
出前サービスでバイトしながらも、配達先のいかついお姉さんが苦手だった青年。しかしある日、お姉さんの声が推しのVtuberと同じだと気付き――!?
漫画家の頼間リヨ(@R4_119)さんの創作漫画「配達先のお姉さんが怖すぎる話」に、「X」(旧Twitter)で12万件を超えるいいねとともに「こういう展開大好き」「この先気になる」と反響が集まっている。
現在、comic HOWL(一迅社)にて「シカバネーゼ」(貫徹(脚本・構成) / jon-YAKITORY(原案・監修))を連載中の頼間リヨさん。自主制作作品として「配達先のお姉さんが怖すぎる話」を描いたきっかけや、作品へのこだわりを訊いた。
■いかついお姉さんに苦手意識、けれどその正体は知っている人物で…?
「配達先のお姉さんが怖すぎる話」は、頼間リヨさんが6月からSNS・pixiv上で発表しているオリジナル漫画。出前サービス「お届けイーツァー」でアルバイト中の青年が、とある配達先に赴くところから物語は始まる。
出前を受け取るため現れたのは、長身で不愛想、インナーカラーの入った黒髪やピアスと、強さを感じるファッションで決めた女性。コミュ症を自認する青年はその容姿に威圧され、苦手意識を持ってしまう。
そんな彼の癒やしが、バーチャルチューバーの「ふわり」。天然で明るい彼女の配信に元気をもらった青年は、すっかりふわりが“推し”になっていた。
そこに、先ほどのいかつい女性から2度目の配達依頼が届く。「ふわりちゃんも頑張ってんだし」と、逃げずに笑顔で届けると心に決めた青年は、やはり睨むような表情で待っていた女性に勇気を振り絞りコミュニケーションを取ろうと試みる。
そんな彼の振る舞いに、女性は「いいいつもありがとうございますぅぅっ」と、涙目で声を振り絞り答える。見た目のイメージとかけ離れた弱気な声を聴き、青年は彼女がVチューバー「ふわり」と同一人物だと気付く――、というストーリーだ。
■拗らせ方がたまらないギャップ萌えなオリジナル作品
強めな外見と裏腹に、実は引きこもり生活で人とのコミュニケーションが苦手という女性のギャップと、そんな彼女と出前サービスを通して触れ合う青年とのやり取りが胸をくすぐる同シリーズ。読者からは「なぜそうなった」「拗らせ方よ」と、展開やキャラクターの意外性に笑いや驚きの声が寄せられている。
作者の頼間さんによると、本作のアイデアのきっかけは「推しの意外な一面がみたいという案からでした」という。
「学生同士でなど関係性をいろいろ考えましたが、『絶対に進展しないだろうな』という場面からお届けイーツァーになりました。二人だけの特別感を楽しんでいただけたらと思います」
また、配達先のお姉さんは、強めの外見ながらコミュニケーションが苦手な内面や、配信者としての天然ぶりといったギャップが魅力的なキャラクター。頼間さんは「元々強めな外見のお姉さんが好きで、よく描いているのですが 今回のこだわりはやはり大きな身長です。身長差のある男女って可愛いですよね。怖いかもって思ったら外見の人がふにゃっと笑ってくれたらそれだけで好きになっちゃいます」と、登場人物へのこだわりを話す。
これまでもSNSで個人制作作品を数多く発表する一方、今年2月からは同名楽曲の公式コミカライズとなる脱出サバイバルスリラー作品「シカバネーゼ」の連載がスタートした頼間さん。
商業連載を行う中での影響について質問すると「やはり、普段描かないジャンルなので『なかなかうまく描けない…!』など未熟さが浮き彫りになるなー、と感じます……!もっと表現力を身につけて、連載も自主制作にも力を発揮したいです」とのこと。以前よりも作画での描き込みが増えるなど、試行錯誤しながら取り組んでいると語る。
頼間さんは作品への反響について「私の作品に興味を持ってくださり本当にありがとうございます!!」と感謝を述べるとともに、読者に向け「二人の関係を見続けてくださるととても嬉しいです。また、連載中の『シカバネーゼ』もどんどん盛り上げていきますので、ぜひ一緒に読んでください!応援よろしくお願いいたします!」とメッセージを寄せた。
取材協力:頼間リヨ(@R4_119)