一緒に暮らすインコとのエピソードを中心に、日常の出来事を漫画にしてSNSで発信しているえるぽぴ( @lpo_on )さん。実はオタクな一面も持ち、中学生の頃からオリジナルキャラや魔法の設定をノートに描いたり、意味もなく包帯や眼帯をつけて登校したりしていたそう。
コミックエッセイ「えるぽぴの楽しい黒歴史ライフ〜解放の刻来たれり〜」は、そんなえるぽぴさんの挙げたらきりがない「黒歴史」の数々を、独特のテンションで描き下ろした作品。平成をオタクとして過ごした人は、きっと懐かしさと恥ずかしさで震えることだろう…(ちなみに筆者は震えた)。
今回は、憧れの「執事喫茶」にはじめて行ったときの思い出について。当時流行していたSNSに「いつか行ってみたい!」とつぶやいてみたところ、フレンドのハルミさんが連れて行ってくれることに。クラシカルな店内や顔のいい執事たちにドキドキしているえるぽぴさんに、メニュー表が手渡されて…。
■執事を題材にした作品の影響で、執事に関心があった
えるぽぴさんに、執事喫茶の思い出を漫画にしょうと思った理由を聞いてみた。
「これは鉄板の黒歴史ネタなので、絶対に描こうと思ってました。あと、そろそろ普通に美男美女を描きたかったんです!」
メイド喫茶が全盛期の2000年代、メイドではなくあえて執事喫茶に行きたいと思った理由はなんだったのだろう。
「当時、執事を題材にした漫画作品が流行っていたこともあり、執事に対する関心が高かったです……!それと執事喫茶は当時このお店しか無かったので、新鮮さもありました!」
待ち合わせ場所にあらわれたハルミさんのロリータファッションに、「かわいい!!」と心を奪われるえるぽぴさん。謎英語シャツにやたらポケットの多いズボンをあわせるのが当時「バリクソ洒落てる」と思っていたものの、はるみさんと並ぶ自身の姿を見て「隣に並んでいい格好じゃねぇな!?」と感じたそう。この辺りからファッションへの考え方も変わっていったのだろうか?
「本物のオシャレな人と並ぶと気後れをする感覚はありましたが、それでもまだイケてると思っていたので、このバリクソ洒落てると思っていたファッションを卒業するまでは、まだしばらく時間がかかります……(笑)」
目の前の美男美女と漫画のような世界観にあがりっぱなしのえるぽぴさん。意を決して注文すべくメニュー表を開くと、飛び込んできたのは「紅茶1500円」の文字だった。果たして所持金2000円の中学生に注文できるメニューはあるのだろうか…!?後半もお楽しみに!
取材・文=石川知京