サイト内
ウェブ

おいしいだけじゃない。日本ワインが今、とにかくおもしろい!進化する日本ワインの世界をのぞいてみよう

  • 2023年11月24日
  • Walkerplus

今、日本ワインが確実においしく、そしておもしろくなってきている。「日本ワイン?日本で造ったワインのこと?」といった認識だけではもったいない。ここ数年で驚くほど進化し、さらに発展し続ける日本ワインのおいしさはぜひ実際に味わってみてほしい。

日本ワインの魅力は、なんといってもそのユニークさ。畑、ぶどう品種、醸造家、ワイナリー、ブランディングなど海外のワインと比べて日本ワインはとても独特だ。知れば知るほど好きになる、とっておきの1本を見つけてファンになろう。

■日本ワインって何?日本で育てたぶどうを使って日本で造ったワインのこと
日本ワインは、国税庁の「果実酒等の製法品質表示基準」によって「国産ぶどうのみを原料として、国内で製造されたワイン」と定められている。つまり、日本で収穫したぶどうで、日本で醸造したワインこそが日本ワインであると、きちんと国によって決められているのだ。海外から輸入したぶどうや果汁などを使って日本で造られたワインは国産ワインという。ややこしいが、日本ワインと国産ワインは異なるということを覚えておこう。日本ワインはワイナリーや専門の販売店だけでなく、近ごろではネット通販やスーパーなどでも気軽に購入できるようになった。また、日本ワインを提供する飲食店も増えている。今まで気づかなかっただけで、意外と身近な存在だ。

■日本ワインっておいしいの?
フレンチやイタリアンなどの洋食だけでなく、刺身や寿司などの海の幸、さらに鍋や煮物など一般家庭の食卓に並ぶような普通の日本食にも、日本ワインはとてもよく合う。食材や料理自体の味を邪魔せずに、むしろよく馴染む。寿司や刺身など、魚介の多い食卓でも生臭さやえぐみを感じることはなく、肉料理にはこれ、魚料理にはこれ、といった知識がなくとも1本のワインで十分に食事を楽しむことができるのも魅力のひとつだ。

■日本ワインがおもしろい3つのポイント
日本ワインのおもしろさは、その独自性にある。欧米など海外のクラシックなワインと比べ、例えばぶどう品種だったり、醸造方法だったり、味についてももちろん、日本ワインは形式にとらわれすぎることなく自由に造られている。従来のワインのイメージをくつがえすようなオリジナリティあふれるワインは、一口飲むだけでワクワクする。日本ワインのおもしろさについて、日本ワイン専門のオンラインショップwa-syu(ワシュ)のバイヤーでワインエキスパートの資格を持つ菊地良実さんに話を聞いた。

■1. ぶどう品種がおもしろい
日本ワインはさまざまなぶどうから造られている。シャルドネやメルローなどの有名なぶどう品種だけでなく、日本独自のぶどうで造られたワインがたくさんある。特に注目したいのは生食用のぶどう。シャルドネやメルローなど欧州系の品種で造るものから、生食用のぶどう、また、生食用のぶどうを交配した品種である甲州やマスカットベーリーAなどを使って造るワインまで、日本ワインのぶどう品種は実に多彩だ。菊地さんに聞いてみた。

「基本的には日本のぶどうで日本で醸造したら日本ワインなので、ぶどうの品種については制限がないんです。なのでワインに使っているぶどうの品種がとても多い、それがおもしろいなあと思っていて。欧米と違うのは食用のぶどうも使うというところ。日本には食用の、粒の大きいぶどうを食べるという食文化がもともとあって、その食用ぶどうをワインにしてしまうというところがおもしろいですよね。少し前までその食用ぶどうを使ったワインというのは、甘すぎたりしてあまりおいしくないものもありました。ただ、今は醸造技術が急速に上がって、本当においしいワインがどんどん出てきています。食用ぶどうの可能性を感じますね」

また、これらのぶどうたちから造られるワインは、日本食に実によく合う。日本ワインについて、「和食に一番合うところが好き」と菊地さん。

■2. ワイナリーがおもしろい
ここ数年で日本国内のワイナリーは急増している。国税庁の直近の調査によると、2018年に369場だった日本全国のワイナリー数は、2019年には413場と、1年間に44場も増加している。日本のワイナリーはそれぞれに個性があって、それがまたおもしろい。先述のとおり、日本ワインは欧米のワインに比べて自由度が高い。それゆえか、近ごろ注目されているヴァン・ナチュール(ナチュラルワイン、自然派ワインともいう)という、有機農法や無添加で造られるワインにより近い、自然な製法でワインを造るワイナリーが増えているのだそう。シャルドネやメルローなど欧米と同じぶどうを使って欧米に並ぶようなワインを目指していた時代から、食用のぶどうなども使って日本ならではの日本ワインを造ろうという方向へシフトしている。

「ナチュール・ネイティブという言葉を最近耳にしたんですけど、いわゆる欧米のクラシックなワインではなく、最初に飲むワインがヴァン・ナチュールだったりする若い世代が増えているそうです。そういう人たちは、ナチュールな造りの日本ワインにも自然に入っていくんですね。技術がどんどん進化していくなかで、生産者も消費者も変わっていく、この5年10年でもかなり変わっています。日本ワインのこれからが楽しみです」

進化するワイナリーはまた、ブランディングもおもしろい。ワインの名前やラベルなど、細部にまでこだわりが見られる。ただのお酒ではなく、ぶどう品種、製法、ワイナリー、醸造家、それらによって生み出されたワインはまさに表現であり、アート作品だ。ぜひ、お気に入りの「推しワイナリー」を見つけてみてほしい。

■3. 醸造家がおもしろい
日本のワイナリーがどんどん進化している理由のひとつに、若手が多く参入していることがあげられるだろう。幕末から明治にかけて始まったとされる日本ワインの歴史は決して古いものではないが、その間にも驚くほどに進化している。欧米のワインに追随しながら成長を重ね、ここ数年では日本独自の方向へと舵を切り始めた。その急激な変化の背景には若手の存在がある。最近は特に、平成元年生まれの醸造家さんに注目しているという菊地さん。

「家業として継いでいる人もいますが、銀行員やジャーナリストなどまったく別の業界からワインの世界に入ってきた醸造家さんがたくさんいます。みなさん個性的なので、その人柄でファンになる人も多いです。ワイナリーに行けば醸造家さんに直接会うことができて、日本語で話を聞くことができるというのも、日本ワインの魅力だと思います」

若手だからこそ、常識や慣習にとらわれることなく自由に日本ワインの世界を広げていくことができるのかもしれない。お気に入りの1本を見つけたら、ワイナリーだけでなく醸造家を調べたり、実際にワイナリーに足を運んでみたり、日本ワインならではの楽しみ方もある。

もちろん、ワイナリーを訪れなくても日本ワインが手軽に購入できるようになってきている。大きなワイン専門店以外にも、最近はスーパーなどで購入可能だ。また、ネット通販なら品数も多く選びやすい。見かけたらぜひ、手にとってみてほしい。

あわせて読みたい

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright (c) 2024 KADOKAWA. All Rights Reserved.