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キャンプの恵み

Vol.68 キャンプとジェンダー

  • 2014年10月23日

 先日、「キャンプとジェンダー」という研修会を行いました。
 「ジェンダー」は、ごくごく単純にいうと「性別」のこと。キャンプには炊事やお風呂といった生活の要素が含まれることもあり、ジェンダーについて考えざるをえない場面が必ず出てきます。だから、いっちょしっかり考えてみましょうかと、研修の機会をもったわけです。

役割分担 たとえば野外炊事で、「男の子は火おこし、女の子は野菜を切ってね!」と、役割分担が自然に決まる場面がよく見られます。このような分担が間違っているというわけではないけれど、キャンプという自由な場面設定ができる活動においては、もっとほかの選択肢を選ぶことも可能です。
 たとえば障害のある子どもたちとのキャンプで、男性ボランティアが確保できず、入浴やトイレの場面の同性介助を徹底するのが難しいということも起こります。
 さらには、性同一性障害を訴えるキャンパーがいて、対応に戸惑ったという事例も最近では出てきています。
 いずれも難しい問題です。グループに分かれて話し合い、いろんなアイデアは出るのですが、結論には至りません。

条件設定  でも、それでいいのだとおもいます。
 社会的な役割を区切るものとしての性別については、いろんな考えがあって当然です。キャンプの目的によって、さまざまな条件設定が可能でしょう。性同一性障害については、まだまだ社会全体が戸惑っている状態ですから、明確な答が出るほうが不自然です。同性介助については、少しだけ問題は単純だと言えるでしょうが、ボランティアの確保はキャンプにとっての永遠の課題のひとつであり、そう簡単に解決策は出てきません。
 ただ、こうして考え、ほかの人の意見を聞くことで、「どんなキャンパーが来ても、なんとか受け止めてみせるぞ!」という構えは身につけることができるのではないかと思います。ジェンダーについて考えることは、それが難しい問題であるがゆえに、キャンプの足腰を強くしてくれるのだと思います。


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