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キャンプの恵み

Vol.36 事故が起きなかった理由

  • 2013年7月25日

ミカン畑に囲まれたのどかな「ヤキバ」の浜
ミカン畑に囲まれたのどかな「ヤキバ」の浜

 夏休みです。

 子どものころ、夏休みをどう過ごしていたかを思い出そうとしてみても、すでに記憶はおぼろげです。ただ、海に行く機会は多くありました。私は瀬戸内海の小島の生まれで、家から10分たらずで海に出られたのです。島には市営の海水浴場もありましたが、子どもの足では少し遠く、たいてい海水浴は「ヤキバ」とみなが呼んでいた、小さな浜に出かけていました。

 余談ですが、その浜が「ヤキバ」と呼ばれていたのは、脇に火葬場があったから。記憶違いでなければ、祖母の火葬はそこでしたはずです。それでも、「ヤキバ」で泳ぐことを怖いとか気持ち悪いとか思った記憶はまったくありません。

 さて、「ヤキバ」は小さな湾の美しい砂浜でしたが、当然、監視員もいなければ、サメの進入を防ぐネットもありません。流されたビーチボールを追いかけるうちに流れに乗ってしまい、自分自身が流されそうになったこともありました。まったく、危なっかしいものです。それでも幸いなことに、それ以上の危ない目に遭ったことはありません。それなりに安全に配慮した遊び方をしていたのか、それとも単にラッキーだったのか。今となっては、本当のところはわかりません。

 かように「事故が起きなかった理由」というのは、はっきりしないものです。ひとたび事故が起きると「事故が起きた理由」を探しますが、「事故が起きた理由」の反対が「事故が起きなかった理由」というわけでもないのです。

 事故が起きたとき、責任についての不毛な論争が生じることがあります。議論が不毛なものとなってしまうのは、ここに原因があるのでしょう。事故の責任のすべてを他者に押しつけることはできませんが、だからといってすべて自己責任で片付くものでもありません。事故が起きると、そういった割り切れないことに向き合わなければならないのです。

 夏の海や山は最高の遊び場です。そうしたつらい思いをしないですむよう、事故なく、楽しく自然の中で過ごしたいですね。


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