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キャンプマットやコットの選び方は?初心者の“知りたい”ポイントを人気キャンプYouTuberが解説

  • 2024年1月9日
  • Walkerplus

アウトドアで就寝する際の道具=寝具として、寝袋とともに使用する「キャンプマット」や「コット」。寝袋を布団とすると、キャンプマットは敷布団、コットはベッドのような役割を担う。快適に眠るためには欠かせないアイテムだ。

そんなキャンプマットやコットは、現在さまざまなブランドから販売されており、それぞれ種類や特徴が異なる。そのため、初心者にとっては選ぶのが難しいと感じるアイテムのひとつではないだろうか。


そこで、チャンネル登録者数38万人超えの人気キャンプYouTuberであるFUKUさんに、キャンプマットとコットの重要性や特徴、選び方などを解説してもらった。


「そもそもキャンプマットやコットって本当に必要?」「自分にぴったりの商品が知りたい」「普段使いできるアイテムは?」など、初心者ならではの疑問も解決!自分のスタイルに合うキャンプマットやコットを見つけて、快適なキャンプの夜を過ごしてほしい。

■キャンプマットって何?
まずは、キャンプマットの必要性や機能について、FUKUさんに尋ねた。

「屋外の硬くてゴツゴツした地面で横になると、背中や腰などが痛くなってしまいます。また、寒い時期は、地面からの底冷えにより体温が奪われてしまいます。キャンプマットは、そのクッション性と断熱性で、地面の凸凹や冷気などを遮るためのアイテムです」(FUKUさん)


■キャンプマットの種類
キャンプマットは販売元により、「寝袋マット」や「スリーピングマット」、「スリーピングパッド」といった商品名が付られることもある。そんなキャンプマットだが、分類するとどのようなタイプがあるのだろうか。

「キャンプマットは大きく分けると、“そのまま使うタイプ”と“空気を入れるタイプ”の2種類です。前者は主に『クローズドセルマット』と呼ばれるもので、後者には『エアーマット』や『インフレーターマット』があります」(FUKUさん)

■広げるだけの「クローズドセルマット」
それぞれの特徴を詳しく解説していこう。まずは、広げるだけで使える「クローズドセルマット」。ポコポコとした気泡を内包するポリエチレンやウレタンといった素材を使うことで、クッション性と断熱性を持たせたものだ。収納方法は、アコーディオンのような「折りたたみ式」や、くるくると丸める「ロール式」などがある。



「クローズドセルマットは、気軽に使えて軽いのがメリットです。展開と撤収が非常にスムーズなので、準備や片付けにストレスがありません。構造がシンプルゆえに耐久性が高く、取り扱いにあまり気を使わなくていいのも魅力です。価格帯も比較的安いものが多く、初めてキャンプマットを購入する方も手に取りやすいでしょう」(FUKUさん)


FUKUさんが家族でキャンプに行く際には、ファミリー向けに作られたワイドサイズのクローズドセルマットを使うことが多いそう。しかし、「クローズドセルマットの場合、ワイドタイプや極厚タイプは、その分厚みが増してかさばってしまいます。持ち運びのことも考慮したうえで、選ぶようにしましょう」とFUKUさんは補足する。

■空気を入れて使う「エアーマット」
一方、マットの内部に空気を入れて使用するのが「エアーマット」だ。マット内に取り込んだ空気の層が、地面の凸凹や冷気などを遮断してくれる。マット本体に厚みがない分、コンパクトに収納できるのが特徴。徒歩で荷物を運ぶ必要のあるキャンプや、キャンプツーリングなどで荷物を小さくまとめたいキャンパーに人気がある。



「エアーマットは、小さくなるのが一番のメリットですね。使用前に膨らませる手間はありますが、持ち運びは非常に楽です。寝心地や断熱性は、どれだけ空気を取り込むことができるのかという、製品のスペックに依存します。価格帯も商品次第ですね。エアーマットのデメリットとしては、例えば火の粉が飛んできたり、砂利などで傷がついたりすることで、穴が開いて空気が漏れる可能性があるという点でしょうか」(FUKUさん)


空気の注入方法は、足踏み式ポンプや電動ポンプ、ポンプバッグなどを使用するのが一般的だ。空気を入れるためのアイテムが、キャンプマットに付属している商品もある。口から直接空気を吹き込むこともできるが、「息と一緒に湿気も入ってしまい、カビが発生する可能性があるので、僕はあまりおすすめしません」とFUKUさん。正しい使い方は商品によって異なるため、付属されている説明書などを必ずチェックしよう。



■自動で膨らむ「インフレーターマット」
「インフレーターマット」(インフレーティングマット)は、エアーマットと同じく空気を入れるタイプ。なかでもウレタンフォームが内蔵されていて、バルブを開栓することで自動的に膨らむ仕組みのマットを指すことが多い。自分で空気を注入する手間がないので、エアーマットより簡単に準備ができる。



「インフレーターマットは、ウレタンと空気が2重で地面の凸凹や冷気を遮断してくれるので、寝心地がいいです。商品によっては、家のベッドと変わらないくらい快適に眠ることができるものもありますよ。ただ、エアーマットに比べるとサイズが大きく、重くなります。また、空気を入れるので、エアーマット同様に傷などが付かないよう注意して扱う必要があります。そして構造が複雑な分、価格の相場はクローズドセルマットやエアーマットより高めです」(FUKUさん)


■キャンプマットの選び方
軽量で手軽に使える「クローズドセルマット」、コンパクトな「エアーマット」、自動膨張して寝心地のいい「インフレーターマット」。それぞれの機能や特徴を理解できただろうか。続いて、実際に購入する際にチェックしておきたいポイントをFUKUさんに尋ねた。



■「利用シーン」と「理想の寝心地」
「まずは自分がいつ、どんな場所でキャンプをするのかという“利用シーン”と、睡眠において自分がどんなタイプで、どのように眠りたいかという“理想の寝心地”を考えてみてください」(FUKUさん)

例えば整備された芝生のキャンプ場に行くのか、自然が残るワイルドなキャンプ場に行くのか、またキャンプをするシーズンは夏か、オールシーズンか、など…。加えて、普段の寝付きの良さや就寝環境で重視したいポイントなどをイメージし、それに見合ったスペックの1枚を選ぶことが大切だという。

「個人的には、初心者の方はクローズドセルマットが扱いやすいと思います。しかし、いつもと違う場所だと眠りが浅くなってしまう方や、アウトドアでもなるべく家と同じような環境で眠りたいという方は、エアーマットやインフレーターマットなど、より寝心地がいいタイプを選ぶほうが安心できるでしょう」(FUKUさん)

■断熱性能を数値化した「R値」にも注目
秋や冬にキャンプをする場合は、地面からの冷気によって体温が奪われてしまうため、断熱性の高い厚手のキャンプマットが必要だ。

商品によっては、キャンプマットの断熱性能を表す指標である「R値(R‐Value、Thermal Resistance Value)」が記載されているものもある。R値が高いほど断熱性も高いことを示しているので、目安にするといいだろう。


「僕は普段、R値が2.0くらいのクローズドセルマットをよく使っています。この数値であれば春から秋までの3シーズン対応できるので、僕の中で基本の1枚になっています。寒い時期は、R値4.0〜5.0くらいが理想ですね。以前、R値5.0のキャンプマットを雪の上で敷く実験をしてみましたが、十分に冷気を遮断してくれました。真冬のキャンプには、R値6.0のキャンプマットを持って行きます」(FUKUさん)



■キャンプマットの参考価格
いざ購入する際に気になるのは、やはり価格だ。どれくらいの予算をかけられるかは人それぞれだが、初心者が参考にしたい価格の目安について、FUKUさんにアドバイスをもらった。

「僕の経験から考えると、各ジャンルのミドルクラスの価格帯であれば、使い勝手や寝心地がいい商品が手に入ると思います。例えばクローズドセルマットの場合、3000円前後の商品で、十分使えるキャンプマットが見つかりますよ。これが7000〜8000円台の商品になると、寝心地はさらにアップしますね。どうしても予算が足りないのであれば、激安アイテムを重ねて使うなど、商品の特性を理解したうえで工夫する余地はあると思います」(FUKUさん)


■キャンプマットはどこで購入する?
近年のキャンプブームの影響もあり、アウトドアブランドだけでなくホームセンターなどのオリジナルブランドでもキャンプマットを展開している。実店舗はもちろん、オンラインショップなどでも簡単に購入可能だ。そんななか、初心者はどこで購入するのがいいだろうか。

「キャンプマットの知識があり、自分がどんなふうに眠りたいかを理解できていれば、自分で欲しい商品を見つけてオンラインショップで買うのが手軽です。実際、初心者の方でもネットで購入する人は多いのではないでしょうか。でも、寝心地を重視したいのであれば、商品が展示してあるショップに足を運び、実際に横になってみることをおすすめしたいです」(FUKUさん)

さまざまな種類のキャンプマットが展示されている大型のアウトドアショップに行けば、寝心地を比較することができるのだそう。「なかには、寝心地を確かめやすくするために、わざと硬い場所にキャンプマットを置いてくれているショップもありますよ」(FUKUさん)

■キャンプマットを使うときのコツ
キャンプマットを手に入れたあとは、いざキャンプへ!そこで、キャンプマットのセッティングや就寝時に注意するべき点を教えてもらった。

「まず気をつけるべきなのは、テントを張る場所選びです。凸凹や傾斜があっては、横になって眠るのには適しません。とはいえ、キャンプ場で傾斜がまったくない場所を探すのは難しいと思うので、なるべく平らな所を選ぶ、という感じでしょうか」(FUKUさん)

■手軽な価格で便利な「銀マット」
凸凹が多い場所では、クッション性の高いキャンプマットを使用するか、キャンプマットの下に、クッション材にアルミ加工が施された「銀マット」を敷くのもおすすめだ。銀マットはホームセンターなどで安価で購入でき、テントのサイズに合わせてカットして使える商品もある。


「銀マットは、昔からキャンプマットとしても使われてきたアイテムです。アルミ蒸着フィルムが熱を反射してくれるので、寒い時期はアルミ面を自分の体に向けて、夏はアルミ面を下にして使用するのがいいでしょう。これは、アルミ加工がされているクローズドセルマットも同様です」(FUKUさん)

■キャンプマットのお手入れと保管方法
撤収や片付けも、キャンプの醍醐味のひとつだ。キャンプ道具の手入れが趣味、というキャンパーも実は多い。しかし、初心者にはわからないことも多いもの。せっかく手に入れたキャンプマットを長く愛用していくために、使用後のお手入れ方法や保管の仕方についてFUKUさんに聞いた。

「キャンプマットだけでなく、寝袋やテントにも言えることですが、劣化の主な原因は、汚れと湿気です。汚れがあったら落とすのはもちろん、その後、きちんと乾かすことも大切です。エアーマットやインフレーターマットは、カビの発生を防止するために、内部の空気を最後までしっかりと抜いてから、畳んで収納しましょう」(FUKUさん)

■キャンプマットを普段使いする
実はキャンプマットは、いろいろな使い方ができる便利アイテムだ。例えば、車中泊の際に車内の隙間や段差などを埋めるために敷いたり、昼寝用のゴロ寝マットとして使ったりする人は多い。また、ピクニックシートやベビー用のプレイマット、災害時の防災グッズとしてなど、アイデア次第で多種多様な使い方が可能。FUKUさんは、クローズドセルマットをさまざまなシーンで活用しているという。

「僕は最近ハマっているDIYの作業中、休憩するときに折りたたんで座るためによく使用しています。あとは、車の中にキャンプの荷物を詰めるときの緩衝材としても役に立ちます」(FUKUさん)

■コットって何?
続いて「コット」について解説しよう。コットとはアウトドア用の簡易ベッドのことで、シートにポールなどのフレームと脚がついた構造だ。脚があることで傾斜や凸凹の影響を受けにくく、快適に眠ることができる。また、冬には地面からの冷気もシャットアウトしてくれて、夏は通気性があることで比較的涼しい。

「コットは寝心地がいいので、睡眠環境を整えたい人におすすめです。僕は普段、コットとクローズドセルマットの組み合わせで使用することが多いです。また、ベッドとしてだけでなく、荷物を置いたり、ベンチとして使ったりと、さまざまな活用法があります」(FUKUさん)

なお、フロアがあるテントの場合、コットの脚がフロアの生地を傷つける可能性がある。ゴム製のカバーなどを装着するキャンパーもいるが、使用する際には注意が必要だ。また、近年はフロアレスのテントやシェルターの人気が高まっており、そのため“コット派”のキャンパーも増えているのだという。

■コットの種類
コットの種類は大まかに分けると、地上高40センチ前後の「ハイコット」(ハイスタイルコット)、地上高20センチ前後の「ローコット」(ロースタイルコット)、そしてハイとローが調節できる「2ウェイタイプ」の3種類がある。※地上高はメーカーにより異なる


ハイコットは適度な高さがあるので、立ち座りがしやすいのがメリットだ。グループキャンプなどの場合、複数人で座れるベンチとしても便利。しかし、フレームが増える分、重くかさばるというデメリットも。一方のローコットは、コンパクトになるため持ち運びがしやすい。

なお、サイズ感に関しては、収納時だけでなく、広げたときの大きさも購入前に必ず確認しておく必要がある。

「特にサイズが大きいハイコットは、テントの中に入らなかった、というケースもあるので注意してください。僕は、ハイとローが切り替えできる2ウェイタイプで、アルミパイプのフレームのコットが使い勝手がよくて気に入っています」(FUKUさん)

■コットの素材と価格帯
コットのフレームの素材は、アルミ(およびアルミ合金)や鉄、ウッドなどがあるが、近年は軽量で丈夫なアルミ系フレームの商品が主流なのだとか。シート部分はナイロンやポリエステル、コットン、またポリエステルとコットンを混紡したポリコットンなど、さまざまなバリエーションがある。

「フレームの強度や重さ、機能は商品により異なります。価格帯は、安いものだと5000円前後の商品もありますが、およその相場は1万円〜1万5000円前後でしょうか。初心者の方には、やはりアルミ系フレームのコットがおすすめです。また、購入時には念のため参考値として、耐荷重もチェックしておくと安心です」(FUKUさん)


ちなみに、コットのシート部分の張り具合もメーカーによって違うのだとか。FUKUさんは、 これまで10メーカー以上のコットを試したのだそう。

「各社、ピンと張ったものや、ほどよくたるんだものなど、張り具合とそれに伴う寝心地が微妙に異なりました。これはもう、好みですね。シートの張り具合や肌触りを追求したいのであれば、購入前に専門店で試してみてください」(FUKUさん)

■コットを使うときのコツ
コットを設置する際や、使用するときに気をつけるべき点はあるのだろうか。

「コットを組み立てる際に、指などを挟んでケガをしないように注意しましょう。設置するときは、地面がぬかるんでいる場所や、設置した際にガタガタする場所は避けてください。基本的にコットは脚部分が汚れるので、撤収時はきちんと拭いて乾かしてくださいね」(FUKUさん)


■コットから落ちたりしない?
簡易ベッドであるコットは、寝相が悪い人にとっては落ちないか心配になってしまうかもしれない。その不安をFUKUさんにぶつけると、「コットのシート部分はハンモックのように体を包んでくれるので、落ちづらいと思いますよ。それでも、どうしても寝相に不安がある人は、念の為ローコットを選ぶといいでしょう」と回答してくれた。

普段からよく寝返りを打つという人は、横幅が広いタイプのワイドコットもおすすめだ。

■キャンプマットやコットで、キャンプをより楽しく!
キャンプマットとコット、それぞれの知識をしっかり身につけて、自分にぴったりのアイテムを選ぼう。就寝環境を整備することで、アウトドアという環境下でも快適に睡眠を取ることができる。しっかり眠ることで、翌日も元気にキャンプを楽しめるはずだ。

【FUKUさんプロフィール】
愛知県在住。登録者数38万人超え(2023年12月現在)のYouTubeチャンネル「FUKU」などを運営。優しい口調で初心者にもわかりやすく丁寧に解説するキャンプギアのレビューをメインに、キャンプ系情報を精力的に配信中。2021年からは各メーカーとの共同開発でキャンプ道具を販売するなど、オリジナルギアも展開している。同年、ワークマン公式アンバサダーに就任。著書に「キャンプを軽くする本 FUKU流コンパクト・キャンプギア図鑑」(扶桑社)がある


取材・文=前田智恵美

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