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キャンプの恵み

Vol.1 災害時にもっとも役立つスキル

  • 2012年3月1日
子連れ防災本
被災ママ812人が作った 子連れ防災 手帖

 『被災ママ812人が作った 子連れ防災本』という、東日本大震災で被災されたお母さん方の体験を元に作られた本のために、短い文章を書かせてもらう機会がありました。テーマは「防災キャンプ」。おそらくキャンプの素朴で工夫を必要とする生活が、不便を強いられる状況で役に立つだろうということで、お声がかかったのだと思います。

 でも、大きな災害の直後には、たとえば「まきでご飯が炊ける」といった単純なスキルさえ活用できないことがあります。では、こんなときにもっとも役に立つのはなんでしょうか。思いついたのは、「困ったときに素直に助けを求めることができて、困っている人を見たときに自然に手をさしのべることができる」ということでした。きわめて単純ですが、「助け合い」が最強のスキルなのです。

キャンプ

 キャンプはこのスキルを身につけるのに最良の場所のひとつです。家族でキャンプに出かけたと想像してみてください。キャンプのちょっと不便な暮らしには、子どもたちがお手伝いをできる場面がいくつもあります。「ちょっと手伝って」、そんな言葉が交わされるうちに、子どもたちは災害時最強のスキルを自然と身につけます。

 さらによいのは、キャンプが楽しい活動だということです。子どもたちは親の気持ちを写す鏡のようなもの。親が楽しんでいれば、子どもたちは自然と楽しくなって、「もっと、もっと」という気持ちになります。だから最初は親自身が「あ、気持ちいいな」と思える簡単なことから始めてみましょう。まずは公園でピクニックするだけでも十分。「楽しいな」と思えることを積み重ねていきましょう。

 家族でのキャンプに慣れてきたら、ほかの家族といっしょにキャンプをしたり、NPO等が主催するキャンプに子どもを参加させてみませんか。知らない人とも協力する、自分より弱い人を助ける、他の人に助けてもらう、新しいスキルを身につけるといった経験を通じて、子どもたちは災害時の力強いパートナーに成長してくれるはずです。

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