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100年続く、素朴で懐かしいパン屋さん。地元の人が毎日のように通う京都・西陣の「大正製パン所」

  • 2020年8月10日
  • ことりっぷ


パンの消費量全国第1位になったこともあるほど、パン好きが多いことで知られる京都。
まちなかには、個性豊かなパン屋さんが数多く存在しますが、なかでも今出川通は激戦区と言われるほど、人気のパン屋さんが建ち並びます。
「大正製パン所」は、京都のパン屋さんの中でも特に長い歴史を持ち、京都で2番目に誕生したお店です。
「大正製パン所」は、千本通と今出川通が交差する「千本今出川」の南東に位置します。小麦の葉っぱがデザインされたレトロな看板が目印。店内に入ると「いらっしゃいませー」との明るい声が迎えてくれます。声の主は、三代目の奥さま・河戸晴美さん。にこにことやさしい笑顔が印象的です。
「大正製パン所」との名前の通り、創業は1919(大正8)年。昨年100周年を迎えた、京都では「進々堂」に次ぐ長い歴史を持つお店です。広島出身の初代が、当時、非常に活気のあった西陣の地でお店を開いたのが始まり。パンは汁気がないため手が汚れず、機織りの合間に手軽に食べられると評判を呼び、各織屋から注文を受け、おやつに夜食にと箱に入れて届けていたのだそう。
現在では、小さな子どもがおつかいにやってきたり、学生時代に毎日のように食べていた味が忘れられないという人が大人になって訪れたりと、地元の人々の暮らしに寄り添うお店として親しまれています。
こだわりは、できる限り手をかけること。具材ひとつひとつまで、手作りにこだわることで、安心・安全なパンを提供し続けています。地元の幼稚園の給食などでも愛され続けるのは、このひと手間があってこそ。
パン生地そのものは、低温長時間発酵で仕上げています。通常よりも、温度や湿度の管理が難しく時間も余分にかかりますが、パン本来の香りや甘みがより一層楽しめるのだとか。
名物は、3日かけて仕上げるという「カレーパン」。中のカレーももちろん手づくりで、3種のルウを使い、パンに合うよう計算されたカレーをパン生地で包み、一度焼き上げます。こうすることで、揚げ時間が短く済み、あっさりとした食べやすい味わいに仕上がるのだとか。
調理パンも人気で、昔懐かしい「ハムロール」はロングセラー。シンプルにたっぷりのキャベツとハムの旨みを味わえる一品。隠し味のマヨネーズは、2種を独自のバランスでブレンドすることで、酸味を抑え、パンと具材との味わいを邪魔しないよう調整しています。
「たまごロール」は、オリジナルブレンドのマヨネーズとゆで卵をあえた、素朴でやさしい味わい。あっさりと食べやすいので、おやつ代わりにもおすすめです。
「注文のお電話をいただいたら、取りに来られる時間に合わせてカレーパンを揚げてお渡しするんですよ」と河戸さん。そうした気遣いも地元で愛される理由です。
まるでタイムスリップしたかのようなやさしさにあふれるパン屋さんにぜひ足を運んでみてください。

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