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【ネコ漫画】ある日突然「虹の橋」を渡ったネコ駅長の兄。妹との別れに涙。「漫画の力で感謝を伝えたい」【作者に聞く】

  • 2024年6月10日
  • Walkerplus

「ねこが働く駅」として知られる福島県の会津鉄道・芦ノ牧温泉駅を舞台に、働くねこたちの様子を紹介する「にゃん旅鉄道」。福島中央テレビの情報番組「ゴジてれ Chu!」内で放送されている約1分間の短いコーナーながら、TVerでは4年間で総再生数170万回を突破し、なんと映画も公開された。

「にゃん旅鉄道~さくらの物語~」は、そんな「にゃん旅鉄道」をモチーフにした創作漫画。妹ねこの「さくら」を主人公に、猫たちの日常や実話をもとにしたエピソード、四季折々の美しい風景を、イラストレーターで漫画家のゆきよみさん(@yukiyomi333)が丁寧に描く。

今回は、「食いしん坊の神様がお空に食べ物のお絵描きをするためにゃよ」と空の雲を眺めるさくら。うとうとしていたら、芦ノ牧温泉駅で駅長を務めていた兄「らぶ」が案内する「お座トロらぶ列車」に乗っていて…?

作者のゆきよみさんに漫画の見どころやお気に入りのコマについて聞いてみた。

■「虹の橋」を渡った兄との別れを漫画にすることは、とても迷った
今回の漫画のテーマは、ある日突然「虹の橋」を渡った兄・らぶについてです。

らぶとの別れを描くことは、ずっと迷っていました。漫画なんだから、楽しいお話だけで良いのではないか?と。でも、らぶが旅立ってしまったことは事実でもあります。そしてそれは、応援している私たちにとっても、すごく悲しい別れでした。その悲しさを漫画の力で、前向きなものへ変えたい。みんなに希望を伝えたい。そして何より、らぶに感謝を伝えたい。そこで、らぶが大好きだった会津の町と共に別れを描けば喜んでくれるのでは?と思い、漫画にすることを決意しました。

らぶが虹の橋を渡ったことは、きっと残されたねこ弟妹にとっても受け入れ難いものだったと想像します。今、芦ノ牧温泉駅では、らぶの妹ねこ・さくらが駅長を引き継ぎ、業務に奮闘中です。一人で一生懸命働くさくら、本当にすごいなって思いますし、そんな姿に励まされています。この漫画を描きながら私にはいつも、「さくら」を応援する気持ちがあって。だから別れは悲しいけど、大切なお兄ちゃんはいつもどこでも、ずっと見守ってくれているよと、さくらに伝わればいいなと思っています。そして、らぶのことが大好きだった人々も、芦ノ牧温泉駅の上に広がる大きな空を見上げれば、「らぶに会える」って思えたらという願いを込めました。
■鉄道会社の勤務経験も!ゆきよみさんが思う「鉄道の魅力」
「塔のへつり」と「観音沼森林公園」は、芦ノ牧温泉駅の小林駅長がおすすめの紅葉スポットとして教えてくれたんです。地元の皆さんに愛される美しい景色ですので、丁寧に描けたらいいなと思い、試行錯誤しました。きっと今年の秋はらぶも、先輩のばすと一緒に会津の絶景を空の上から眺めるんじゃないかなと想像しています。

絶景だけでなく、秋の楽しみとして外せないグルメも漫画に多数登場しています。「お座トロらぶ列車」では回転寿司ではなく回転会津料理がふるまわれますが、食いしん坊のさくらは目を輝かせています。パネルで注文した新米のおにぎりが、芦ノ牧温泉駅に展示保存されている「AT-301」で届くところも、こだわりの一つです。

実はねこや漫画だけでなく鉄道も大好きなんです。鉄道の魅力…たくさんありますよ~!実は以前に鉄道会社で車両整備の仕事をしていたので、メカニカルな部分も大好きです。でもやはり、「日本の美しい風景に鉄道が走っている」という姿が一番好きですね。都会のごちゃごちゃした街を行く鉄道も、会津鉄道のように日本の原風景を行く鉄道も。私は残念ながら三半規管がすごく弱いので、見る専門ということもあるんですが…(笑)。鉄道は主に目で愛でています。

日本の原風景が残る会津で、多くの人から愛されて立派に駅長を務めたらぶ。そんな兄の姿を見て育ったさくらは、時折空を見上げながら、これからも駅を訪れるたくさんの客を見送るのだろう。さくらの成長と会津鉄道・芦ノ牧温泉駅の美しい風景を、これからも楽しみにしてほしい。


取材・文=石川知京

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