2024年の桜の開花は全国的に平年並み、または平年より遅くなる見込みだ。2023年は東京で3月22日に満開が発表されたことを考えると、スローペースな今年の桜。西日本と東日本の多くの地域では今週開花を迎えると予想されている。また、九州ではひと足先に開花が進み、今週末には満開を迎えるお花見スポットも。現時点の予想から、早ければ今週末(3月30日・31日)に咲き始めや満開の桜を楽しめそうな、人気お花見スポットをピックアップする。
※各スポットの見頃は2024年3月27日時点の情報です。最新の情報は公式サイト等をご確認ください。
※そのほかの内容は取材時点の情報です。
■【九州】今週末(3月30日・31日)咲き始め〜満開の桜を楽しめそうな名所
■【福岡県】福岡市油山市民の森の桜 / 緑豊かな森林を覆うソメイヨシノと八重桜の花
開花状況:5分咲き(※2024年3月27日現在)
標高597メートルの油山の東側中腹にある市民の森。敷地内には、自然を観察している自然観察センターや福岡市内を一望できる2つの展望台、もみじ谷を望むつり橋、花木園、フィールドアスレチックなどのほか、キャンプ場などの施設が充実している。ABURAYAMA FUKUOKAの市民の森エリアにはバーベキュー場もあり、花見をしながらバーベキューが楽しめる(要予約。詳細は公式サイト等をご確認ください)。
■【佐賀県】宝珠寺の桜 / 樹齢約100年のヒメシダレザクラ
開花状況:7分咲き(※2024年3月27日現在)
山里にひっそりと隠れたように立つ1本桜。樹齢約100年の古木で、樹高8メートル、幹回り1.2メートル、枝張りは15メートルあり、淡いピンクから白へと花の色を変えていく。佐賀県の名木古木百選に選ばれており、桜の開花は例年3月中旬から3月下旬頃に見頃を迎え、多くの見物客が訪れる。
■【宮崎県】天岩戸の湯の桜 / 湯の温かさと桜の美しさに癒やされる
開花状況:満開(※2024年3月27日現在)
春には見事な桜が咲き、利用客の目を楽しませてくれる天岩戸の湯。天岩戸開き神話で有名な天岩戸神社の近くにあり、例年3月中旬には見頃を迎える。駐車場付近には約30本ものしだれ桜やソメイヨシノがきれいに咲き誇り、すべてが満開になった様子は見事だ。
■【熊本県】一心行の大桜 / 菜の花畑と桜のコントラストが艶やか
開花状況:7分咲き(※2024年3月27日現在)
樹齢400年余り、樹高14メートル、枝張東西21.3メートル、南北26メートル、幹囲7.35メートルの大桜で、淡い薄紅色の花をつける。桜は菜の花畑に囲まれ、開花時期も桜とほぼ同じなので、桜と菜の花を同時に楽しむことが出来る。2024年3月20日(水)~31日(日)には、第26回南阿蘇桜さくら植木まつりが開催。
■【鹿児島県】花瀬自然公園の桜 / 約2キロにおよぶ川床の石畳と桜の風景
開花状況:咲き始め(※2024年3月27日現在)
園内を流れる花瀬川は川床に千畳敷と呼ばれる天然の石畳が約2キロに渡って敷き詰められたようになっており、川床に降りて川床から川の両岸に咲き誇るソメイヨシノが鑑賞できる貴重な花見スポット。例年、3月中旬~3月下旬中旬頃にかけてが、桜の見頃の時期となる。清流沿いに整備された遊歩道からは、桜をはじめ、夏は新緑、秋は紅葉と四季折々の風景が楽しめる。2024年4月28日(日)10時~15時には、花瀬公園まつりを開催。
■【関西・中国・四国】今週末(3月30日・31日)咲き始めの桜を楽しめそうな名所
■【和歌山県】和歌山城の桜 / 桜に染まる白亜の天守閣がそびえ立つ
開花状況:咲き始め(※2024年3月27日現在)
和歌山城内にはソメイヨシノを中心に約500本の桜が咲き乱れ、岡口門から二の丸庭園まで風情ある桜並木が続く。一の橋付近のしだれ桜も美しく、他にも、和歌山城公園敷地内の各所で桜を楽しむことができる。平成30年度に整備した本丸跡ビュースポットから見る天守閣は、桜ごしに間近に見えるのでおすすめ。2024年3月20日(水)~4月7日(日)に和歌山城公園桜まつりを開催。また、期間中の日没以降はライトアップが実施され、夜店で賑わいを見せる。
■【広島県】平和記念公園の桜 / 300本のソメイヨシノが開花、夜桜も
開花状況:咲き始め(※2024年3月27日現在)
広島市の中心部にあり、世界平和を願う人々の聖地として親しまれている、川と緑に囲まれた美しい公園。約300本のソメイヨシノが咲き誇る。河川では雁木タクシーや河川遊覧船に乗って花見とリバークルーズを楽しむこともできる。例年、3月下旬から4月上旬頃にかけてが、桜の見頃となる。特別なライトアップは実施されないが、川沿いに街灯があるので、夜桜見物は可能。
■【山口県】一の坂川の桜 / 石本美由起の歌碑散策も楽しめるロマン溢れる桜の名所
開花状況:咲き始め(※2024年3月27日現在)
その昔、市街地を流れる一の坂川を京都の鴨川に見立て、京都を模して街づくりが行われた山口。その一の坂川の両岸に、約200本のソメイヨシノが咲き誇り、昔ながらの風情を醸し出している。開花期間中にはライトアップも実施され、昼の桜とは違う夜桜の美しさに浸れる。2024年3月23日(土)から4月7日(日)にかけて、桜の開花時期に合わせた着物のイベント「着物deおさんぽ」が開催される。歴史と文化が薫る大殿地域を、期間中に着物を着てまち歩きをすると、ドリンクサービスや料金割引などの特典を受けることができる。また、ワークショップやカメラマンによる映えスポットでの撮影など、さまざまなイベントも開催される。
■【高知県】宿毛天満宮の桜 / 桜の開花は宿毛の春の風物詩
開花状況:咲き始め(※2024年3月27日現在)
宿毛市は桜の開花前線の上陸が比較的早く、全国で一番早い年もある。宿毛天満宮は市民の憩いの場となっており、神社の赤と桜色のコントラストは宿毛の春の顔だ。宿毛天満宮周辺には約150本の桜があり、花見シーズンにはちょうちんが点灯する。
■【東海・北陸・甲信越】今週末(3月30日・31日)咲き始めの桜を楽しめそうな名所
■【愛知県】山崎川四季の道の桜 / 山崎川沿いを満開の桜の花が彩る
開花状況:咲き始め(※2024年3月27日現在)
「日本さくら名所100選」にも選ばれた名古屋市の桜の名所。山崎川沿いを散策しながら、静かに花見を楽しめる。また、3月下旬から4月上旬にかけて見頃の時期には、満開の桜を楽しむことができる。2024年3月25日(月)~4月2日(火)の18時30分~21時には、山崎川のかなえ橋~鼎小橋(かなえこはし)南側の間の約120メートルにわたってライトアップを実施。
■【岐阜県】霞間ヶ渓の桜 / さまざまな種類の桜が一斉に咲き誇る
開花状況:咲き始め(※2024年3月27日現在)
春の訪れと共に、渓流沿いに山桜、ソメイヨシノ、しだれ桜など、7~8種類、約1500本の桜が一斉に咲き誇る。桜の花が咲き乱れる様子は、遠くから見るとまるで霞がかかったように見えることから、いつしか「霞間ヶ渓(かまがたに)」と呼ばれるようになった。多数の桜が織りなす景観が優れていることから、昭和3年に国の名勝と天然記念物に指定。全国でもこの2つを同時に指定されている桜は5カ所のみである。【2024年の桜祭りは開催されません。詳細は公式サイト等でご確認ください】
■【山梨県】身延山久遠寺の桜 / 樹齢400年のしだれ桜が咲く日蓮宗総本山
開花状況:咲き始め(※2024年3月27日現在)
鎌倉時代に日蓮聖人によって開かれた日蓮宗の総本山で、久遠寺境内にある樹齢400年と伝わる2本のしだれ桜は、大きく垂れ下がる枝いっぱいに淡いピンクの花をつける。身延町内には、久遠寺の他にも各所に名木や古木があり、訪れる花見客の目を楽しませている。
■【関東】今週末(3月30日・31日)咲き始めの桜を楽しめそうな名所
■【東京都】駒沢オリンピック公園の桜 / 桜のトンネルを楽しむ
開花状況:咲き始め(※2024年3月27日現在)
東京オリンピック跡地として開放されている駒沢オリンピック公園総合運動場。陸上競技場や野球場、テニスコートなど10カ所の体育施設があり、大会などでも使用している。この広大な敷地の中には約190本ものソメイヨシノ、里桜などが植えられ、桜の見どころが随所にある。
■【神奈川県】県立津久井湖城山公園の桜 / 流れ落ちる滝のようなしだれ桜は必見
開花状況:咲き始め(※2024年3月27日現在)
湖を挟む2つのエリアを中心に、津久井湖周遊道路にも多数の桜がある。木の生育する場所によって開花時期が少しずつずれるため、比較的長い期間楽しむことができる。2024年3月30日(土)・31日(日)には、花の苑地、水の苑地でさくらまつりを開催(水の苑地の31日は予備日)。