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【鳥取編⑥】料理をひきたてる、鳥取のうつわで提供する素敵なごはん屋さん2店

  • 2022年2月23日
  • ことりっぷ


民藝運動の影響を色濃く受けた窯元が今も残る鳥取県。その精神を受け継ぐ陶工たちが生み出すうつわは、使ってこそ良さが実感できるというものです。口当たりや手触りの質感、料理を包み込む包容力、食卓に彩りを添える健やかな美しさ。日常づかいを目的として作られた鳥取のうつわの魅力も一緒に味わえる、2軒のお店を紹介します。
JR鳥取駅から歩いて約5分。味わいある板張りの外観に素敵な暖簾が映えるこちらのお店は、「カレーと手仕事のうつわ」をコンセプトにしたカレー屋さんです。福岡の老舗で味わったスリランカカレーに衝撃を受け、現地・スリランカに滞在してノウハウを学んだ店主・梶川哲秀さんが2020年にオープンさせました。ゆっくりと味わえるように、11:00~、12:00~、13:00~の3部制、完全予約制での営業となっています。
店内に入ると真っ先に目に留まるのが、オープンキッチンの壁一面に飾られたバリエーション豊かなカレー皿。「牛ノ戸焼」「因州・中井窯」「岩井窯」「山根窯」「延興寺窯」「牧谷窯」の鳥取東部にある6つの窯元の作品で、店主自らが現地に足を運んで1枚ずつ買い付けたものです。「鳥取のうつわの魅力を、見て、使って、体感してほしい」という思いから、好みのうつわをセレクトしてカレーが味わえるユニークなスタイルを採用しています。
トマトベースの「レッドカリー」と、ココナッツベースの「イエローカリー」、その両方が味わえる合いがけの「カジランカリー」の3種類がメニューに並び、辛さ増し(+50円)、ルー多め(+100円)などの調整も可能です。島国・スリランカ特有のカツオのスパイス「モルディブフィッシュ」を加えた本場仕込みのルーには、大根や生キクラゲといった鳥取県産の具材がゴロっと入り、付け合わせの副菜と混ぜ合わせながら味わうことで味の変化や奥行きが楽しめます。
「エスニック料理も受け止める懐の深さが、鳥取のうつわの魅力です」と梶川さん。今後は手仕事にまつわるイベントも不定期で開催予定だとか。食を通して鳥取の魅力を発信する「KAJI CURRY」から、ますます目が離せません。
澄んだ海とリアス海岸が続くビュースポット「浦富海岸」のそばに建つ一軒家カフェ。こちらのお店を営むのは、美しい海に魅せられ兵庫県から移住した川元夫妻。築35年の民家をセルフリノベーションした空間は心地よく、倉吉市にあるガラス工房「saon」のランプシェード、鳥取市に工房を構える「型染めくじら」のタペストリーといった県内各地の手仕事の逸品が、店内のインテリアに彩りを添えます。料理に用いるうつわも、もちろん鳥取メイド。「山根窯」や「牧谷窯」など7つの窯元のうつわを使い分けます。
こちらを訪ねたら、ぜひ味わいたいのがスパイスカレー。鳥取は一世帯あたりのカレー消費量が常にトップクラスというカレー王国で、カフェや居酒屋など幅広いジャンルのお店でオリジナルのカレーと出会うことができるのです。「Cafeニジノキ」では、季節や使う食材に応じてスパイスを調合した、香りと酸味と旨さが際立つ一皿が魅力。その味わいに根強いファンも多いです。
自家製スイーツとスペシャルティコーヒーも楽しみのひとつです。季節の自家製ジャムとクリームを添えた「スコーン」をはじめ常時3種類そろうスイーツは、てんさい糖などで味を調えた優しい甘さが特徴。コーヒーは神戸の自家焙煎豆専門店「Bundy Beans」にオリジナルでブレンドしてもらったものを、1杯ずつハンドドリップで提供しています。
ていねいに作られた料理と鳥取のうつわのマッチングも一緒に楽しみながら、午後のカフェタイムを過ごすのもおすすめです。
窯元の数だけバリエーションがある鳥取のうつわは、どんな料理もどっしりと受け止めてくれる包容力が魅力。手作りならではの温かみが、テーブルをほがらかに彩ってくれます。うつわ選びや使い方をお手本にしながら、今回紹介した2軒お店をめぐってみませんか。

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