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キャンプの恵み

Vol.85 キャンプとドラマ

  • 2015年7月9日

 海外のキャンプ場には、ちょっとした劇場顔負けの舞台や衣装部屋を備えたところがあります。それらのキャンプでは、「ドラマ」というプログラムがあり、キャンパーが自分たちでつくった劇を上演するのです。キャンプの期間中、毎日少しずつ準備をして、お話をつくり、衣装を選び、練習をして、キャンプでの1週間が終わるころに発表です。

キャンプとドラマ
キャンプとドラマ
 キャンプと演劇の組み合わせはあまりピンとこないかもしれませんが、目的は共通しているのではないかとおもいます。ひとつは、他者との関係をかたちづくる能力を身につけること。もうひとつは、自己肯定感を高めることです。
 たとえ数分の作品であっても、ひとつの劇をつくる過程にはとてつもない数の取捨選択があります。そして、一通り作品ができあがったら、ちゃんと観客に伝わるか客観的に判断し、修正を加えなければなりません。その劇を構成するのは、言葉や表情、動きといったコミュニケーションツールですから、コミュニケーションについて実践的に学ぶには最適というわけです。
 一方、自己肯定感を高める方法はいくつか考えられますが、いろんな自分を演じてみるというのも、よい方法のひとつです。昨年、「ありのままで」が流行語になりましたが、現実には、ある特定のありのままを保つことはまず無理です。おそらく、「これでいい」と思えるのは、「ダメな自分」も「イケてる自分」も、「いい子の自分」も「ずる賢い自分」もいるけれど、全部ひっくるめて、トータルで考えたらなかなかいい感じという自分です。だから、「ぼくのキャラとは違う」と思うような、強いヒーローや意地悪な女王を演じきってみることに意味があるわけです。

 日本ではキャンプ期間の短さやプログラムのあり方の違いが影響して、同じような「ドラマ」を取り入れることは難しいでしょう。けれど、キャンプをいろんな自分を演じる場面だととらえてみることは、けっこう大事なのではないかとおもうのです。



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