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京都・祇園の老舗和菓子店が復活。爽やかなひやしあめや、懐かしい味わいの豆平糖を♪

  • 2023年9月28日
  • ことりっぷ


創業から205年を数える「するがや祇園下里」。2021年秋から休業に入り、再開が待ち望まれていましたが、この夏に約2年間の眠りから目覚めました。素朴でありながら、上質な素材を使った飴菓子は、昔から舞妓さんや、歌舞伎の世界で重宝されてきたといいます。8月4日の再オープンから約1か月半がたった今、風格ある京都市の登録有形文化財でもあるお店を訪ねてみました。
「するがや祇園下里」へは、白川に架かる巽橋から切通しを南へ下がり、一筋目を西に曲がってすぐです。間口の広い京町家は、もともとは舞妓さんがお客様をもてなすお茶屋さんとして利用されていた立派なもの。
そこに掛かる白いのれんには、「下里」の文字をデザインした紋が施されています。今でいうロゴマークにあたるこの紋は、100年以上も前にデザインされたそうですよ。
下里の創業は1818(文政元)年。総本家駿河屋の別家として創業し、直伝の練羊羹を商ったのがその始まりです。2代目の下里治助が「祇園豆平糖」を考案。この頃から、飴菓子を手掛けるようになりました。
そして、今回の再オープンにあたり、女将として手筈を整えてきたのが7代目となる井上さん。
「経営大学院を卒業したタイミングで再オープンを決意したんです。お菓子は、祖父の代から受け継いだものはそのままに、ラベルのデザインを少し変える程度で復活させました」
飴菓子作りを始めた2代目の下里治助が、祇園祭の際に人びとにふるまっていたという「ひやしあめ」。麦芽飴と砂糖、高知県産の生姜のみを使い、当時の素朴な味を再現した爽やかなドリンクです。
水やソーダで割ったり、紅茶に入れてジンジャーティーにしたり、変わったところではシナモンやカルダモンなどのスパイスを漬け込んでチャイシロップにし、スパイシーひやしあめとして楽しむこともできるそうです。簡単なレシピを付けてもらえるので、お気に入りの飲み方を見つけてくださいね。
また、八坂神社の野村宮司が書かれたという、流れるようなラベルの文字も注目ポイントです。
店の入り口に掲げられている看板には「豆平糖」とあります。その昔、八坂神社境内に売られていた「かんかん飴」にヒントを得て考案された、文字通りの看板菓子です。
豆平糖の材料はたった2つ、砂糖と大豆だけ。国産の上質な大豆を焙烙で炒って飴に入れ、飴が熱いうちに棒状に引き延ばして作るそう。飴が冷めないうちに、家族総出で作る手間暇かけたお菓子です。机の角などで、カンカンと割って食べましょう。
もうひとつの銘菓は「大つゝ」。大砲がモチーフになっているこのお菓子は、黒糖と生姜を煮詰めた飴を小麦粉の煎餅でくるりと巻いたもの。
「黒砂糖飴のようでもなく、生姜のパンチがきいた味です。この飴は下里だけのものなんですよ」と井上さん。いただくと、ひやしあめのやさしい生姜の風味とは違う、まさにパンチのきいた大人の飴という味わいでした。
お店のある付近は、祇園の巽橋や白川南通りなど、はんなりした花街の町並みが美しいエリア。ひやしあめや、ひやしあめアイスクリームはテイクアウトができるので、さんぽ途中に立ち寄って、リフレッシュするのもよさそうですね。
昔ながらの素朴な味を大切にしつつ、カジュアルに伝統の味を楽しめる「するがや祇園下里」。季節が秋から冬へ移り変わると、あたたかい「あめ湯」も登場する予定です。祇園を訪れたら、ぜひ立ち寄ってみたい一軒ですね。

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