「足のあいだから後ろを覗くと異世界が見えるんだって」。学校帰りの公園で、ひとりの少年が、ある都市伝説を友人に話していた。一緒にやろう、と誘う少年に「ひとりでやれよ」と突き放していた友人だったが、結局は一緒にやってみることになって――。果たして2人は異世界を見ることができたのだろうか…?
本作「異世界を見る方法」はショートショートホラー作品だ。ショートショートはスピーディーな展開で、「えっ」と思った瞬間には余韻を残して終わってしまう。読んだ読者からは「エッ…」「わけわからん?」「ど、どういうこと…!!?」という戸惑いの声も漏れた。本作を描いたのは、「貧女ハウスへようこそ」(小学館)や、「実録怪談 本当にあった怪奇村/新犬鳴トンネル」(竹書房)などの代表作を持つ三ノ輪ブン子(@minowabunko)さんだ。ホラー作品や都市伝説漫画をおもに描いている漫画家・三ノ輪さんに本作について話を伺ってみた。
――この都市伝説は、三ノ輪さんの創作でしょうか?
いえ、「股のぞき」というけっこう有名な風習らしいです。異世界を見る方法や幽霊を見る方法は、ほかにもおもしろいものがいくつもあるので、やってみると楽しいかもしれません。ただし何が見えてしまっても責任はとりませんよ…。
――三ノ輪さんはpixivにショートショートホラー漫画を22作品もアップされていますが、ショートショートのネタはどこから生まれてくるのでしょうか?
お話によって違うので難しいのですが…。たとえば、今電車の中で椅子に座ってこの文章を書いているんですけど、向かいに座っている7人全員がスマホを見ているんです。もし全員が同じページを見ていたら?もし一斉にスマホのカメラを私に向けて撮影してきたら?なんて普通じゃ起こらないことを妄想してるうちにお話ができることがあります。
――ショートショートの作品を描くうえで、こだわっている点について教えてください。
描き始めたころはページ数が少ないので、ついつい話をどうやって進めて意外な展開を作るのかということに集中しすぎていた気がします。最近はやはりちゃんと漫画らしくキャラクターが魅力的に見えたほうが読んでいて楽しいんじゃないかと思い、短いお話でもキャラクターの性格や特徴などを設定するように心がけています。
読者からは「どっちが見たのだろう」「どちらかが異世界を見てるんだよね?」など、読み終えてなお、困惑の声が相次ぎ、「こんなの知らなくて日常生活でやってしまいそうだし、覗いた瞬間に目の前に誰かの顔があったらどうしようとか考えてしまった。。。」と怖がるコメントも届いた。
三ノ輪さん現在、電子雑誌「comicタント」(ぶんか社)にて、都市伝説系漫画「ただのうわさです」(原案:飯倉義之)を連載中!三ノ輪さんの都市伝説系ホラーの世界観が味わえる作品なので、こちらもぜひ読んでみて!
取材協力:三ノ輪ブン子(@minowabunko)