誕生から40年以上が経った今なお幅広い世代を魅了し続ける「ガンプラ」。2023年3月末時点のガンプラの累計出荷数は7億6000万個を超え、世界的なロングセラー商品となっている同商品の魅力を発信し続けているのは、自由な発想で“ガンプラ創作”を楽しむモデラーたちだ。
今回、アニメ「機動戦士ガンダム」に登場するRX-78-2ガンダムの母艦・ホワイトベースをパロディ化した「可変MA ホワイトベース」を製作したモデラー・猫マシンガン(@necome_titan)さんにインタビューを実施。“ネタ系ガンプラ”のトップランナーである猫マシンガンさんにとって「オリジン(原点)」とも呼べる本作について、製作のバックボーンを振り返ってもらった。
■小さい頃、ホワイトベース自体が変形するんじゃないかって思っていた
――『可変MA ホワイトベース』を製作する際、どのようなアイデアやインスピレーションがありましたか?
【猫マシンガン】この作品はプラモデルを作り始めるようにって間もない頃の作品で、丁度ミキシングにハマっていた時期でした。私自身、“俺設定”ありのミキシングセンスが皆無でしたので「ミキシングっぽくないミキシング」を作りたいと思っていました。運良く旧キットのホワイトベースが手に入り、MGガンダム(ver2.0)を持っていたのでフレームを使えばいけるんじゃないかって思い製作しました。
――ホワイトベースのキャラクターやシリーズに対する愛着や思い入れは、この作品にどのように反映されていますか?
【猫マシンガン】小さい頃、ホワイトベース自体が変形するんじゃないかって思っていました。特にキリンみたいな顔がかわいく見えて(笑)。ここは絶対にいじらないポイントにしました。
――製作過程で最も難しかった部分は何でしたか?どのように乗り越えましたか?
【猫マシンガン】とにかく全部大変でした。でも、「初挑戦することで模型製作のレベルが上がるんだ」と自分に言い聞かせ、楽しみながら作業していました。筋彫りも少しやっています。
――モデリングの中で最も楽しかった部分は何でしたか?
【猫マシンガン】仮組で初めてホワイトベースが直立した時です。立ち姿をつまみに、お酒飲みながらヘラヘラ酔っ払うのが数日続きました(笑)。
――個人的に、この作品の中で特に気に入っている部分やポイントは何ですか?
【猫マシンガン】ホワイトベース状態の後ろ姿と、プリンとしたお尻、そして正面から見た立ち姿です。ちなみに、足の付け根のバーニア(足首)も稼動するので力強く見えると思います。
――猫マシンガンさんの他の作品と比べて、『可変MA ホワイトベース』がどのように異なると思いますか?
【猫マシンガン】できるだけガンダムという世界観を壊さずに、実は設定で存在したんじゃないかって感じさせる作品になったかなと思います。私のジオラマ(猫マ式ジオラマのことですけど…)はちょっとクセ強なので(苦笑)。
――この作品を通じて、モデリングやガンプラ製作における新しい発見や学びがありましたか?
【猫マシンガン】アイデアと手間を惜しまず、自分が納得するま手をかけることで良い作品ができるんだということを学んだのと、やはり「自分自身が楽しんで作った作品」は見る方々にも楽しく見てもらえることを知りました。展示会などに出したときに見に来てくださった方々の笑顔は気持ちいいものですね。
――今後の作品製作において、『可変MA ホワイトベース』から得た経験や技術を活かす予定はありますか?
【猫マシンガン】ホワイトベースを作ってからずっと考えていましたが、対のものがほしいなって。なので「可変ムサイ」をいつか作りたいです。ただ、このサイズのムサイが見つからなくて…。なので、小さいサイズ(1/2400)の『可変ホワイトベース』と対になる『可変ムサイ』は作ってみたいですね。
取材協力:まんねん工房(@hide94373)
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