こんにちは。クイズを愛する、2児の親のサラリーマンけんたろ(@kenlife202010)と申します。クイズ好きが高じて、日本語や雑学に興味を持つようになり、Twitterではクイズを中心に言葉の知識や雑学ネタを発信しています。
こちらでは「言葉にまつわる知識」をテーマに、よくある日本語の間違い、実は知らない身近なモノの名前、漢字、社会人としての言葉、言葉の雑学などをお伝えしていきます。
今回はお正月にちなみ、「おせち料理に込められた意味」です。
お正月を皆さんはいかがお過ごしでしょうか?帰省して、家族とおせち料理を食べながらテレビでお笑い番組を観ている方も多いのではないでしょうか。私は大体例年そうです。
最近はコンビニや通販などでも予約販売されているおせち料理ですが、おせち料理の起源は1000年以上前の平安時代と言われています。平安時代の宮中にて季節の変わり目である「節日(せちにち)」を祝う文化があり、その宴会にてふるまわれた料理を「御節供(おせちく)」と言い、これが「御節(おせち)」の語源になったと言われています。今では正月の料理限定で用いられるようになりました。
今回はそんなおせちに含まれることの多い料理が、それぞれなぜそうして食べられるようになったかについてまとめてみました。おせち料理の意味を知って味わってみてください。
黒豆:黒く日焼けするほど“マメ”に元気に働けるようにという、無病息災を祈る意味が込められています。関東では「しわが寄るまで長生きできるように」という想いから、あえてしわが寄るくらい黒豆を煮るようですが、最近は全国的にしわのない黒豆が好まれているようです。おせち料理に欠かせないとされる「祝い肴三種」の1つです。
数の子:卵の数が多いことやこの卵の産みの親であるニシンに「二親(にしん)」と漢字を当てることで「二人の親からたくさんの子が産まれる」という子孫繫栄の願いが込められています。「祝い肴三種」の一つです。
田作り:一般に「ごまめ」と言われますが、乾燥したカタクチイワシを農作の肥料に用いると豊作になったことから、田を作るという意味で「田作り」と呼ばれています。また、ごまめにも「五万米」と漢字を当てることで五穀豊穣の願いが込められています。関東では「祝い肴三種」の一つです。
かまぼこ:紅白の色合いから正月のおめでたさを表現するおせちには欠かせないものです。また、半円形は初日の出をイメージしており元旦にはピッタリです。
伊達巻き:長崎から江戸に伝わった「カステラかまぼこ」が起源とされ、普通の卵焼きよりも華やかなため「伊達な巻き卵焼き」の意味で命名されたと言われています。形が巻物に似ていることから、知性の象徴とし学業成就の願いが込められています。
栗きんとん:きんとんは色と形から金色の団子もしくは布団ということで「金団」と書きます。金運上昇の願いや武家社会での縁起物としてされていたことから「勝負強い一年にする」という願いもあります。
紅白なます:かまぼこ同様人参と大根が紅白の色を表現しています。お祝いの水引をイメージしているともされ、一家の平和を願う想いが込められています。
ぶりの照り焼き:ぶりは出世魚であるため、立身出世の願いが込められており、ビジネスマンにはピッタリの料理です。ちなみに幼魚から順に関東ではワカシ⇒イナダ⇒ワラサ⇒ブリと呼ばれ、関西ではツバス⇒ハマチ⇒メジロ⇒ブリなどと呼ばれます。
海老:おせち料理のみならずさまざまな慶事で登場する海老ですが、曲がった腰と長いひげから「長寿」、目が出ていることから「めでたし(目出たし)」、脱皮する習性から「生まれ変わる」などさまざまなお祝いごと向きの連想をさせてくれます。
煮はまぐり:同じはまぐりの貝殻でないとピッタリと合わないことから、夫婦円満の願いが込められるようになりました。
昆布巻き:「よろこぶ」に「養老昆布」と漢字を当てて両親の長生きを願う意味や、「子生(こぶ)と漢字を当てて子孫繫栄の願いが込められています。
ごぼう:ごぼうは地中に根を力強く張ることから、家族が土地に根付いて安泰に暮らせるようにという願いが込められています。関西では「祝い肴三種」の一つです。
いかがだったでしょうか?さまざまな理由や当て字から一つ一つの料理にお祝いごとに相応しい意味や願いが込められています。例年なんとなく食べているおせち料理ですが、今年はそれぞれの願いを込めながら、一品一品口に運んでみてはいかがでしょうか。