大阪・なんばを拠点に活動する「NMB48」。かわいいだけでなくお笑いもこなす親しみやすいアイドルグループとして、2024年には結成14年目を迎え、メンバーたちはバラエティタレントにモデル、グラビアアイドルなど、あらゆるジャンルの前線で活躍している。
なかでも“グルメ”に特化した活動の幅を広げているのが、6期生のゆいなちゃん(出口結菜)。InstagramやTikTokでは「#ラビグルメ」と称し、関西を中心に、お財布に優しいグルメ情報を自らが編集した動画で発信している。過去にはラジオの冠番組で食レポにも挑戦し、ホームページ「#小麦を愛す女子」を立ち上げるなど、“グルメアイドル”道を邁進中。
そんなゆいなちゃんが、大阪のパン屋さんで見つけた“んーーまい!”ひと品を紹介する本連載。今回訪れたのは、2022年1月に堀江にオープンし、「生ベーグル」を求める人々で連日大賑わいの「ボーノベーカリ」。ゆいなちゃんも気になっていたという、人気店のパンの魅力に迫る!
■韓国で学んだ“むぎゅもち”生ベーグルと棒状クロワッサン
「今日はアクセサリーまで全身ママがコーデしてくれました!」と話しながら、生ベーグルが楽しみでたまらない様子のゆいなちゃん。案内してくれたのは、シェフの金田和人さん。ゆいなちゃんは「最近メンバーの間でベーグルが流行っているんです!」と伝えていた。
早速、シェフのおすすめパンを紹介してもらうことに。そこにはもちろん生ベーグルも含まれている。
「まず当店の『生ベーグル』シリーズについてですが、スチームで水分を入れ込みながら焼いているため、水分量が多く、“むぎゅっもちっ”とした食感になっています。通常、ベーグルは仕込んでから出来上がりまでがほかのパンに比べて早いんですが、うちでは一日寝かせて熟成させています。パサパサ感はまったくなく、もちっとしていてみずみずしいのが特徴ですね」と、シェフが食感の秘密を教えてくれた。
商品化するまでは、たくさんの試行錯誤を重ねたそう。「韓国に行き、理想の食感を追い求めて1日10軒以上回りました。韓国やアメリカのほうがベーグルはおいしいと思っていて、日本のものは小さいから、水分が抜けてパサパサになりやすい。その水分を保つために技術を磨きました。このシリーズは土日は400個作っていますが、2、3時間でなくなってしまうんですよ」
シェフが話すとおり、休日は特に行列必至のため、公式サイトから取り置きするのがおすすめ。「1日40件ぐらい取り置きの注文が入ります。2日前から受け付けているので、日曜日に購入したい場合は金曜日の夜までに予約していただいたほうがいいと思います。一度に20個くらい買う方もいるんですが、作れる量は限られているので、ぜひ予約してください」
「塩バター生ベーグル」(313円)は、茹でてから焼いたベーグル生地にバターをはさんだひと品。「成形時にもバターを入れていて、上には岩塩をパラパラと。塩とバターをしっかり味わってもらう商品ですね」
「生ベーグルドーナツ」もボーノベーカリの大ヒット商品。「ドーナツという名前ですが、揚げていないんです。通常のベーグルと同じように、茹でたあと油を塗ってからオーブンで焼いています。そうすることで、表面がパリッとしたドーナツっぽい食感が生まれます。普通のベーグルは硬かったりパサついたりして食べにくいこともありますが、これはふわもち、むぎゅっとした食感にこだわって試行錯誤しました。柔らかくてふわっとしているけど、ベーグルらしい味わいもあります」。ゆいなちゃんも、「たしかに、ベーグルは硬くて噛むのが疲れちゃうこともありますよね」と、新食感を味わうのが待ちきれない様子。
「生ベーグルドーナツ シュガー」(281円) は、ほんのりシナモンが効いた味わい。「生ベーグルドーナツ 自家製カスタード」(346円)には、毎朝店舗で作るカスタードが詰まっている。「牛乳をたっぷり3リットルほど使っています。割るとバニラの粒が見えるくらい入っているので、香りがいいですよ」
「生ベーグル」シリーズを5個購入すると、箱が無料で付いてくるのもうれしいポイント。「手みやげにも人気です。ドリンクも販売しているので、ピクニックにもおすすめですよ」とシェフ。
ここで、ゆいなちゃんが「生ベーグルドーナツ 自家製カスタード」を実食!勢いよくかじりつき、口元に砂糖を付けながら「ふわふわだけど、ずっしり重量感がある!むちっとむぎゅっとした食感。カスタードは、ほんまにバニラの粒がいっぱい入ってます!濃厚なのにサラッとしてて全然重くないし、飲めちゃうくらい、いい柔らかさ。ボリュームはあるけど胃にこないですね!」と感動していた。
「ハニートースト」(302円)には、オープン時からの看板商品でもある生食パンを使用。この生地は、2種の湯だねを合わせた独自の製法で作られている。「このパンの湯だねも、むぎゅっとした食感で水分量たっぷり。スイーツに使われる湯だねはまったく違って、スポンジやカステラのようなふわふわしたものなんです。その2つのいいとこ取りをして、もちっと感がありつつ、ふわふわしていて口溶けがいい生地を作りました。通常の食パンは加水率60%程度のところ、これは80%以上の多加水です。湯だね製法に加え、スチームで水分をプラスしていて、ほかにはない“もちふわ”食感を生み出しています。生ベーグルもそうですが、うちの商品はすべて食感にこだわって作っています」
トーストのビジュアルと香りに、ゆいなちゃんもメロメロ。「ハチミツとバターの液に12時間以上漬け込んでいるので、中までしみしみです。グラニュー糖をのせてバーナーで炙っていて、クレームブリュレのようなパリッとした表面の食感でオリジナリティを出しています。1日に100個出るぐらい人気ですね」とシェフ。
続いて登場したのは、棒状のクロワッサン。「食べやすそう!」とゆいなちゃんが言うと、「『ボーノベーカリ』という名前のとおり、最初は棒状のパンをたくさん置いていたんです。堀江という土地柄、お昼休みを決まった時間にとれない美容師さんやショップ店員さんが多いので、サクッと食べられるものの需要が高いんじゃないかと思って作りました」とシェフが教えてくれた。
一般的な形のクロワッサンもあるが、棒状のものは「フランス産発酵バターのクロワッサン」(184円)と「香ばしアーモンドとこだわりチョコのクロワッサン」(205円)の2種。生地のザクザク食感は焼き方に秘密があるそうだが、そこは残念ながら非公開。「焼き方はどこにも出していないんです(笑)。外はザクザク、中はしっとりした食感です。プレーンとチョコは同じくらい人気ですね」
ゆいなちゃんは「香ばしアーモンドとこだわりチョコのクロワッサン」を両手に持ってパクリ。「ザックザクです。めっちゃおいしい!ポロポロこぼれなくて食べやすいし、しっとりしていて意外と食べ応えがあります。『チョコバット』レベルにパクパクいけます!アーモンドが混ざり込んでいるのもいいですね」
■商品や店内に棒を散りばめた、遊び心ある「ボーの世界」
おしゃれなグリーンが彩る店内も、“ボーの世界観”を作り出している。パンが映えるよう考えられたディスプレイは、取りやすさも意識しているそうだ。「おしゃれなパン屋さんですよね。韓国にありそう」と、ゆいなちゃんもうっとり。
「木の枝や動物のツノなど、棒状のものを取り入れて、入ったときに感動する空間を作っています。木は何回も塗り直してこだわりました。実は当店の運営元の会社は、ブランディング業がメインなんです。食パン専門店も10ブランド以上ブランディングしていて、『自分たちでやってみないとわからないこともあるから』と、この店を立ち上げることになりました。マーケティングから商品開発、SNSの運用まで自分たちでやっています。“ボーの世界観”をテーマに『棒に特化して尖っていこうよ』と言っていたけど、生ベーグルが思いのほかヒットして(笑)。棒状のベーグルにも挑戦したいと思っているんですが、今はおいしさを重視して通常の形にしています」
「堀江エリアに根付いてやっていきたい」という思いもあるのだとか。「オープン初期からある食パンですが、他店だと夕方には食パンが売り切れていることが多くて、『子どもが多い地域なのに供給が足りていないよね』ということで作りました。お店の前が小学校の通学路になっているので、『ボーノベーカリ!』って読み上げながら通っていくお子さんもいるんですよ(笑)。子どもたちに喜んでもらえるような地域のイベントも企画しています。2023年のGWは子どもに無料でソフトクリームを配ったのですが、100人以上来てくれました。そういうふうに、今後も地域に貢献していきたいと思っています」
店外のカウンター席では、購入した商品を食べることが可能。「堀江に住んでいる方はワンちゃん連れが多いので、店外の窓からも商品を購入できるようにしています」と、シェフの思いやりからくる細やかなサービスも。実際、取材時も散歩中の犬が多く通りかかり、ゆいなちゃんも「なんていう犬種なんですか?かわいい~!」と飼い主とフレンドリーに会話していた。あたたかい堀江の街とシェフの思いやり、そして犬に興味津々のゆいなちゃんに、スタッフ一同ほっこり。
新作商品は2カ月に1回以上のペースで登場。「旬の野菜や果物を使った、シェフの気まぐれパンを置くこともあります」と言うシェフに、「じゃあまた来ないと!」と、にっこにこのゆいなちゃん。食感へのこだわりから世界観まで、たっぷり話を聞いて、今回も大満足の様子だった。
最後に、恒例のゆいなちゃんによる爆買いタイム。「クロワッサンおいしそー。スコーンも!」と目移りしつつ選びながら、「今日は家族にも買って帰るって決めてたんです!明太子も好きだし、ガッツリいくならならてりやきも…」と、家族思いな姿も見せた。
ちなみに店内には、商品の「おすすめトップ3」が掲示されている。シェフが「期間ごとにお店としてではなく、それぞれのスタッフが個人的なおすすめを紹介しています。順位をプライスカードに貼っているので、それを見て手に取ってくれるお客さんもいます」と話していたように、ゆいなちゃんもこの日のおすすめを見て、1位の「博多明太ベーグル」を購入。
「並べ方もかわいくって、色とりどり。見ていてめちゃめちゃ楽しい!」と、パンパンに膨れた紙袋を抱えてうれしそうに退店した。次回はどんなパンに出合えるのか?お楽しみに。
取材・文=上田芽依
撮影=福羅広幸
※記事内の価格は特に記載がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。