
避暑地として知られる長野県軽井沢。旧軽井沢エリアには多くの観光客でにぎわう旧軽井沢銀座通りがあります。通りをぶらりと散策したあとは、江戸時代から受け継がれている「ちもと餅」が名物の和菓子店の甘味処「ちもと総本店」へ。軽井沢の天然氷で作る和のかき氷を楽しみながら、ゆっくり涼みませんか。信州らしい蕎麦団子もありますよ。
約750mの観光ストリート、旧軽井沢銀座通りの奥にある「ちもと総本店」。江戸時代中期に東京・銀座で創業し、1948(昭和23)年に軽井沢に移転した、軽井沢の中でも歴史ある甘味処です。建物は以前長屋だった建物の雰囲気を残して建て替えたものだそう。当時の梁も使った和の落ち着きのある設えは、居心地のいい空間をつくりあげています。
夏の人気メニューは軽井沢店のオープン時から提供している「軽井沢の天然氷」。軽井沢で唯一、天然氷を製造販売している「渡辺商店」の氷を使用した貴重なかき氷です。「さらっと、ふわっと氷をかいています。雑味がなく、口どけも早く、キーンとなりませんよ」と店主の市村さん。氷の温度管理にも気を使い、溶け具合を調整しているといいます。
とくに人気のかき氷は「宇治金時」。十勝産小豆を使った自家製の甘さ控えめの粒あんに、味の深みを出すために水あめを入れた白蜜のシロップを加え、器の底に入れています。その上に天然氷をふわっと盛り、最後に上から点てたばかりの宇治抹茶シロップをかけるとでき上りです。
かき氷の食べ方には店のおすすめがあります。それぞれのおいしさを味わってもらいたいと、まずは真ん中を上から掘るようにして食べてほしいのだそう。苦みのある濃厚な抹茶、スーッと溶ける天然氷そのもののおいしさ、やさしい甘みの小豆と白蜜。それぞれ味わった後に一緒に食べると、苦みと甘みのバランスの良さが絶妙なのだそうです。
ほかには白蜜シロップでいただく「みぞれ」、信州産の杏で作ったシロップに練乳を混ぜた「杏ミルク」も人気ですよ。
江戸時代から作られていた「ちもと餅」は、抹茶菓子だったといわれています。そのお菓子を受け継いだ伝統の銘菓です。厳選した沖縄産黒糖を使った求肥はふわふわのとろけるような食感で、信州産のくるみがいいアクセントになっています。抹茶を頼むと、ちもと餅またはそば団子がついてきます。
ほかに定番の和菓子は「蕎麦団子」。信州らしいそばを使った和菓子です。砂糖を入れた信州産のそば粉を独自の製法で丸め、自家製のこしあんをまわりにつけて、丸く成形してお団子に。そばの風味がしっかり楽しめる一品です。こしあんの甘さもほどよく、やわらかいお団子はお茶にもぴったり。
ほかにはあんみつやおしるこもあります。甘味処ですが、だしをしっかり取って作るそばやうどんもメニューに。ランチなら甘味と一緒に味わうのもおすすめですよ。
旧軽井沢散策の中で少し涼みたい時、天然氷のかき氷や和菓子をいただいて、ひと休みしてはいかがでしょうか。