いわゆるZ世代を中心に「タイムパフォーマンス(タイパ)」を重視する人が増えている。そんなタイパに対して、「オイラは肯定派!」とSNSで明言したのは、週刊少年マガジン新人漫画大賞・特選受賞デビューし、『梅干と日本刀(梅干編)』(祥伝社・2016年)、まんが学術文庫『西郷南洲遺訓』(講談社・2018年)などを執筆している漫画家・玉屋かつきさん(@TamayaKatsuki)。4コマ漫画「『タイパ』は是か非か?」をX(旧:Twitter)で公開した理由について玉屋さんに話を聞いた。
――本作を描いた経緯を教えてください。
【玉屋かつき】「タイパ」については、自分くらいの年代でも世の中の流れについていくにはそうせざるをえないよね…という認識がありましたから、否定的にはとらえていませんでした。その上で、人生はそれだけではないだろうと…。
――本作のキャラクターは、実際の人物や経験に基づいていますか?
【玉屋かつき】Z世代の「タイパ」重視には世間やメディア的にネガティブな印象があるように思えただけで、具体的なモデルがいるわけではありません。自分のキャラクターについては自分の考えそのままですね。
――4コマのストーリーを描く際に注意しているポイントは?
【玉屋かつき】出来事のネガティブやポジティブに関わらず、違和感が引っかかりになる事が多いですね…。それについて自分なりに落とし所をつけている感じです。ただ単なる個人攻撃にならないようには気をつけています。
――読者に伝えたいメッセージやテーマは何ですか?
【玉屋かつき】「タイパ」もイイけど、それがすべてではないって事ですね。例えば、ドラマや映画を倍速で観てしまったら、セリフのないシーンでためらう間など…0.5秒違うだけでもキャラの印象が変わってしまうし。それについて観ている側も解釈する時間も無くなってしまう。表面的な情報だけで、豊かさが痩せてしまうのは勿体ないって事ですね。
――読者からの反響は作品の制作に影響を与えますか?
【玉屋かつき】基本的に、自分がなんとなく思った事を素直に描くようにしていて、それを楽しんでもらえたらイイですね。あまり読者のウケを狙い過ぎると、それに引っ張られて作為的でわざとらしくなると思うので…。サービス精神もほどほどにしています。
取材協力:玉屋かつきさん(@TamayaKatsuki)