
西京漬の老舗・京都一の傳(でん)がプロデュースする発酵カフェ「Haccomachi(ハッコマチ)」が、2025年2月に移転オープン。だしと甘酒と抹茶が織りなす「発酵だし茶漬け」の専門店として生まれ変わりました。誰もに愛される「はじまりの甘酒」や、京都一の傳の西京漬が味わえる「発酵だし御膳」で、贅沢&ヘルシーな発酵体験をしてみませんか?
「Haccomachi」へは、京都駅から地下鉄で約5分の四条駅下車すぐです。京都のメインストリート四条通と室町通の交差点角のビルの3階に、リニューアルしたHaccomachiがあります。
発酵だし茶漬けをメインに、多彩な食材で発酵のおいしさを楽しめることにくわえ、京都きってのビジネス街烏丸にあることから、日々の疲れを発酵の力で癒やしてくれる手軽なメニューが増えたことも特徴です。
インテリアのコンセプトは「発酵する空間」。壁の装飾は、京都・綾部の黒谷和紙作家ハタノワタルさんとコラボし、発酵や麹から連想される丸くやわらかなイメージで染められた和紙。さらに、床や天井、カウンターには京都の土が塗られ、紙や土といった自然の素材に包まれた空間を創り上げています。
バラエティ豊かな味が楽しめる発酵だし御膳は、どの品にも発酵食品が使われています。甘酒からはじまり、京都一の傳が誇る西京漬、だし茶漬け、茶わん蒸し、季節の小鉢、デザートのチーズケーキまで盛りだくさんの内容。
珍しい味付けや食材に出会える一方で、味噌などおなじみの調味料も実は発酵食品だったということに気づかされます。
まずは、店内でスタッフが仕込んだ自家製のノンアルコール甘酒からスタート。米と麹だけから作られており、麹が生み出す自然の甘味を存分に味わえます。単品での注文もでき、その場合はホット・アイスから選べるのもうれしい心遣いです。
メインの発酵だし茶漬けは、銀だらの西京焼きをご飯にのせ、温かい発酵だしをかけて食べます。が、その前に、銀だらだけを味わうのもおすすめです。
ちなみに西京漬とは、西京味噌(白味噌)や醤油、酒などを使って作られる味噌床に魚や肉を漬け込む京都の伝統料理のこと。それを香ばしく焼き上げたのが西京焼きです。そのやさしい甘みととろけるような味わいに感激し、近くにある京都一の傳本店へ足を運び、西京漬を求めた人もいたのだとか。
いよいよ、発酵だし茶漬けの出番です。まずはシンプルにご飯と発酵だしだけでいただき、西京焼きや薬味は後からのせてもいいし、最初から全部を盛り合わせてもOK。アレンジは自由です。
カツオと昆布をベースに甘酒と抹茶をブレンドしただしを、茶せんで軽く混ぜ合わせ、ご飯にかけます。京都の老舗米問屋から取り寄せた粘り気の少ない国産米を昆布で炊き上げたご飯は、お茶漬けにすると、さらりとした軽やかな口当たり。
発酵食品は料理だけでなくスイーツにも使われています。デザートのバスクチーズケーキには、チーズはもちろん、塩麹を忍ばせた生クリームが添えられているのです。麹の旨味とほどよい塩味があると、クリームも濃厚に感じられますね。
Haccomachiが願っているのは、素材の旨味を引き出す「発酵の力」をもっと身近に感じて欲しい、発酵をもっと日々の暮らしに取り入れて欲しいということ。そのため、ふだんのランチにもぴったりな、お財布にやさしいメニューも揃います。
それが「発酵だし茶漬け」のセット8種。鯛や鮭などの海鮮、納豆や麹豚などとともに、ご飯を発酵だしで味わいます。もっとシンプルな梅干しと昆布だけのお茶漬けもありますよ。こちらは、発酵だしそのものを味わいたい時におすすめです。
贅沢な発酵だし御膳も、カジュアルな発酵だし茶漬けも揃うHaccomachi。しっかり食べたい時にも、軽くすませたい時にも、どんな旅の1日でも重宝しそうですね。京都らしいものが味わえ、温かなだしに心も身体もホッと和むお店として、ぜひ覚えておきたい一軒です。