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「風の道」 Q&A解説

読み:
かぜのみち
英名:
Wind Passage
  • Q: 風の道をつくると都会が涼しくなるの?
    風の道を整備することで、都市部のヒートアイランド現象など、気温上昇は抑えられるのだろうか?

    A: 風の道は、都市計画を行うときに、建物や、公園などの緑地の配置を工夫するなどして、都市部へ郊外から風を誘導する通り道をつくることで、都市部の気温の上昇を抑えようという考え方だ。東京などの大都市では、コンクリートの建物や、アスファルトの道路が多く、太陽の熱が地面に蓄熱されやすい。また、エアコンの使用や自動車の走行に伴い発生する人工の排熱によって気温はますます上昇する。さらに、樹木が少ないため、水分蒸発による気温低下がほとんどない。これらの理由によって、とくに夏期は都市部の気温が周辺地域に比べて高温になる。このように、都市中心部の気温が郊外に比べて高くなるのがヒートアイランド現象だ。ヒートアイランド現象を緩和するには、省エネルギーなどとともに、都市計画を見直して、風の道を整備することが効果的だ。国土交通省が2006年度まで行った調査によると、東京など湾岸にある都市部では、海風を都心部に誘導することにより気温の上昇が緩和され、ヒートアイランド現象への対策として有効であるという結果が得られた。

  • Q: 風の道には気温を下げるほかにも効果があるの?
    風の道には、気温上昇を抑える以外にも環境対策効果があるというが、どのようなものだろうか?

    A: 都市計画を見直して、郊外から都市部への風の通り道をつくる風の道は、都市のヒートアイランド現象を緩和するとともに、大気汚染などの環境対策としても効果がある。風の道を都市計画に採り入れたドイツ・シュツットガルト市は、自動車産業が立地する工業都市であったことから、大気汚染対策の推進がその大きな目的だった。日本でも、自動車による大気汚染が激しい東京・板橋区の大和町交差点で、銀行の店舗統合によってできた跡地を、区と東京都、国土交通省などが協力して公園にし、自動車の排気ガスが通り抜ける空間をつくった。この環境対策としての風の道の整備によって、とくに冬場の窒素酸化物(NOx)濃度が大幅に改善されたという。

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