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源氏物語ゆかりの清凉寺境内にオープン♪ 人気庭師が手がける庭カフェを訪ねて京都・嵯峨野へ

  • 2023年10月1日
  • ことりっぷ


嵐山・嵯峨野の清凉寺は、2024年大河ドラマのヒロイン・紫式部が綴った『源氏物語』ゆかりの地として注目度が高まっているお寺。主人公・光源氏のモデルとされる源 融(みなもとのとおる)の山荘跡やお墓が残る、歴史ある名刹です。そんなお寺の境内に、2023年7月、庭茶屋「Bhagavan(ヴァガバァーン)」がオープン。漆調のテーブルに窓辺の景色が映り込む“リフレクション”や、本格派甘味のおいしさで話題を集めています。
嵐電・嵐山駅前にのびるメインストリートを北へ向かってまっすぐに15分ほど歩いていくと、通りの突き当りに風格漂う木造の門がそびえています。「嵯峨釈迦堂」こと清凉寺の仁王門です。正面の本堂から左後方に目を移すと、多宝塔と法然上人像の間にカフェ「Bhagavan」がたたずんでいます。
オーナーの松浦剛さんは、作庭家であり、寺社仏閣の再生や地域活性化など行う「ワカバプロジェクト」の代表。四季折々の色彩をまとう庭の風景が磨き抜かれた机に映る“リフレクション”で名高い瑠璃光院や、慈受院門跡、厭離庵など数々の京名所を再生させてきました。
そんな松浦さんが率いる現役の庭師たち、地域を盛り上げたいという思いを持つ人たち、長年演者として携わってきた「嵯峨大念佛狂言」の仲間たちが力を合わせ、それぞれの得意分野を生かして荒れていた庭を整え、かつて茶店だった廃墟を改装。店内のしつらいやメニューを考案し、この店をオープンさせました。
引き戸を開けると、現役の庭師が迎えてくれます。テーブルや椅子、照明器具はイギリスや、オランダ、ベルギーから取り寄せたアンティークが中心。お庭や清凉寺の風景と向き合えるカウンター席、中央のテーブル席、小上がり、外のベンチ、お庭にぽつんと置かれたサイドテーブル付きのひとりがけの席が用意されています。椅子のデザインがひとつひとつ異なり、どこに座ろうかと迷う楽しみも。
お品書きは、「愛宕詣(昔懐かしい茶屋団子)」、「道成寺(きな粉みるく氷)」、「紅葉狩(ぶぶ漬けとお団子)」など、狂言の演目名なのがユニーク。すべてのメニューに一保堂の京煎り番茶が付いています。
旬の果物を使う「大念仏」以外のかき氷6種は、夏に限らず一年を通して楽しめます。京都の老舗氷店の純氷を使い、淡雪のようにふわふわな食感からシャリッとした食感まで、蜜に合わせて削り具合を変えているそう。人気は、「釈迦如来(しゃかにょらい)」。お釈迦さまが琥珀色であることにちなみ、琥珀色の黒蜜とぷるぷるの本わらび餅をトッピング。氷の中にも本わらび餅が潜んでいます。
「愛宕詣(あたごもうで)」は、香ばしく炙ったお餅に、まったりとした白味噌、甘辛い醤油の2種のタレをからめた昔懐かしい茶屋団子。その昔、清凉寺でお参りしてから京都市内最高峰の愛宕山へ参詣する習わしがあったことに由来し、この名が付けられたそう。京都の人気和菓子店の職人が監修しているから、味は折り紙付きです。
気候が良くなったらガラス窓が取り外され、心地いい空気やお庭の風景、鳥の声がより近くに感じられるようになります。「モミジの名所に」と、これから庭師たちがさらなる改良を重ねていく予定とのことで、秋の深まりとともに赤や黄に染まっていく頃も待ち遠しいですね。
嵐山を訪れたなら、いま京都でもっとも注目したい、とびきり素敵なカフェへ足をのばしてみませんか。

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