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キャンプの恵み

Vol.69 世界のキャンプに出会うこと

  • 2014年11月6日

展示ブースで日本のキャンプをちょっと紹介
展示ブースで日本のキャンプをちょっと紹介
 10月に第10回国際キャンプ会議というイベントがトルコで行われ、世界31か国から400人を超える人が集まりました。
 キャンプという“共通の関心”の下に集まるのですが、キャンプの教育的、産業的ありようは国や地域によってまったく別物なので、“共通の利害”があるわけではありません。だから、モーターショーのような交易のための集まりとも、そこで交わされる情報そのものに意味のある学会のようなものとも異なります。その場の雰囲気はいかにも楽しげで、そこでどれだけの成果が生まれるのかは必ずしも明確ではありません。

 それでも、活気に満ちた市場のような、雑多な人が行き交う場所には大きな存在意義があるのだろうとおもいます。
 たとえば、オーストラリアの方から、キャンプ場のユニバーサルデザインの取り組みの話を聞きました。オーストラリアというのは、アウトドアを日常的に楽しむ人が多く、障害があってもキャンプなどを楽しむことのできる環境の整備が、日本に比べるとうんと進んでいます。だから、参考にするにはちょっと立派すぎる感が否めません。
みんなに多様な選択肢を提供することもユニバーサルデザイン実現の方策のひとつみんなに多様な選択肢を提供することもユニバーサルデザイン実現の方策のひとつ  でも、話を聞いていると楽しい気持ちになるんです。
 車いすを使っている人がマウンテンバイクを楽しむためにどうすればいいか?
 特別な自転車を用意することは、ぼくにもおもいつきます。けれどそのキャンプ場では、いろんなタイプの自転車を用意して、特別な自転車を必要としない人も選べるようにしたのです。
 誰でもが特別な自転車を選べるようにするのには、少しコストが余分にかかるとおもうけれど、特定の誰かだけに特別な配慮をするより、みんなを特別にするほうが、ちょっと楽しいとおもいませんか?
 物理的にオーストラリアのマネはできなくても、「思想」のマネは簡単にできます。楽しい気持ちでキャンプの未来を考えるために、遠い場所の、ちょっとマネのできないような、楽しくなれる話を聞くことには意味がある、そうおもいます。


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