サイト内
ウェブ
キャンプの恵み

Vol.20 「求められる」という魔法

  • 2012年11月22日
紙とんぼづくり どうやったらうまくいくと思う?
紙とんぼづくり どうやったらうまくいくと思う?
ぐにゅぐにゃのあいつ(スライム) ビニール袋に入れて持って帰ってね。口に入れちゃダメだよ。
ぐにゅぐにゃのあいつ(スライム) ビニール袋に入れて持って帰ってね。口に入れちゃダメだよ。

 10月のおわりに、「あつまれ!秋のキッズフェスタ」というイベントがあり、2,000人を大きく超える人が集まりました。たくさんの遊びのテントが並ぶなか、若いスタッフが切り盛りする4つのテントがありました。これは、日本キャンプ協会と日本YMCA同盟、東京YWCA、ボーイスカウト日本連盟、ガールスカウト日本連盟という、キャンプに携わる5つの団体が共同で行っている「出会いと体験の森へ」という取り組みのひとつで、それぞれの団体の大学生世代のリーダーたちを対象とした交流塾の実習として行われたものです。

 準備段階の彼らの様子はというと、正直「ちょっと頼りないなぁ。大丈夫かいな?」と思わせるものでした。しかし、各ブース100人を超える子どもたちを相手にするうちに、みるみる変わっていきます。
 「ねぇ、これどうするの?」
 「ねぇ、もう始めてもいい?」
 「ねぇ、ねぇ、こっち、こっち、こっち〜!!!」
 次から次へと声をかけられるうちに、きちんと質問に答えたり、ときには軽くあしらったりが上手にできるようになっていくのです。


秋の一日をたくさんの子どもたちが楽しみました。
秋の一日をたくさんの子どもたちが楽しみました。

 彼らの様子を見ていると、人が最も能力を発揮するのは誰かに求められたとき、誰かのために動くときなのだということがよくわかります。それも当然、子どもたちはリーダーたちに、聖徳太子の逸話のように、同時に何人もの声を聞いて対応することを求めているのですから。自分が想定していた「ぼくのできること」を大きく超えた能力を発揮せざるを得ません。

 このような経験を何度か重ねると、誰かのためになにかをすることが、自然なふるまいになります。すると、いいことが起こります。世の中よくできたもので、「誰かのため」が身に付いた人のところに、優先的に社会のリソースが流れてくるのです。「いいもの」を受け取ってもすぐに次にパスしてしまうから、手元に残りはしませんが、どうせまた次のものがやってくるのですから、心配はいりません。

 「情けは人のためならず」という言葉がありますが、「子どもに遊びを提供することは、子どものためならず」ということなのだと思います。すこし語呂が悪いけれど‥。


キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。