就職してからは、野外教育の担当者として、大学生のボランティアリーダーと協力し、子どもたちのキャンプをたくさん引率しました。
当時のキャンプの特長は、とにかくよく歩き、自分たちの食事は全て自炊するキャンプが多かったように思います。特に、低学年の子どもたちは、長い距離を歩いたり、かまどで火を熾してご飯を炊いたりするのは、簡単なことではないので、疲れ果てて泣きながら歩いたり、食事の準備がうまくできなくて、グループ内で喧嘩が起こるなど、いつも様々な出来事がありました。でも、そんな体験をしながらも、同じグループの高学年のお兄さん、お姉さん、リーダーたちに助けてもらって、一つひとつ乗り越えていくと、少し自信がついて、グっと成長した顔つきになります。
そんなキャンプのチカラを実感することは、子どもたちのキャンプを引率するひとつの大きな魅力でした。
また、我が家でも、子どもたちが小学生ぐらいまでの頃は、毎年のように、海や山にキャンプに出かけました。我が家のキャンプは、あまり人がいなくて、ちょっと不便だけれど、自然を満喫できる場所が定番でした。具体的には、山奥にある小さな広場や、少し歩かないと入れない浜辺などでした。
そういう場所に、必要最小限の荷物を持って行き、家族みんなでテントを立てて、昼間は思い切り海や川で遊び、夜はランタンの灯りでごはんを食べて、波の音や虫の音色を聴きながら、満天の星空を眺めたものでした。今は子どもたちも成長して、家族でキャンプに行く事はなくなりましたが、あの夏の日のキャンプの思い出は、我が家にとって大切な宝物になっています。
思えば、これまでの人生の折々で、キャンプは身近な存在であり、キャンプからいろんなことを学んだような気がします。キャンプの持つチカラが、今年の夏も、キャンプをする人たちにとって、かけがえのない体験につながることを願っています。 (ゼロ)