“健全な猥雑性”。池袋駅周辺がいま面白いそのワケは?

  • 2024年10月31日
  • コロカル

池袋を歩いて楽しむ4日間

11月1日から4日までの4日間、池袋駅周辺で〈IKEBUKURO LIVING LOOP〉スペシャルマーケットが開催されます。

〈IKEBUKURO LIVING LOOP〉はnest、グリップセカンド、サンシャインシティ、良品計画の4社によるプロジェクト。

「まちなかリビングのある日常」をコンセプトに、豊島区や池袋を拠点とする企業や店舗と連携し、マーケットの開催やストリートファニチャーの常設化に向けた社会実験などの取り組みを行っています。

目指すのは、リビングのように居心地よく、歩きたくなるまち。

IKEBUKURO LIVING LOOP

IKEBUKURO LIVING LOOPは、2024年グッドデザイン賞で「グッドデザイン・ベスト100」と「グッドフォーカス賞 [地域社会デザイン](日本商工会議所会頭賞)」をW受賞。

そんな池袋で、この度開催される「スペシャルマーケット」は年に1度の特別な4日間として、グリーン大通りや南池袋公園に池袋文化圏をはじめ、全国のつくり手・生産者が一堂に会します。

「循環」をテーマにしたブース

なかでも、見どころは「循環」をテーマにしたブース。

リユースカップやコンポスト、洋服の回収、ウォータースタンドなどのブースが並び、消費し続けるマーケットではなく、循環するマーケットを目指します。

リサイクルボックス

また、昨年の開催時に集めた生ごみを堆肥にして育てた野菜でつくるパエリアも販売。

マーケットのなかで生まれている「循環」もアピールしていきます。

昨年の開催時に集めた生ごみを堆肥にして育てた野菜でつくるパエリア

もうひとつの見どころは、“健全な猥雑性”をキーワードに個性豊かな飲食店やDJブースなど、池袋とその周辺に拠点を持つネイバーフッドな人々が集結する「池袋人人横丁」。

“人と人の交差点”になるような場を目指し、まちなかやストリートでの新たな過ごし方を実験しながら提案していくと言います。

ネイバーフッドな人々が集結する「池袋人人横丁」

そのほか、パンや焼き菓子、ランチボックスといったフードメニューをはじめ、コーヒー、ワイン、クラフトビールなどのドリンク類、さらには手づくり雑貨や洋服、こだわりの本やアンティーク家具などの出店ブースも目白押し。

手づくり雑貨出店ブース

ワークショップやパフォーマンス、トークセッションも多数企画されており、盛りだくさんの4日間となりそうです。

パフォーマンスの様子

開催エリアとなるグリーン大通りには、「まちなかリビング」を体現したベンチなどのファニチャーが多数設置。

マーケットを楽しむ間のひと休みスポットにもぴったりです。

「まちなかリビング」を体現したベンチ

実は、こちらも〈IKEBUKURO LIVING LOOP〉のプロジェクトのひとつ。

グリーン大通りの北側歩道3か所で、小学校の体育館などの床材や時計、黒板などを再利用してつくったストリートファニチャーの設置が10月11日から行われています。

〈東京信用金庫〉本店前に設置されているファニチャー。

〈東京信用金庫〉本店前に設置されているファニチャー。

〈東京信用金庫〉本店前に設置されたファニチャーを手がけたのは、〈須藤剛建築設計事務所〉の須藤剛さんと山崎百々美さん。

既存のガードパイプの形状と石のベンチを活かしながら、直線や円形のベンチとテーブルが約40メートルの長さで連なるつくりとなっています。

〈ファミリーマート〉池袋グリーン大通り店前に設置されているファニチャー。

〈ファミリーマート〉池袋グリーン大通り店前に設置されているファニチャー。

〈ファミリーマート〉池袋グリーン大通り店前に設置されたファニチャーは、豊島区東長崎にて一級建築士事務所〈ara〉とともに、カフェ〈MIA MIA〉を営むアリソン理恵さん。〈MIA MIA〉の詳しい紹介はこちら。

「さまざまな人であふれるグリーン大通りの歩道を、ハイテーブルとベンチ、植栽によって緩やかに3つのレーンに分けました。

急いでいる人の『はやあるきレーン』、ちょっと立ち寄る『よりみちレーン』、植栽に囲まれた『ひとやすみレーン』。

人の姿勢や速度、向きの調整で、歩道のなかにあり得る豊かな活動の風景が現れるはずです」

と、そのコンセプトを語っています。

〈損保ジャパン〉池袋ビル前に設置されているファニチャー。

〈損保ジャパン〉池袋ビル前に設置されているファニチャー。

〈損保ジャパン〉池袋ビル前に設置されたファニチャーの設計には、〈Yosuke SAGOSHI Atelier〉の砂越陽介さん、〈かみいけ木賃文化ネットワーク〉の山本直さん、設計協力に工学院大学4年の小林大音さんが携わっています。

池袋駅前を終着点に路面電車が走っていた場所としての記憶から、停車場のプラットフォームがふたつ並んでいるようなファニチャーをイメージしたと言います。

また、これから池袋を訪れる人に向けて、3組の建築チームを代表してアリソンさんから、このようなメッセージをいただきました。

「昼夜問わず、さまざまな人の行き交う騒がしい娯楽のまち、池袋。

実は、働く人や住む人のたくさんいるまちでもあります。

そんな池袋の多様性を楽しむ場として、まちなかをリビングのようにしようという試みのひとつとなるグリーン大通りでの社会実験。

今回は3組の建築チームが歩道上に日常的な居場所をつくりました。

こんな日常もあるかもしれない、という想像を膨らませながら、ぜひ池袋の路上でのんびり過ごしてみてください」

この連休は、池袋のまちなかを回遊(ループ)して新たな魅力を発見してみてはいかがでしょうか。

information

IKEBUKURO LIVING LOOP SPECIAL MARKET 

開催期間:11月1日(金)〜4日(月・祝)11:00〜20:00(1日のみ16:00〜、4日のみ〜16:00)

会場:【メイン】池袋東口グリーン大通り、南池袋公園、【サブ】サンシャインシティ、その他周辺施設・店舗と連携

Web:IKEBUKURO LIVING LOOP 公式サイト

Web:IKEBUKURO PUBLIC FURNITURE TRIAL×IKEBUKURO LIVING LOOP 紹介サイト

Instagram:@ikebukuro.living.loop

※天災等によりイベント内容が変更、または中止になる場合あり。詳細はInstagramで告知。

writer profile

Mae Kakizaki

柿崎真英

かきざき・まえ●ライター。宮城県仙台市出身。2019年よりフリーランスライターとして、東京を拠点に活動中。月刊誌やニュースサイト編集者としてのバックグラウンドを活かして、Webメディアや雑誌などに寄稿を行う。

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