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傷心旅行に出かけた2人の少女「いつかきっと私たちにとって宝物になるよ」声を上げて涙したわけ【作者に聞く】

  • 2024年6月21日
  • Walkerplus

元ゲーム会社所属デザイナーで、現在はストーリー漫画をメインに執筆している吉良いと(@kilightit)さん。個人で作品を公開・販売するほか、商業誌にも作品を掲載するなど、精力的に活動している漫画家だ。代表作「ようこそ亡霊葬儀屋さん」は、「このお話ほんとに好きです」「一度見たことあるはずなのに泣いてしまった」など、多くの読者に感動をもたらしている。


今回は、「負けヒロイン2人で傷心旅行に行く話」をお届け。好きな人を振り向かせることができなかった蒼井夏海(あおい・なつみ)と紅野美冬(こうの・ふゆみ)は、女2人で傷心旅行へ出かけることに。初めは気まずさを感じていたが、話していくうちに2人は徐々に打ち解けていく。「もしかしたら新しい恋が始まるかもよ?」。そう言って夏海は、翌日近くにある縁結びの神社へ行くことを提案しながら眠りにつく。

翌朝。目を覚ました夏海は、部屋から美冬がいなくなっていることに気づいた。女将さんから「海のほうに行った」と聞き、嫌な予感がよぎる。昨晩の自分の発言は、美冬の気持ちを考えていなかった。軽率だった…。夏海は後悔しながら海へと走る。脱いだ靴を浜辺にそろえて、海の中に向かって歩く美冬を見つけた夏美は、走りながら叫んだ。「死なないで、美冬」。

昨晩のことを涙ながらに謝る夏海に、美冬は死ぬつもりはなくて、“見つけたら幸せになれるハート型の貝殻”を探していたのだと伝える。そして、貝殻を見つけても彼の隣にはいられないこと、彼のことを忘れられないこと、こんなに苦しいなら恋したくなかったことを涙ながらに打ち明けた。そんな美冬を夏海は強く抱きしめる。この恋は苦しいだけじゃなく、楽しくて、あたたかくて、世界で一番綺麗だった。きっと私たちにとって宝物になるよ…。朝日が照らす海で、2人は声をあげながら泣いた。

作者に話を聞いてみた。

吉良いと「ラブコメ漫画ではあまり描かれない、負けヒロインたちのその後..。このお話は商業読切執筆の際に担当編集の方からアイディアをいただきました。恋に敗れた女の子たちを日常は何事もなかったかのように置いていきます。そんななかで、前を向いて新しい恋を探すのか。はたまた、かつてを懐かしんだまま立ち止まるのか。両極端な2人の気持ちの転換期を大切に描かせていただきました。2人のこれからの幸せを願ってくださるコメントをたくさん頂けたことがとても印象的です。この作品の執筆以降、ラブコメ漫画でライバルの女の子が出るのを見ると切ない気持ちになってしまって。どうにかハッピーエンドにしてあげたい気持ちになってしまいます」

叶わなかった恋も、否定せずに前向きに捉えられることを教えてくれる本作。X(旧Twitter)に投稿されると、読者からは「最高でした」「なんか涙出てきたすごくよかったです」「別に誰が悪い訳でもないけど…主人公めぇ………!」といった感想が寄せられている。



画像提供:吉良いと(@kilightit)

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