはこちら! 続きは「CREA」2025年春号でお読みいただけます。

文=CREA編集部
写真=チョン・ソンジン
コーディネート=ホ・スンホ、ソ・スミン(TANO INTERNATIONAL)

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