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これぞ工芸の未来!な14アイテム。福井から誕生した伝統工芸に感じる魅力

  • 2024年5月14日
  • コロカル

越前和紙、越前漆器など、7つもの伝統工芸品がつくられている福井県。

そんな福井県で、伝統工芸品を現代のライフスタイルに合わせてアップデートするプロジェクト〈F-TRAD〉が行われています。

伝統工芸を現代仕様にアップデート

今回が2期目となる〈F-TRAD〉。伝統工芸産地が誇る技術を生かしながら現代の生活に調和するアイテムを開発・セレクトし、その魅力を全国に発信しています。

プロジェクトの主体は福井県。全体ディレクションやコーディネートを同県鯖江市の企業である〈TSUGI llc.〉が支えます。

〈F-TRAD〉プロジェクトでは、コンセプトに合う商品開発をする〈F-TRAD MADE〉とコンセプトを体現する商品のセレクト・販売をする〈F-TRAD FOUND〉というふたつの企画を通じて、福井の伝統工芸の、未来に向けた再解釈を目指しているそう。

今回、福井県内の伝統工芸職人と福井県外を拠点とするデザイナーの協働によって、同プロジェクトから14アイテムが誕生しました。

伝統工芸の未来を感じさせる8つのプロダクト

〈F-TRAD MADE〉が目指したのは、「現代の人々の生活に寄り添う商品」。

職人とデザイナーで構成される8つのチームが工芸と産地のこれからに徹底的に向き合い、「それぞれの工芸が見据える未来」を感じさせるプロダクトを生み出しました。

越前焼 吉田雄貴(豊彩窯)× 鈴木康洋・光井花 〈HARIMON MUG、HARIMON MIRROR〉

越前焼 吉田雄貴(豊彩窯)× 鈴木康洋・光井花〈HARIMON MUG、HARIMON MIRROR〉

ぽってりとした模様が特徴的なマグカップと鏡は、越前焼の貼文甕(ちょうもんがめ)にインスピレーションを受け、その技法を再現し〈HARIMON〉と名付けられた商品。

職人吉田さんが1点ずつ手づくりする粘土の模様は、花、木、鳥、蝶、ハート、太陽の6種類です。

越前打刃物 戸谷祐次(Sharpening four)×江口海里(KAIRI EGUCHI STUDIO)〈巴刃〉

越前打刃物 戸谷祐次(Sharpening four)×江口海里(KAIRI EGUCHI STUDIO)〈巴刃〉

こちらは、肉や野菜などの食材をしっかりと切れる小三徳包丁と、果物の処理に適した小回りの効くペティナイフ、両方のよさを併せ持つミニ包丁。

軽くてコンパクトでありながら力を入れやすいこの包丁なら、料理をする楽しみをより味わえそうです。

越前漆器 関坂達弘(セキサカ)×鈴木元(GEN SUZUKI STUDIO)〈BOX〉

越前漆器 関坂達弘(セキサカ)×鈴木元(GEN SUZUKI STUDIO)〈BOX〉

箱好きのふたりによって開発されたのは、越前漆器の角物技術を生かしつつ、角度の工夫により現代的なすっきりさを感じる形に仕上げられた多目的ボックス。

上から見ると平行四辺形というこの絶妙な形が、主張しすぎないのに目にとまります。

越前漆器 服部寿彦(松屋漆器店)×舩越勇毅(trema)〈トレー、重箱、弁当箱〉

越前漆器 服部寿彦(松屋漆器店)×舩越勇毅(trema)〈トレー、重箱、弁当箱〉

こちらも越前漆器の商品。

重箱やトレーなど、テーブルウェアが人気の老舗漆器店が人気商品をアップデートしました。

カラーリングによって、モダンで華やかな印象が感じられます。

越前和紙 五十嵐匡美(五十嵐製紙)×佐藤界(FULLSWING) 〈Food Paper 野菜や果物からできたくず入れ、トレイ〉

越前和紙 五十嵐匡美(五十嵐製紙)×佐藤界(FULLSWING) 〈Food Paper 野菜や果物からできたくず入れ、トレイ〉

廃棄される野菜や果物を漉き込んだ〈Food Paper〉は、フードロスや和紙の原材料不足という社会問題を受けてスタートしたシリーズ。

廃棄されるはずだった食材を素材にしたプロダクトを通じて、ごみを捨てることや、ごみの行方を考えるきっかけになればとの思いが込められています。

越前和紙 滝道生(TAKIPAPER)×國影志穂(OOKIIINU)〈CHIGIPE〉

越前和紙 滝道生(TAKIPAPER)×國影志穂(OOKIIINU)〈CHIGIPE〉

ちぎってハガキやタペストリーにしても、そのまま飾っても使える、越前和紙を使ったポスター〈CHIGIPE(チギペ)〉。

ちぎった繊維のふんわりとした質感が楽しめるのは和紙ならでは。福井らしい風景の中に溶け込む恐竜たちが描かれています。

越前和紙 長田泉(長田製紙所)×中井詩乃(chicai)〈FRAME〉

越前和紙 長田泉(長田製紙所)×中井詩乃(chicai)〈FRAME〉

こちらは、越前和紙でできた貼り箱(※)のフレーム。

中央はマグネットがくっつく仕様なので、気に入った写真を飾ったり、壁にかけて和紙そのものの質感を眺めたり。

画鋲又はピンフック1個で取り付けられる軽さの、賃貸物件でも飾りやすいアイテムです。

※貼り箱:中芯となる厚紙で箱の形をつくり、その表面に和紙などを貼った箱のこと

越前和紙 山岸保喜・松浦絵理奈(山岸和紙店)×いしやま なおみ・今井 里紗・土田 智憲(roomA)〈JIQUU〉

越前和紙 山岸保喜・松浦絵理奈(山岸和紙店)×いしやま なおみ・今井 里紗・土田 智憲(roomA)〈JIQUU〉

最後は、越前和紙の素材や表情を生かした現代風掛軸〈JIQUU(ジクウ)〉。

一般的には「裏打」として作品の引き立て役となる和紙を主役に据えました。飾る場所や時間帯で、表情の変化も楽しめるそう。

〈F-TRAD FOUND〉には〈Food Paper〉から4つをセレクト

〈F-TRAD FOUND〉

ご紹介した〈F-TRAD MADE〉の8つのプロダクトのほかに、〈F-TRAD FOUND〉では4つのプロダクトをセレクト。

五十嵐製紙の〈Food Paper〉シリーズから、

〈野菜と果物からできたストッカー〉

〈野菜と果物からできた小物入れ〉

〈野菜と果物からできたサコッシュ〉

〈多彩と果物からできたメッセージカード〉

がラインナップに加わりました。

軽さ、風合い、耐久性、愛らしさ……。〈F-TRAD〉の商品を通じて伝統工芸の新たな魅力が見えてきたのではないでしょうか。

現代の暮らしに馴染む14アイテム、そのこだわりや開発秘話を含む詳細は特設ECサイトよりご覧ください。

information

F-TRAD特設ECサイト

Web:公式サイト

writer profile

Kanae Yamada

山田佳苗

やまだ・かなえ●島根県松江市出身。青山ブックセンターやギャラリースペース、ファッション・カルチャー系媒体などを経て、現在フリーのライター、編集者として活動中。まだまだ育ち盛り、伸び盛り。ファッションと写真とごはんが大好きです。

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