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「SA8000」 詳細解説

英名:
Social Accountability 8000

1990年代の後半から、企業は利益を追求するだけでなく、法律の遵守、環境への配慮、コミュニティーへの貢献などが求められ、企業の社会的責任(CSR)が問われるようになった。同時に労働者の人権の保護に関しても、国際的に関心が高まるようになった。その背景には、企業活動がグローバル化し、先進国の多国籍企業が発展途上国の労働者を雇うケースが増え、さまざまな問題が発生したことがある。

たとえば、1997年、米国の企業が東南アジアで、児童労働、強制労働、低賃金労働、セクシャルハラスメントなどを行っていたことが明らかになり、その企業の商品の不買運動が米国を中心に展開され、大きな問題になった。これをきっかけに、米国政府、当事者である米国企業、人権擁護団体などが中心になって、発展途上国における企業や委託工場の搾取労働を解決するための行動指針がつくられ、遵守が求められた。

しかし、この時点では国際的な労働環境の規約がなかったことから、世界共通の労働環境規約の必要性が認識され、米国のCSR評価機関であるCEP(Council on Economic Priorities)の下部組織であるCEPAA(Council on Economic Priorities Accreditation Agency)によってSA8000が策定された。なお、CEPAAはCEPから独立し、Social Accountability International(SAI)と改称している。

SA8000が取り扱うテーマは、1.児童労働の撤廃、2.強制労働の撤廃、3.労働者の健康と安全、4.結社の自由と団体交渉の権利、5.差別の撤廃、6.肉体的な懲罰等の撤廃、7.労働時間の管理、8.基本的な生活を満たす報酬、9.マネジメントシステムの9分野となっている。
SA8000は審査登録機関の調査による第三者による認証システムとなっており、企業の労働環境についての方針や現場が細かくチェックされ、合格した企業だけがSA8000の取得ができることになる。一度取得すると3年間有効だが、6ヵ月ごとに定期審査を受ける必要がある。企業にとってSA8000を取得することは、企業のイメージアップ、社会的評価・信用力の向上、競合他社との差別化などにつながり、また、健全な労働環境をつくることによって、労働意欲が向上して生産性が上昇するなどのメリットも生まれる。

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