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キャンプの恵み

Vol.98 受け入れてもらえる場所

  • 2016年1月14日

 日本キャンプ協会では会員などを対象とした『CAMPING』という会報誌を発行しているのですが、その最新号の特集は「子どものこころ」というタイトルでした。キャンパーである子どものこころについて理解してみようという趣旨で、いろんな立場の方々に原稿を書いていただきました。
 その中に『キャンプの友達には嫌われちゃってもいい!』というタイトルの原稿がありました。「嫌われてもいい」とは穏やかではありません。
子どものこころ  これは昨年、惜しまれつつ閉館した「こどもの城」が行っていたキャンプに参加していた中高生7人に対するインタビューをまとめていただいたものです。キャンプでどんなことを感じていたか、キャンプは自分にとってどんな存在なのかという質問をする中で、「嫌われてもいい」という発言は出てきました。決して「どうでもいい人だから嫌われていい」ということではなく、「キャンプの友達には素の自分を出しても、きっと受け入れてもらえる」と感じるのだそうです。

CAMPING特集「子どものこころ」
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 キャンプはほんの数日のものですが、同じ釜の飯を食い、生活を共にすることで、特別な関係が生まれます。頼りになる年上のリーダーはいますが、家庭でのお父さんやお母さんのように依存できる関係ではありません。自分でしなければならないことや仲間の助けを求めないとできないことがたくさんあったり、普段はやらせてもらえないことができたりすることが、学校や家庭とは違う人との関係性を生むのです。
 自然の中でリラックスすることで、普段の自分を護っている鎧がほどけて、いつもよりコミュニケーション上手になれているのかもしれません。

 中高生ともなれば、日々の生活の中でいつも素の自分を出すというわけにもいかないでしょう。「それが現実」と言ってしまえばそれまでだけれど、やっぱり少ししんどいものです。すべての子どもたちが、1年に1度でいいから、「嫌われてもいい」と思えるほどの信頼を置ける友達と過ごすキャンプの時間を持てればと願います。

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