サイト内
ウェブ

50代半ばのオッサンが…突然8歳の娘の父親に!発達障害の女子小学生と父子家庭はじめました【作者に聞いた】

  • 2023年11月9日
  • Walkerplus

8歳のアユは、大阪からたった一人で東京のオレの家へやって来た――。

このまま一生ひとりで生きていくものだと思っていた55歳独身漫画家が、2人の娘をもつシングルマザーと結婚し、思いもよらず小学生の娘と2人暮らしをすることに。娘との生活で、長年慣れ親しんだ独身生活が一変!初めての子育ての驚きと苦労、そして喜びを、飾ることなく綴った渡辺電機(株)さん(@w_denki)の「父娘ぐらし 55歳独身マンガ家が8歳の娘の父親になる話」を紹介しよう。


■55歳の春、突如娘との父子生活が始まった
渡辺電機(株)さんは、明治大学在学中より石ノ森章太郎氏の仕上げスタッフに従事し、1991年に「クソゲー戦記」月刊コミックコンプ(角川書店)にて初連載。以降「ダンジョン退屈男」「土星のプリンセス」「はたらくねこ」など、ギャグ漫画を30年描き続けている。

このままずっと気ままな独身生活が続くと思ったが、55歳の春に大阪在住で8歳と4歳の娘を抱えるシングルマザーと入籍することに。さらに8歳のアユちゃんは発達障害児童で、年度途中での転校はリスクがあるため、4月のクラス替えに合わせて先に東京で父子生活をすることになった。


東京に来たばかりのアユちゃんは、渡辺さんに「パパ―、あれ食べたい」とたこ焼きとアイスクリームをおねだり。唯一の連載が今月で打ち切りになったばかりで無駄な出費を抑えたいところだが、いきなり親になった渡辺さんは普通の親のように突っぱねることができない。このときの渡辺さんは、子供一人に費やす時間とお金と体力と気力がいかに膨大かをわかっていなかったという。

以前は騒ぐ子連れに心の中で舌打ちしていた側だったが、信頼して全身をあずけてくれる小さな「ぬくもり」を何物にも代えがたい宝物だと実感していく。

■思っていたのと違う!?娘との生活で人生が180度変わった!
お弁当づくりや学童への送り迎えなど初めて尽くしの新生活。想定していた育児とはどのように違ったのだろうか?

「『自分の生活の中に子供の世話が加わる』くらいに考えていたら、それどころではなく、生活の軸が完全に子供中心になりました。学校の用事、健康状態、生活の世話、メンタルのケアなど、目まぐるしく押し寄せるミッションをこなしていたら、いつの間にか自分の聖域は全部無くなっていた、そんな感じでした。」

第1話は、8歳のアユちゃんと2人暮らしをスタートするところから始まる。突然の父子生活ではどのような変化があったのだろう。

「独身時代は一日中黙って無表情でいるのが当たり前だったのが、朝から晩まで気を遣って喋り笑い続ける暮らしになりました。大人同士のルームシェアや同棲・新婚生活を経験せずイキナリ父子家庭だったので、かえって『今までの生活とはお別れだ』という覚悟ができたのはよかったです」

アユちゃんと2人で生活するうえで、気を付けていたことを教えてもらった。

「とにかく、子供に対して感情的にならないことです。子供は大人のちょっとした不機嫌にも敏感に影響されるので、叱るときもとにかく明るく、感情的にならないように気をつけていたら、本当にそういう怒らない人になってしまいました。何か起きても逆上することもなく、とりあえずビックリしながら対策を考える、今はそんな感じです」

第3話の手作り弁当のエピソードで、渡辺さんが作った弁当の味はまずかったのにアユちゃんが「パパのお弁当がいい!」というセリフが胸を打つ。2人の飾らないやり取りが魅力だが、アユちゃんと打ち解けるのも比較的早かったという。

「実際はあんなに心を刺す会話があったワケではなく、まあ演出もあるんですが。打ち解けるのはすぐでした。まあ、よその子ともだいたいスッと仲良くなれるので才能かもしれません。漫画家より保育士が向いていたかも」


アユちゃんとは性格的にかなり馬が合い、今ではテンポよく冗談の掛け合いをしてくれる、と渡辺さん。半年に渡る父子家庭の生活を描いたエッセイ漫画は、noteやX(旧Twitter)で大きな反響を呼んだ。

現在は、父子での2人暮らしから3人目の子供が生まれた生活をリアルタイムで絵日記にして、毎日Xに上げているという。また、月に1回くらいのペースで、直近の出来事をコミックエッセイにして、noteとXに上げている。これらをまとめた「還暦子育て日記」をAmazon Kindleで公開中だ。


取材協力:渡辺電機(株)(@w_denki)

あわせて読みたい

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright (c) 2024 KADOKAWA. All Rights Reserved.