“プラモ界の甲子園”を初開催!聖地・静岡で高校生が出来栄えを競う

  • 2024年11月18日
  • コロカル
“模型の世界首都”で開かれるプラモデルの甲子園

静岡市は日本全国のプラモデル製造品出荷額の80%を超えるシェアを誇ります。静岡に本社や事業所を置く模型関連メーカーは13社以上。国内外の模型ファンたちの間で静岡は”模型の世界首都”と認識されているのだとか。

静岡市内にある久能山東照宮

静岡市内にある久能山東照宮には、プラモデルが奉納されています。

静岡におけるプラモデル製造の背景には長い歴史があります。古くから木材加工がさかんな静岡市には寺社仏閣の造営のため、全国各地から優秀な職人が集められました。こうして地域に受け継がれた技術を生かし、木製模型産業が生まれ、さらにそれがプラモデル産業に発展しました。

このような背景から静岡市は世界に誇るプラモデルを核に「ホビーのまち静岡」としてさまざまな取り組みを行っています。

その一環として12月7日、8日に記念すべき第1回が行われるのが、〈全国プラモデル選手権大会 次世代模型フェスティバル in ホビーのまち静岡(以下プラモデル選手権)〉です。

大会に参加できるのは全国の高校生。部活動として模型を作る模型部などを中心に、学校単位で参加する大会で、いわばプラモデルの甲子園です。

大会は

(1)課題テーマ部門

(2)ジオラマ部門

(3)単体部門

の3つの部門で行われます。

課題テーマ部門とジオラマ部門は5人までのチーム、単体部門は1人で制作することになっているほか、プラモデルキットの使用や、展示面積など、参加の条件やレギュレーションに従う必要があります。

大会への参加申込は、7月12日〜9月末までに行われました。課題テーマ部門には4作品、 ジオラマ部門には19作品、単体部門には133作品がエントリー。12月7日、8日に行われる本戦に進めるのは30校ほどです。

『全国プラモデル選手権大会 次世代模型フェスティバル in ホビーのまち静岡』のポスター

〈全国プラモデル選手権大会 次世代模型フェスティバル in ホビーのまち静岡〉のポスター。

大会当日は、会場のツインメッセ静岡 北館に制作した作品を持ち込んで展示。高校生たちは審査員や一般来場者に向けてプレゼンテーションも行うことになっています。

誰がつくっても同じじゃないプラモデルを発表する機会を

どうして2024年の今、プラモデル選手権が開催されることになったのか。その発端は静岡市が行ったアンケートでした。その結果、小学生のときプラモデルを楽しんでいた子どもたちが中学生や高校生になると勉強や部活動が忙しくプラモデルから離れてしまっていることがわかりました。模型部というプラモデルを作る部活がある高校もありますが、他の部活動に比べて学校外での発表の機会が少ないこともわかりました。

そこで、「プラモデルにも野球の『甲子園』やラグビーの『花園』のように高校生がその技術と情熱を競い合う場があったら、引き続きプラモデルに熱中してもらえるのではないだろうか」と「プラモデル選手権」の開催が企画されました。

ところで模型部をはじめとするプラモデルを作る部活動が、全国の高校にどれぐらいあるものなのか。プラモデル選手権主催者が、インターネットを通じて調べたところ、70校ほどがヒット。第1回となる大会を盛り上げるため、各学校に案内を送付しました。

プラモデルのキットを模した「プラモニュメント」

静岡市内にはプラモデルのキットを模した「プラモニュメント」が増えています。

第1回プラモデル選手権のキャッチフレーズは「こだわるって無限大だ−誰が作っても同じじゃない!」。プラモデル選手権の仕かけ人のひとりで静岡市役所のプラモデル振興係で係長を務める石川直哉さんによると、「型にはまったものしか作れないと思われがちな『プラモデル』のイメージを払拭したい」とこのキャッチフレーズが生まれました。

プラモデルはキットを使ってつくられますが、実は作る人の技術やこだわりによって出来上がりは千差万別なのだとか。高校生たちにとって学校以外で同年代のプラモデル愛好家による作品の実物を生で見る機会はまれです。お互いに刺激し合って、今後の制作活動にますます熱が入るのかもしれません。

「模型に青春をかける高校生の技術と情熱を多くの方々に見ていただきたい」と石川さん。

12月7日と8日、〈ツインメッセ静岡 北館〉には高校生たちの作品が並びます。静岡に集まる高校生たちがプラモデル制作に込めた思いのこもったプレゼンテーションにも注目です。

information

第1回全国プラモデル選手権

開催日時:2024年12月7日(土)10:00〜17:00・8日(日)10:00〜14:00(予定)

会場:ツインメッセ静岡 静岡県静岡市駿河区曲金3-1-10

入場:無料

web:全国プラモデル選手権大会

writer profile

Saori Nozaki

野崎さおり

のざき・さおり●富山県生まれ、転勤族育ち。非正規雇用の会社員などを経てライターになり、人見知りを克服。とにかくよく食べる。趣味の現代アート鑑賞のため各地を旅するうちに、郷土料理好きに。

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