
子供の頃から漫画が好きで、ユーモア溢れる漫画を描いている宮野シンイチ(@Chameleon_0219)さん。X(旧Twitter)にて公開された「夜逃げ屋日記」は、DV被害などに遭う依頼者を夜逃げさせた実話を基に描かれた人気漫画だ。今回は、X(旧Twitter)に投稿されている中から「夜逃げ屋日記」の第1~2話を紹介するとともに、著者に今後の意気込みについても聞いた。
■「夜逃げ屋日記」が始まったきっかけ
当時漫画家を目指していた宮野は、出版社に漫画を持ち込んでも「おもしろくない」との理由で不採用ばかり…。一人家で落ち込んでいると、ふとテレビで放送される夜逃げ屋の情報が目に飛び込んでくる。夫のDV被害に遭う子連れの女性が、夫が仕事でいない間に夜逃げするというものだ。宮野はそのテレビ特集を見て「漫画にできるかな…」と思い、勇気を振り絞ってテレビに登場していた夜逃げ屋の会社に電話することから、この物語のすべてが始まるのである。
■旦那がストレスで味覚障害を患う依頼者
今回の依頼者は、加山恭子さん(仮名)。加山家には夫が決めたルールが多数あり、恭子さんは自宅が職場の夫にいつも行動を監視されている状況だという。精神的に追い詰められた恭子さんは、ストレス性の味覚障害を患う。そして、夜逃げするときは、もちろん夫も家にいることになるのだ。
夜逃げ当日、依頼者の家でスタッフが作業をしていると、2階から夫が降りてきて宮野をじっと見つめてくる。そこへ社長がやって来ると、なんといきなり社長の髪をグイッと掴む夫。それにブチ切れた社長は夫の胸ぐらを掴んで「人が優しくしてりゃ、つけ上がりやがって…殺すぞ」と怖い顔で言い放つ。社長の言動に驚いた旦那は急いで2階へ戻り、それ以降再び降りて来ることはなかった…。
現在も夜逃げ屋のスタッフとしての顔を持つ宮野シンイチさん。著者に今後の意気込みについて伺うと「これまで原作者として連載を目指して頑張っていましたが、うまくいかずX(旧Twitter)自分で漫画を描いて投稿するようになりました。はじめはフォロワー数も少なかったのですが、今ではたくさんの方がフォローしていつも心温かいコメントをくださって本当に幸せです。これからも夜逃げ屋日記を描き続けるので、引き続きよろしくお願いします!」と明るく話してくれた。
「夜逃げ屋日記」は2023年6月に書籍化され、DV被害などさまざまな事情を抱えた依頼者が登場する。著者と夜逃げ屋の社長との初対談(前編/後編)も実現し、今後の展開がますます楽しみだ。
取材協力:宮野シンイチ(@Chameleon_0219)