料理を「作らない・作れない」ことに罪悪感を持っている人に贈る、フードライター・白央篤司さんの金言&レシピ。
どんなものであれ、作ろうと思ったそのこと自体が尊い。今晩はひと品、作ってみませんか?
今の時期、スーパーに行くといちごがいっぱい並んでいますね。目にまぶしくて、香りもよくて。ただ、ちょっと甘くないのに当たってしまうこともありませんか(笑)? そんなときおすすめしたいのが、サラダに入れるという活用法。
甘みの薄いいちごって、サラダの具にとてもいいんです。フレンチドレッシングはもとより、サウザンでも中華風でも合いますよ。コンビニで買ってきたサラダに加えるだけでもちょっと洒落た感じになり、栄養価もアップします。
あるいは、生ハムと一緒に食べてもおいしい。これ、ホームパーティーなんかに用意すると手軽に華やかな一品になってくれて、いいんです。「赤」がテーブルにあるとやっぱりぐっと華やぐというか。
必要な手間はひとつだけ。
ヘタを取ったいちごに「オリーブオイルと塩」をかけて、なじませる。これだけです。量としては、いちご10粒(150グラム程度)に対してオリーブオイル小さじ1、塩ひとつまみ程度で。
いちごが大粒の場合は、半分に切ってから和えてください。
塩とオリーブオイルをなじませたいちご、こんなふうに生ハムで巻いて食べると実にいいつまみになるんだなあ……。白ワインかスパークリングをぜひご用意ください。
もっと豪華にするなら、モッツァレラチーズを少々加えても。手に入れば、クレソンやルッコラを添えるのもおすすめです。
いちごのおつまみ、「たらこ和え」なんてのも意外なおいしさ。
・いちご:8〜10粒
・ほぐしたたらこ:大さじ2
・オリーブオイル:小さじ2
・塩:ひとつまみ
いちごはヘタを取ったら半分に切って、たらこ、オリーブオイル、塩で和えればもう完成です。私はこれ、日本酒のおつまみにするのが好きなんですよ。いちごがオツな肴になることうけあい。お客さんに出すと面白がってくれて、場を盛り上げるにも一役買ってくれますよ。だまされたと思って、試してみてほしい。
今回はいちごのちょっと意外な使い方をご紹介しました。フルーツでおつまみ、ってのもいいもんです。
ではまた来月、お目にかかりましょう。
白央篤司(はくおう あつし)
フードライター。「暮らしと食」をテーマに、忙しい現代人のための手軽な食生活のととのえ方、より気楽な調理アプローチに関する記事を執筆する。近著に、卒業間近の美大生、就職したばかりの青年、保護犬猫60匹と暮らす女性、日本に暮らす韓国人男性、奥さんを亡くしてひとり暮らしの85歳の男性……などなど、18人の「きょうの鍋」と個人史を追ったノンフィクション『名前のない鍋、きょうの鍋』(光文社)がある。
https://hakuoatsushi.hatenablog.com/
文・撮影=白央篤司