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あの鳥山明先生の作品がなぜ動物園に!?その背景を関係者に聞いてみた!同園には別の超有名漫画家の作品も

  • 2023年6月22日
  • Walkerplus

「Dr.スランプ」や「ドラゴンボール」(ともに集英社)などの作品で世界的に有名漫画家、鳥山明氏。「Dr.スランプ」は43年前、「ドラゴンボール」は39年前に連載開始された作品だが、今でも世代を問わず大人気だ。

そんな鳥山明氏だが、実は過去に動物園のレリーフをデザインしたことがある。そのレリーフがあるのは、動物の飼育種類数で日本一を誇る、愛知県名古屋市の「東山動植物園」。来場者から人気のコアラの飼育舎には、かわいらしいコアラの絵が目を惹くレリーフが設置されており、鳥山明氏はこのデザインを担当しているのだ。今回は、このコアラ舎のレリーフが作られた経緯や、「東山動植物園」とコアラの歴史について調べてみた!

■レリーフが制作されたのは、コアラが初来日した1984年
そもそもコアラ舎にレリーフが設置されたのはいつなのか。「東山動植物園」を管理する東山総合公園管理課の中井英徹氏に伺うと、コアラ舎のオープンと同じ1984年で、なんと約40年も前だというから驚きだ。

実は「東山動植物園」は、コアラを日本で初めて飼育した動物園の1つ。1984年10月25日にコアラが初来日すると、東京都の「多摩動物公園」、鹿児島県の「平川動物公園」、そして名古屋市の「東山動植物園」で飼育が始まった。その際、「東山動植物園」では、コアラの愛護活動を盛り上げるためのシンボルとして、レリーフの制作を企画。名古屋市出身の漫画家で、当時「週刊少年ジャンプ」(集英社)で「Dr.スランプ」を連載していた鳥山明氏にそのデザインを依頼した。レリーフは1984年5月頃に完成し、同年11月20日のコアラ舎のオープンとともにお披露目されたという。

ちなみに、1984年11月20日は、なんと「週刊少年ジャンプ」で不朽の名作「ドラゴンボール」の連載がスタートした日でもある。コアラと鳥山明氏の、不思議なつながりにびっくり!

また、「東山動植物園」では日本初のコアラの飼育に際して、レリーフの制作以外にもさまざまな取り組みを行ってきた。そのうちの1つが、同園近くにある「平和公園」(愛知県名古屋市)でのユーカリの栽培だ。コアラは食に対して強いこだわりがあり、食べるのは主にユーカリの葉の柔らかい部分。しかも、限られた種類のユーカリしか食べないことも多いという。そのため、コアラの飼育には、複数の種類のユーカリを絶えず確保し続けることが重要となる。静岡県、鹿児島県、沖縄県の業者にも栽培を委託しているものの、現在も「平和公園」での栽培は続けられている。

初めて「東山動植物園」にやってきたコアラは2頭だったが、現在の飼育数は10頭に。2022年3月から4月にかけては3頭のコアラが生まれ、「だいふく」「おもち」「ししお」と名付けられた。2023年6月現在も、大人のコアラよりは体がひと回り小さく、木の枝から枝へと飛び移ったり、大人のコアラに寄り添ったりと、かわいらしい動きを見せてくれている。そんな姿をひと目見ようと連日多くの人が訪れており、今も昔もコアラは「東山動植物園」の人気者だ!

■アフリカゾウ舎には、巨大などうぶつ壁画が!
ちなみに、「東山動植物園」園内で見られる貴重な作品は、コアラ舎のレリーフだけに留まらないのはご存知だろうか。実はアフリカゾウ舎に、同じく名古屋市出身で、「まじかる☆タルるートくん」(集英社)や「東京大学物語」(小学館)などで知られる漫画家、江川達也氏が原画を担当した、縦4メートル×横8.8メートルの巨大どうぶつ壁画が飾られているのだ!

この壁画には約33万ピースのタイルが使われており、市民約3000人が参加して2カ月かけて制作されたのだそう。描かれている動物は、すべて「東山動植物園」に実在する動物がモデルになっており、中央上部には江川達也氏の遊び心で「まじかる☆タルるートくん」のキャラクターも描かれている。

広大な園内にさまざまな動物が飼育されており、1日中楽しめる「東山動植物園」。動物はもちろんのこと、今回紹介したレリーフや壁画も見どころの1つだ。まだ行ったことがないという人も、子供の頃から何度も通っている人も、次回訪れる際はぜひ注目してみてほしい!


取材・文=溝上夕貴/撮影=古川寛二

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