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やだうっかり!物忘れ!?勘違い?些細なミス「ただのぽんこつだと思ってたら、ADHDのグレーゾーンだった」自分克服のコミックエッセイ【著者に聞く】

  • 2024年5月30日
  • Walkerplus

仕事のメールを転送したつもりが、送信相手に返信…。スマホやカギをよくなくす。予約時間を間違える...などの些細なミスは、誰にでもあるもの。「私って、ぽんこつだなぁ」と思っていたけれど、子どものお迎え場所や時間を間違えてしまい「どんなに気をつけても、ミスするのはなぜ?」と、疑問を持つように。「もしかして、ADHDなのかも?」と勇気を出して心療内科を受診すると、グレーゾーンであると診断された、はなゆいさん。そこから、日常に起こる苦手なアレコレをどう対処すればよいか、手探りで解決方法を模索。今回は、はなゆいさんの書籍「ただのぽんこつ母さんだと思っていたらADHDグレーでした。」を紹介するとともに著者に話を聞いた。

■忘れ物が多い、時間を間違える、慌てて反対方向の電車に乗ってしまう?やらかしまくりで落ち込む日々

気を付けていても仕事のメールを間違えて返信したり、予約する日にちを間違えていたり、うっかりミスが多かった、はなゆいさん。「ぽんこつだなぁ」と思っていたけれど、子どものお迎え時間や場所を間違えたり、何かと子どもに迷惑をかけてしまうこともあり、心療内科を受診しようか迷っていた。

「うっかりミスが多い」ものの、今までなんとか無事に生きてきた。そんな自分が今さら心療内科にかかることについて、「まさか」「考えすぎ」という気持ちもあった。でも、もし自分がADHDで今まで周りに迷惑をかけていたとしたら――?怖くて人との距離を縮められなくなった…。ママ友の一押しもあって心療内科を受診したはなゆいさん。結果は、グレーゾーン。

「自分ではちゃんとやってるハズなのに、できてない」「突発的に行動してしまい、あとで後悔」「効率的に動こうとしてかえって時間がかかる」「落ち込んだり怒ったり感情的になりやすい」「ちゃんと確認したつもりなのに時間や場所を間違える」などなど、今まで「うっかり」だと思っていたことは、実は特性だったことが判明!


診療過程で自分の「脳の得意・不得意」を知ることになり、自身の課題が目に見えてわかると、いろいろな対策を講じて、事前にミスを防ぐよう努力を重ねた。本書では、はなゆいさん独自のライフハック術を「困りごと・原因・対策」のセットで解説しており、ADHD当事者でなくても気づきを得られると話題を集めている。「特性がわかりやすい!」「明日にでもやってみたい」などの読者の声も届き、重版となった。

■トライアンドエラーを繰り返しながら、一定の効果があったと感じる具体例と対策法を紹介

――本書には、どのような内容が収録されていますか?

私、はなゆいが意を決して心療内科を受診し、ADHDグレーと診断され、自分の脳の得意・不得意を知ることになります。そこから娘と向き合うなかで「普通じゃなくていい」と認めることや、独自のライフハック術を駆使して自分のトリセツを作っていく過程を描いています。うっかりミス、物忘れ、勘違い満載の私の自分克服コミックエッセイです。

――「具体的な例と具体的な対策が書いてあり、明日からでも実践できそうで、心強いです」というコメントもありましたが、こちらは、はなゆいさんが実際に活用した対策方法ですか?

はい、混じりっけなしはなゆい式の試行錯誤の軌跡です。自分の困りごとがいくところまでいき、藁をもつかむ気持ちで、トライアンドエラーを繰り返しながら、いろいろ試していました。過集中対策に「大量に水を飲む」などボツになった方法もありましたが、本書では一定の効果があったと感じているものをご紹介しました。

――「特性を車にたとえたところはわかりやすかった」というコメントがたくさんあります。このように描くうえで、はなゆいさんが気を付けたところ、こだわったところがあれば教えてください。

困りごと‐原因‐対策をセットで表現するようにしました。効率化しようとして、いろんなことを並行して進めようとすると、結果、一番重要なことを忘れてしまうという「困りごと」があります。「原因」は脳のワーキングメモリという記憶のお皿が小さいことです。その「対策」は、複数をいっぺんに進めちゃダメで、ひとつずつ確実にこなすことが私の特性には合っている、というようにできるだけ「なんでそういうミスをしちゃうのか?」の背景もお伝えするようにしました。

あとはできるだけわかりやすくということで、たとえば、ADHDの診断で心理検査をするシーンがありますが、その心理検査でわかる能力の種類が4つあります。「知覚推理」、「ワーキングメモリ」、「言語能力」、「処理速度」、この4つの耳慣れない専門用語は、はじめてでも、ざっと読み進めてもわかりやすいように、表現は何度も見直しました。

また、私自身が専門用語が入ってくると話が入ってこなくなってしまうので、書籍のなかでは、車の機能にたとえて、「知覚推理」って車でいうヘッドライトだよ、「ワーキングメモリ」って車の運転手だよ、という具合に理解しやすいよう、専門用語が読み進めるスピードの妨げにならないように、試行錯誤を繰り返しました。

――ADHDだとわかっても「病院では薬しか対処法を教えてもらえない」と心療内科を転々とする方も多いようです。「もしかして私も発達障害かも」と悩んでいる人やどうしたらいいかわからないという方にコメントがあればお願いします。

本書でも描いていますが、自分の特性を知ることで、それに対する対策も検討できます。ただ私もそうだったのですが、若干の他人との違いや生きづらさを感じつつも「これまで無事に生きてきた。それなのに、今さら心療内科にかかる」ということは抵抗があると思います。

そんな方はまず本書を読んでいただいて、心療内科でどんな検査をして、それによって何がわかるのかのイメージを持ってもらうのがいいと思います。そのうえでもっと具体的に自分の特性を知りたい、調べたいということであれば、受診を検討するという流れもあると思います。

――本書は3刷と増刷を重ねていますが、感想はいかがでしょうか?

たくさんの人に読んでいただき、本当にありがたいです。そして、同じような悩みを持つ人が多くいるということを実感しました。その方たちのお役に立てるよう、今後もADHDに関する漫画を描こうという気持ちになりました。

――読者の皆様にメッセージをお願いします。

書籍化する前は自分のことを赤裸々に語ることに若干の躊躇もありましたが、自分はこれまで常に周りの方々に助けられてきたという思いから、この本を少しでも多くの方にお届けしたいと願ってきました。実際に読んでくださった方から口コミで、読みやすい、わかりやすい、時間がない忙しい人におすすめと言っていただいており、ありがたい限りです。引き続き「ただぽん母さん」を宜しくお願いいたします。

はなゆいさんはブログ「笑う母には福来る」で子育て漫画を投稿している。さらに、Kindleでは「子供が泣き止まないのはあなたのせいじゃない: 苦しむ母に伝えたかった言葉」「二人目授かれますか?: 夫婦で挑んだ妊活の話」なども読むことができる。

取材協力:はなゆい(@hanayuistudio)

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