
「Wear KUTANI」は能美市観光物産協会プロデュースのもと、九谷焼の産地である能美市在住の女性クリエイターが制作する手づくりのアクセサリーシリーズです。生地制作から絵付けまで、一点一点16名の作家が手作業で制作。また、九谷焼の魅力を熟知したジュエリーデザイナーが加飾、装飾を施し、上質なアクセサリーに仕上げています。
赤絵細描の技法で、器などの絵付けを行なっている福島礼子さん。一色の絵の具を用いて描く赤絵ですが、ベタ塗りすると深紅のような印象になり、細く描くと淡いピンクのようにもなる。「線の描き方ひとつで驚くほど “赤”の印象が変わるのがおもしろいです」と福島さん。小さなたまご型のブローチに、いろいろな表現の“赤”が描かれています。緻密な線が生み出すあたたかみや愛らしさにうっとり見惚れてしまいます。
普段は食器や酒器、香炉や茶器など、暮らしの中で使えるものでありながら、アート性があるものを作っている早助千晴(はやすけちはる)さん。細やかな絵付けが施された色絵磁器・九谷焼に魅了されてこの世界に入った早助さんは、九谷焼をやるからには鮮やかな「九谷五彩」を使いたいといいます。なかでも「紺青」は早助さんが好んで用いる色の一つ。和絵の具を焼いたときのぷっくりとした凹凸も相まって、表情豊かな青が引き立ちます。
赤絵細描を主体としながら、和絵の具も同時に用いる作品を制作している吉田純鼓(よしだじゅんこ)さん。優しさや温かみがある赤絵の世界に魅せられながらも、透明感の中に深さがある和絵の具特有の「色」にも惹かれ、その両方を用いた作品を作られています。
さらに九谷焼に異国のエッセンスを加え、さまざまな要素をバランス良く織り交ぜることで、小さくても目を惹くパワフルな作品を生み出しています。
「Wear KUTANI」は一点一点手作業で制作されているため大量生産ができず、オンライン販売は今のところ行っていません。能美市内では「能美市九谷焼美術館 五彩館」、金沢市内では「いしかわ生活工芸ミュージアム」で取り扱っています。作品の数がいちばん多いのは「能美市九谷焼美術館 五彩館」だそうです。ぜひ産地に出かけて、小さなアクセサリーに描かれた可憐な九谷焼を目にしてみてくださいね。
能美市九谷焼美術館 五彩館
石川県能美市泉台町南56
9:00~16:30
月曜休(祝日の場合は翌平日休)
いしかわ生活工芸ミュージアム
石川県金沢市兼六町1-1
9:00~16:45
第3木曜休(12~3月は木曜休)