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「NMB48で起業すれば?」小嶋花梨が聞く、編集者・箕輪厚介の“リーダー論”とは?

  • 2023年12月13日
  • Walkerplus

大阪・なんばを拠点に活動する「NMB48」。かわいいだけでなくお笑いもこなす親しみやすいアイドルグループとして、2023年には結成13周年を迎え、メンバーたちはバラエティタレントにモデル、グラビアアイドルなど、あらゆるジャンルの前線で活躍している。

そんなNMB48の2代目キャプテンを務める“こじりん”こと小嶋花梨さんは、個性豊かなメンバーたちのまとめ役として日々奮闘中。自身のYouTubeチャンネルでは、企業の社長やビジネスシーンで活躍中の人物に自らインタビューを行い、「リーダー論」を学んでいる。

そこで、ウォーカープラスでは、新連載「NMB48・小嶋花梨の“最強キャプテン”への道」をスタート。こじりんがリーダーとして成長していく姿をレポートしながら、ビジネスシーンにおいて役に立つエピソードをお届けする。語られる内容はもちろん、こじりんが自らリサーチして投げかける質問にも注目だ。

第1回は、株式会社幻冬舎の編集者として働く傍ら、オンラインサロン「箕輪編集室」を主宰するなど、実業家としても活躍する箕輪厚介さんの「リーダー論」に迫る。2023年9月に発売された箕輪さんの著書「怪獣人間の手懐け方」(クロスメディア・パブリッシング)を読んだこじりんが抱いた疑問とは?(2023年10月7日取材)

■自分は“普通”でも大丈夫。大切なのは「怪獣人間と会って“当たり前”の基準を引き上げること」
【特別な才能はない。でも、人生を変えたい。もっと大きな仕事がしたい。そんな人に本書が提案するのは、「怪獣人間」に近づくことだ。】(「怪獣人間の手懐け方」紹介文より)

インタビュイーの下調べを欠かさない真面目なこじりんは、「怪獣人間の手懐け方」を完読して取材に挑んだ。しかしこじりんは、読めば読むほど自身が“普通の人”であることを強く感じたのだとか。「そんな“普通”の自分が、今後キャプテンとしてグループをどう引っ張っていけばいいのか」と悩んでいることを告白する。

小嶋「『怪獣人間の手懐け方』を読ませていただいて、正直、『ここに書かれているような人(怪獣人間)なんているのかな』って思いました」

箕輪「そう?アイドルの世界って、怪獣人間多くない?秋元康さんをはじめ、才能あふれる人たちがたくさんいるイメージがあるよ。例えば、“MV撮影の10秒前に歌詞が変わる”とか、そういうのを聞くと『すごいなぁ』って思う。結果のために、ひとときの調和も求めない人たちや、結果だけを見てめちゃくちゃなことをしてしまう人たちが、僕の思う“怪獣人間”です。周りは大変だけど、僕は好きなんだよね」

小嶋「箕輪さんが、“怪獣人間”と呼ばれる人たちとお仕事するのはなぜですか?」

箕輪「結局、関わっていて大きく自分の人生や考え方が変わるとか、一緒に仕事をして成果が出るのって、そういう人なんだよ。逆に“いい人”なだけだと成果が出ないよね。やっぱり、嫌な人や面倒臭い人、一緒にいて大変だったりするような、結果に貪欲な人のほうが最終的におもしろいものが生まれるケースが多いから」

小嶋「そういう人に出会ったことがないんですよね…」

箕輪「秋元さんは怪獣人間だと思いますけど、会ったことないの?」

小嶋「NMB48で5年ほどキャプテンを務めさせていただいているんですけど、お会いする機会がないんです」

箕輪「ちなみに今、何が一番しんどい?」

小嶋「しんどいこと…ないんです!」

箕輪「しんどいことがないこと自体が、しんどくない?」

小嶋「そう!そうなんです!」

箕輪「やっぱり!昔占い師をやっていたことがあるからわかるよ(笑)。本当はもっと壁にぶつかったり、僕が『怪獣人間の手懐け方』に書いたようなつらさや人間の理不尽さに耐えられる強さがあるのに、それがなくて、延々に真っ白い部屋を歩いてるみたいな感じでしょ?」

小嶋「その通りなんです。え、泣きそうです」

箕輪「えぇ、騙されるよ…僕みたいな人に(笑)。でも、そんな気がした。向上心はあるけど、ぶつけるサンドバッグがない感じだよね」

小嶋「なんかずっともどかしくて、『自分はふわっとした目標しか言えていないな』って感じるんです。でも、グループをどうにかしたい、自分自身をもっとおもしろい人間にしたいと思っているのに、だからって何をしたらいいかわからないし…。といった状態が4、5年続いています」

箕輪「けど、ある意味、そこから生まれる作品とか表現ってあるから。すべての作品や表現は、結果的に誰かが共感することになるからね。今の花梨さんと似た境遇の社会人はいっぱいいると思うよ?どっちが正しいとかじゃなくて、その状況に共感する人が絶対にいて、そこで進むべき道がわかんないなかで、もがき苦しんでいることも1個の表現だからね。そこは逃げずに向き合えばいいと思う」

箕輪「例えば、常に時代のど真ん中にいるアイドルもひとつの表現だと思うし、花梨さんのように、これからグループをどうしていけばいいのかと悩み、葛藤する姿に共感する人もいる。貴重なポジションかもしれないよ」

小嶋「そうですね。8年間活動してきて、やっぱり『アイドルって閉じ込められた世界だな』って思うんです。自分から気になる人に話を聞きに行くこともできなかったり、おもしろそうだなと思った人と会える機会もなかったのですが、今は『リーダー論』をテーマにYouTubeをさせてもらっているので、これからは思う存分いろいろな人とお話したいなと。なので今、これまで関わることがなかった社長さんたちにお話を聞いて、見聞を広げているところです」

小嶋「ただ、社長さんたちとお話させていただいてるなかで、『自分って普通だな』ってすごく感じるんです。『怪獣人間の手懐け方』を読んでても思いましたけど、社長さんたちのような思考がないし、自分にはこれは無理だなって。なんか自分とは違う世界だなって思ってしまうんですよね」

箕輪「僕もそうだよ。怪獣人間じゃないから、そういう人たちをサポートしたり、本を作る凡人だよ。だからこそ、怪獣人間の近くに行くことで自らを変えたり、仕事の成果に結びつけたりしてる。怪獣人間の特徴って生まれつきなところもあるから、自分が変な人である必要はないと思うよ」

小嶋「箕輪さんが、怪獣人間と出会っていくなかで、心情の変化はありました?」

箕輪「まず、常識が変わるよね。多分、花梨さんも経験しているんじゃないかな。例えば、普通の会社だったら1週間前に言われるようなことを、当日に言われたりとか。さっきの歌詞が変わる話みたいに、それがどんどん当たり前になっていくの」

箕輪「本で言えば、『10万部売れるように』と必死に頑張っていたら、多分5万部ぐらいしか売れない。でも、『当たり前に100万部は売れるな』って思って仕事していたら、50万部売れたりするわけ。目標値が高かったり、スピード感が速かったりする人と一緒にいることによって、その“当たり前の基準”がどんどんすごくなっていくんだよ」

小嶋「グループ活動を行うなかで、“当たり前”の基準を上げたいとは思っているんですけど、私自身の“当たり前”の基準が低いから、どう上げればいいかわからないんですよね」

箕輪「とにかくすごい人たちに会うことだね。今、最も勢いのあるグループがどこかはわかんないけど、仮に韓国のアイドルグループであれば、その子たちと一緒に合宿でもすれば一瞬で変わると思うよ。その世界をまだ見ていないだけだからね。『それが当たり前だ』と思ったら世界が変わるから、ある意味めっちゃ安い投資だと思うな」

箕輪「それこそ、元HKT48の宮脇咲良さんが所属する『LE SSERAFIM』とか、ほかの海外で活躍しているグループでもいいから、何かしら一緒に活動していけば絶対変わると思うよ。サッカー選手は如実だなって思うのが、イギリスやイタリアのリーグに行くと、練習内容、筋トレ、ストレッチと、Jリーグ時代からすべてが変わるわけよ。ただ、そこで一気に自分の基準が引き上げられるから、NMB48のメンバーも一度留学みたいなことをしてみてもいいかもね」

■「NMB48で起業してみたら?」と提案が!こじりんに足りないのは「冒険」と「弱さ」?
箕輪さんは「怪獣人間の手懐け方」で過去に経験した“どん底”について語っており、それが彼の強さになっているという。しかしこじりんは、そもそも“どん底”を経験していないことに悩んでいる様子。

小嶋「私、どん底を経験したことがないんです。なんかうまく手を抜けてしまうというか、考えすぎないからなのかわからないんですけど…」

箕輪「もしかしたら、普通の人がどん底と感じるような状況でも、そう感じないくらい強く振る舞っているのかもしれない。そこは、花梨さんの強みかもしれないね」

小嶋「自分のなかでは、恐怖を経験していないからこそ立ち向かうことができないのかなって思っています」

箕輪「全然そのままでもいいと思うけど、居心地のいい場所から一度抜けてみるのもありかもね。おそらく、どんな役割を任せられても、80点以上は出せる人だと思うから、あえて自分が20点しか出せない場所に足を踏み入れてみるのもありかも!」

小嶋「新しい自分を見つけるということですね」

箕輪「実は僕、今度スイスでムキムキの人とキックボクシングの試合(※)をするの。もうね、絶対負けるのよ(笑)。つまりそういうこと」※試合はすでに終了

小嶋「え!?何でチャレンジしようと思ったんですか?」

箕輪「楽しそうじゃん!だってわけわからなくない?絶対に負けるキックボクシングの試合をするために、わざわざスイスに行くって。こういう冒険をしてみるのもいいんじゃないかな?」

小嶋「それを聞くと、『私は冒険をしたことがないんだな』って感じますね…」

箕輪「とはいえ、一般の人からしたら、NMB48のキャプテンをやってることがもう、とんでもないことだけどね」

小嶋「そうですかね~。やっぱり自分には今の刺激じゃ足りないのかもしれません」

箕輪「でしょ?冒険しなよ!キックボクシングの主催者に花梨さんも参加できるよう掛け合おうか?(笑)。まぁ、さすがにスイスは無茶かもしれないけど、雑でいいから、自分が普段行かないところに行って恥をかくのはいいかもね」

小嶋「そうですよね。これまで恥をかくことを避けて生きてきたところがあるんです。ただ、私も含めて、その第一歩が怖いって人も多いと思うんですよね」

箕輪「それはそうだと思う。特に花梨さんのようなキャプテンだと、周りの人の期待もあるしね。ただ、そんな人が出す“弱い部分”に惹かれる人も多い。僕の場合だと、『死ぬこと以外かすり傷』(マガジンハウス)が発売されたころ、世間は『箕輪、調子乗ってんなぁ』ってなってて。そこからスキャンダルの件もあって、秋元さんがタイトルを付けてくれた『かすり傷も痛かった』(幻冬舎)が発売されて、世間は『それでいいじゃん箕輪』ってなったわけ。傷ついて弱い部分を見せることで、ファンができることもあるよ」

箕輪「アイドルに限らず、あらゆる場所、ビジネスパーソンでも、個人で生きてる人って、やっぱりある程度傷がないと生きていけないのかなって思う。僕も『死ぬこと以外かすり傷』で15万部ぐらい売れたけど、このキャラじゃ40代以降生きられないからね。傷を負ってキャラ変して、また傷を負っての繰り返しだね」

小嶋「やっぱり傷が必要なんですね(笑)。そのためには冒険が必要ですけど、どこまでしたらいいのか、何かヒントをいただけるとうれしいです」

箕輪「今、NMB48ってどれくらい人気あるの?」

小嶋「大阪城ホールを埋めるのが難しいくらいですね」

箕輪「NMB48劇場はどれくらいなの?」

小嶋「NMB48劇場は240人です」

箕輪「けど劇場はいつもけっこう埋まるんでしょ?めっちゃすごいじゃん!」

小嶋「そうなんですよ。以前は、欲張って大きいことを言ってたりもしてたんですけど、最近は『一番近くの人たちから愛されるグループでありたい』と強く感じています。こうした心境の変化もあって、いろいろな人たちと関わりたいと思ったんです」

箕輪「NMB48で起業とかしてみたら?」

小嶋「それめっちゃ興味あります!」

箕輪「そういう独自の活動をしたほうが、秋元さんとか業界の人たちは『NMB48、おもしろい!』ってなる気がする」

小嶋「秋元さんに会えたことがなかったから、1年半くらい前のライブで『秋元さんにNMB48の魅力を伝えに行く!』って宣言したんですよ。でも、ダメでした(笑)」

箕輪「『おもしろい子だなぁ』とは思ったはずだよ。でも秋元さんって、グイグイ来られると応えないの(笑)。僕も昔、『秋元さんの会議がおもしろいから参加して』って言われたから2回くらい参加したんだけど、それ以降面倒臭くって出なくなったの。でもそれを見て『あいつおもしろいな』ってなったみたいだから、塩対応くらいのほうがいいのかもね(笑)」

小嶋「うーん、やっぱり常識から外れているくらいのほうがいいのかもしれないですね」

箕輪「いい劇場があって、すばらしいメンバーもたくさんいて、正直、贅沢な環境だと思う。そのキャプテンなんだから、なんだってできるよ。ビジネスだってできるし、フェスもできる。仮にチャレンジしてミスをしたとしても、ちょっと傷がつくだけだから。今は絶対に大きな傷がつかない安定した環境にいると思うけど、花梨さんはちゃんと責任感がある人だから、その環境を活用してチームをしっかりと回せているよね。だから、“4割できそうだけど、6割は失敗するかな”くらいの挑戦からやってみればいいんじゃない?」

小嶋「巻き込むのはグループだけ?それとも、外部の方や企業さんもですか?」

箕輪「最初はちっちゃくでもいいけど、まずはその巻き込む範囲を決めてみることかな。あと、内容は“自分が”わくわくするものでよくて、他人からは共感されなくてもいいのよ。僕はスイスでキックボクシングの試合をするけど、周りから見たら意味わかんないよね。ただ、僕は昔からやってみたいなと思っていた。花梨さんにもそういうことない?」

小嶋「実は、先ほどチラッとおっしゃっていましたけど、関西にアイドルフェスがないので私たち主催でやってみたいなと思っているんです」

箕輪「いや、まだ殻に閉じこもってるよ。『道頓堀飛び込みフェス』くらいしなきゃ(笑)」

小嶋「うわぁ!私も、そういうこと言いたいです(笑)」

箕輪「阪神タイガースが優勝したときに飛び込んだ人をMCにしたらいいじゃん!別に世間体とか気にしなくていいから。花梨さんだけじゃなく、AKBグループの人たちを見ていると、高校球児のような雰囲気になってるからね。とはいえ、それを『応援したい』って人がたくさんいるのも事実なんだけど」

小嶋「“与えられたことをこなす”という仕事が多かったからかな。『もっとおもしろいことやりたいなぁ』って思うんです」

箕輪「いいじゃん!あと僕、『大阪のお土産って難しい』と思ってて。だから『NMB48株式会社』を立ち上げて、大阪のお土産を開発して、めっちゃ儲かってる!ってなれば、秋元さんも気になってくれるかもよ?熱意あるメッセージなんて、秋元さんは昔から散々聞いてきたから、実はあんまり効果がないんじゃないかな」

小嶋「なるほど…。せっかくだから、“大阪のアイドル”というのを武器にしたほうがいいですよね」

箕輪「そうだね。これは1個のアイデアだけど、とにかく自分でビジネスをやってみるってことかな。せっかくいろいろな社長さんたちと出会ってるんだから、そうした人たちから出資を募って会社を作るのもありだよね。ちなみに花梨さんは、これからどういう人生にしていきたいの?」

小嶋「今の活動以上に興味を持てることがないんです。ただ、埼玉県出身で関西に出てきて、関西がすごく好きになって、『生涯、大阪にいたい』と思うようになりました。だから、ざっくりとしていますけど、“関西で愛される人になりたい”という思いはあります」

箕輪「ところで、アイドル的にこのインタビュー、大丈夫なの?編集入りまくって、挨拶して終わり!とかないよね(笑)。まぁ今回は、花梨さんの“常識の枠”を外せたということで!」

小嶋「ありがとうございます。ずっと枠を外したいと思っていたから、本当にいいお話が聞けました。私はこれから変われるでしょうか?」

箕輪「僕はよく自分の頭の中で、トンビが獲物を獲っている様子を想像するの。1回獲物を獲って、そのあとは次の獲物を探すためにゆらゆらしているよね。人生に置き換えると、そこがけっこう大事だと思う。花梨さんも、キャプテンに任命されたときは必死だったはず。そして今は『私、何やってるんだろうな』と思いながらも、目の前のことを一生懸命やる時間なんだろうけど、これがすごく大事。そこから悩んで、いろいろな人に会っていれば、必ず活路が見出せると思う。まだ24歳なんだし、ゆらゆらしている時間に対して焦る必要はない。その時間を楽しめばいいと思うよ」

小嶋「自分のなかでは、今過ごしている時間がもどかしくて、先が見えないとやっぱり人って止まるじゃないですか。でもそう言ってもらえると、私はもちろんですけど、今この記事を読んでくださっている方のなかにも刺さる方がいるかもしれないですね」

箕輪「あと、発信は続けたほうがいいと思う。視聴数にこだわるんじゃなくて、花梨さんと同じような状況の人がいるはずだから、停滞してることもひとつの自分の姿でありグループの姿だし、その姿を見せることも大切だね。そもそも今は、“バズる”ってことにそんなに価値がないと思うよ。『かすり傷も痛かった』で言いたかったことでもあるけど、『やることないです』みたいな姿勢のほうがウケたりする。その時々でちゃんと共感してくれる人がいるのよ。だから今は、停滞している姿をありのまま見せればいいんじゃない?」

小嶋「はい。今の自分に正直に生きたいと思います!」

■うまいインタビューのコツは?「まずは自分のガードを下げること」
最後は、こじりんの「インタビュー」に関する話題に。編集者として数多くの取材を行ってきた箕輪さんに、インタビューを成功させるためのコツを聞いた。

小嶋「社長のインタビューをしているなかで、『今日はあんまり本音を出してもらえなかったかも』って思うことがあるんです。私が聞いても、きれいな言葉で返していただくので、どうしても踏み込めないというか…。何かコツはありますか?」

箕輪「ガードの高さってめっちゃ大事で、自分のガード以上に相手のガードが下がることはないのね。だから花梨さんがまともすぎると、相手もガードを下げられない。僕くらいだよ、勝手にガードを下げているの(笑)。ちゃんとした社長さんだからこそ、ちゃんと聞かれたらちゃんと答えちゃうんだと思う。だからもう、花梨さんから崩そう!」

小嶋「なるほど!たしかに、だいぶかしこまって行っちゃうんですよね…」

箕輪「そもそも“相手に合わせる”っていうのがマナーだから、相手が崩してたら崩すし、相手がお酒飲んでたら飲むというのが、まともな人だからね。奇抜なことをする必要はないけど、花梨さんがちょっと崩した感じで聞くと、相手も『そういうノリでいいんだな』ってなると思うよ。オープニングで『は~い!今日の社長さんで~す!』って言ったら一気に崩れるかも(笑)」

小嶋「それならすぐに実践できそうです(笑)」

箕輪「僕もよく対談していて、聞き手にまわることも多いけど、相手が緊張しないように基本的にだらけているね」

小嶋「実は今日、箕輪さんとお会いするのめちゃくちゃ緊張してたんですけど、『あっ、今日大丈夫だ』って思いましたもん(笑)」

箕輪「対談前なのに、劇場横のドン・キホーテでトイレを借りて、いっぱいお客さんがいるなかをかき分けて、買い物してから来たんだよ(笑)」

小嶋「自分のガードを下げること、早速意識していきたいなと思います。続いてですが、社長のおもしろい部分を引き出すときに、どのようにアプローチしていくのか。また、話の運び方について、アドバイスを聞いてみたいです」

箕輪「事前にその人の著書を読んだり、過去に話している内容を聞いて想像するのも大事だね。あと最も大切なのは、自分が聞きたいことを聞くこと。そういう意味では、今日の対談はすごく良かったと思う。逆に自分が聞きたいことじゃないと、どうでもいい話になっちゃうんだよね。さっきの停滞する姿に共感する人がいるのと同じで、自分が聞きたいことを聞くと、その裏には同じような悩みや疑問を持つ人がいる。そこに刺さるおもしろさが本当のインタビューだから、人生で辛かったことやターニングポイントを聞くことより、めちゃくちゃ個人的なことを聞くほうが絶対におもしろくなると思うよ」

小嶋「今まではかしこまって、あんまり自分の話をせずに、聞き出すことに必死でしたね」

箕輪「個人的な相談くらいの感覚でいいと思う。見てる人は勝手に自分に当てはめるからね」

小嶋「次に、これは絶対に聞きたかったんですが、私自身のインタビューのやり方について『ここはこうしたらいいよ!』みたいなポイントはありますか?」

箕輪「ないよ、100点(笑)。今日のインタビューはとても良かったと思うんだけど、花梨さんって普段どんなキャラクターなの?ぶっちゃけキャラ?それとも真面目キャラなの?」

小嶋「めっちゃ真面目!みたいなキャラです。でも、根は適当ですね(笑)」

箕輪「じゃあ、その適当さを出していったらいいんじゃない?いっそのことドン・キホーテで飲み物を買ってくるところから始めるくらいがよかったりして(笑)」

小嶋「めちゃくちゃ雰囲気変わりそう(笑)」

箕輪「あらゆるコンテンツって、“親近感vs神秘性”なんだよね。神秘性って、それこそレディー・ガガとかジャスティン・ビーバーみたいなスターだと思うの。対してアイドルは、親近感が売りなんだよね。でも、最近はYouTuberのようなもっと親近感のある人が出てきたから、ちょっと中途半端な立ち位置になっちゃってるところもある。だから、宮脇咲良さんみたいに神秘性のあるアーティストとしてやるのか、親近感のあるYouTuberみたいにぶっちゃけていくスタイルになるかのどっちかだと思うよ。花梨さんの場合は、自分の本音を包み隠さず言っていけばいいと思うけどね」

小嶋「そうですね!その一歩で変えられると思うので、今後、自分がどちらに行くべきかを模索していきます。インタビューの予備知識を入れるときに意識していることはありますか?」

箕輪「そもそも自分が興味ある人や好きな人しか話を聞こうと思わないから、『こういう人好きそうだな』とか、『これを聞いたら喜びそうだな』みたいなことは考えるかもしれない。でも、花梨さんはそのままでいいと思うけどなぁ。まず花梨さんが一生懸命話を聞いてくれる時点で、社長はうれしいはずだから、100点なのよ。ただ、視聴者はもうちょっと自由なほうが楽しいかもね。

あとは“いずれ本にする”とか、最終形をイメージして対談すれば?実際、形になるのはなかなか難しいけど、10人をインタビューして対談集を出すとなれば、テーマやキラーワードが必要だから、取材の内容にもメリハリが出るんじゃないかな」

小嶋「そこまで全然見据えてなかったです…!」

箕輪「そうなればおもしろいよね。じゃあタイトルは『大阪の商人』で!」

小嶋「急にコンセプトが変わった気がします(笑)。ちなみに箕輪さんにとって、“本”ってどんな存在ですか?」

箕輪「本?マジで何とも思っていないですね。『紙の束だ!』としか思ってないです。紙にただ文字が羅列されてるだけって感じ」

小嶋「そういう感じなんですね(笑)。今回はたくさんお話を聞かせていただき、ありがとうございました!これまでYouTubeでやってきた対談のなかで、一番ラフだったと思います(笑)」

箕輪「こちらこそありがとう。秋元さん、すみませんでした(笑)」

キャプテンとしての悩みや葛藤について、赤裸々に語ったこじりん。それに対し、箕輪さんは独自の視点や経験から、今のこじりんの良さを生かすアドバイスをした一方で、常識を破るような提案をするなど刺激的な対談となった。次回もお楽しみに!

取材・文=西脇章太(にげば企画)
撮影=福羅広幸

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