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キャンプの恵み

Vol.96 Special Needs Camp Network(仮)

  • 2015年12月10日

 日本で最初の障害のある子どものためのキャンプは、1953年、神戸YMCA余島キャンプで行われた「肢体不自由児キャンプ」だと言われています。当時は戦後復興の途上で、まだまだ日本全体が貧しかった時代。障害者福祉の制度も不十分で、障害のある子どもたちは学校に行くことすらままならないというころです。おそらくこれは、世界中を見渡してもかなり先進的な事例だったのではないでしょうか。
 そのキャンプは、キャンパーにとってのみならず、スタッフとしてかかわったボランティアにとっても、人間の尊厳を考える貴重な機会になったといいます。

 それから60年以上が過ぎ、社会は大きく変わりましたが、キャンプが人間の尊厳について考える優れた場であることに違いはありません。
Special Needs Camp
Special Needs Camp
 Special Needs Campということばがあります。Special Needsというのは、ごく単純に言うと、なんらかの生きづらい状況があり、それを埋めるための特別な配慮がいるということです。そのSpecial Needsに対応したキャンプが、Special Needs Campで、最初に紹介した肢体不自由児キャンプもそのひとつです。キャンプという特別な空間の中で、生きづらさを緩和するための配慮について工夫をこらし、生活をし、楽しみながら、ともに考える。そうすることで、個々が抱える生きづらさを、内側からも外側からも緩和しようと試みる、そんなキャンプです。
 ただ、これはとても難しいキャンプと言えるだろうとおもいます。キャンパーのSpecial Needsの中身を理解しなければなりませんし、いつもとは違う準備や安全上の配慮も必要で、費用も多くかかりがちです。
 今も日本中でたくさんのSpecial Needs Campが行われていますが、それらを横につなぎ合わせることができればなぁと考えています。そして、このキャンプの難しさを和らげることに役立つ情報交換ができれば、もっともっとキャンプが社会の役に立つことができるのに、とおもうのです。
 具体的な形はまだ見えませんが、「Special Needs Camp Network(仮)」を立ち上げること、それが今の目標です。



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