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活用しながら保存されるフランク・ロイド・ライトの名建築。アートなグッズや休憩にも♪池袋「自由学園明日館」

  • 2023年12月11日
  • ことりっぷ


池袋駅から徒歩5分。静かな住宅街の一角に「自由学園明日館(みょうにちかん)」はあります。ここは、1921(大正10)年に創立された自由学園の最初の校舎で、近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトの設計による建築です。
関東大震災の被害や戦火を逃れた校舎は、1997(平成9)年に国の重要文化財に指定されました。現在は、使いながら文化財価値を保存する「動態保存」のモデルとして一般公開されており、館内を自由に見学することができます。
羽仁もと子・吉一夫妻により女学校として創立された自由学園は、大正デモクラシー期の自由教育運動のなかで、代表的な存在でした。
校舎の建設にあたって、羽仁夫妻は、友人である建築家・遠藤新を介して、フランク・ロイド・ライトに設計を依頼します。当時ライトは帝国ホテルの設計のために来日中で、遠藤は彼の愛弟子でした。夫妻の教育理念に深く共感したライトは、設計を快諾。1922(大正11)年にライトが設計した中央棟と西教室棟が竣工、1925(大正14)年には遠藤の設計による東教室棟、1927(昭和2)年には同じく遠藤による講堂が完成しました。
木造平屋1階建て、ホールのある中央部のみ2階建ての中央棟は、フランク・ロイド・ライトらしさが非常によく現れた建物です。
建軒高を低く抑えて水平線を強調した外観は「プレーリーハウス(草原様式)」と呼ばれ、自然との調和を追求した、ライトを象徴するデザイン。屋内外の床や柱に大谷石が多用されているのも、日本におけるライト建築の特徴のひとつです。窓に施された幾何科学的な装飾や、照明のデザインなど、建物の各所にライトの作風を示す意匠があふれており、見飽きることがありません。
見学可能日の14時からは、スタッフによる建物解説があり、明日館の見どころはもちろん、フランク・ロイド・ライトと遠藤新にまつわるエピソードも知ることができます。近代建築に興味のある方は、ぜひ参加してみましょう(50分程度、無料)。
中央棟にある吹き抜けのホールは、女学校当時、毎朝の礼拝を行なっていた場所です。この建物の象徴ともいえる幾何学模様の窓は、増改築で上下に二分割されていましたが、保存修理で竣工当時の美しい形に復原されました。
西側の壁には、自由学園創立10周年を記念して、当時の生徒たちが、旧約聖書「出エジプト記」の一節を描いた壁画があり、見どころのひとつです。
中央棟の2階には食堂があります。自由学園では、全校生徒が集まり手づくりのあたたかい昼食をいただくことを教育の基本としていたことから、食堂が校舎の中心に設計されました。窓から外光を巧みに取り込み、幾何学的な装飾を窓や壁に用いて変化に富ませた空間は、ライト建築の真骨頂。天井から吊り下げられた照明のデザインも、ライト自身によるものです。
現在、食堂には喫茶コーナーがあり、入館時に「喫茶付見学800円」を選ぶと、コーヒー(または紅茶)と焼き菓子がいただけます。毎月第3金曜日には、夜間見学(お酒付1200円)も開催されています。照明が灯る夜の明日館は、昼とはまた違った趣です。
敷地内には、自由学園の卒業生たちが手掛ける工芸品、玩具、お菓子などを販売する、JMショップ(Jiyugakuen Myounichikan shop)があります。店内には、フランク・ロイド・ライトのデザインをモチーフにしたグッズや、明日館関連の書籍や絵はがきもそろっています。
なかでも目を引くのが、明日館のホールや食堂で使われていたオリジナル椅子のミニチュアです。座面が革張りの六角椅子は、自由学園開校当時から使われているデザインで、フランク・ロイド・ライトと弟子の遠藤新が共同で設計したといわれています。少し座面の高い食堂椅子は遠藤新によるデザイン。それぞれの椅子を再現したミニチュアは、デスクや書棚のオブジェとして飾るのに、ちょうどいいサイズです。
フランク・ロイド・ライトのデザインをモチーフにした文房具もあります。鉛筆やノート、マスキングテープなどがそろっているので、お気に入りのものを探してみましょう。
日本の教育の明日を託して「明日館」と命名されたこの場所は、レトロ建築の美しいデザインを堪能できるスポットです。100年の歴史を感じながら、のんびり過ごしてみませんか?

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