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全世界189カ国、約676万人がプラスチックゴミ削減を目指して走った! アディダスのサステナビリティな取り組みとは

  • 2022年9月14日
  • Walkerplus

世界中にユーザーを持つ巨大スポーツ用品メーカー・アディダス。その長い歴史やスポーツ界に加え、一般消費者にも影響を与えた功績はここでは割愛するが、そのアディダスもまた近年独自のサステナブルな活動を実施している。

アディダスは2015年4月、海洋の美しさと脆弱性について認識を高める目的で設立された組織「Parley for the Oceans (パーレイ・フォー・ジ・オーシャンズ。以下、Parley)」とパートナーシップを組んだ。同組織の教育・コミュニケーションに関するさまざまな取り組みや、海洋のプラスチック汚染の解消を目指した包括的な海洋プラスチック・プログラムをサポートするほか、海岸や海沿いのコミュニティで回収されたプラスチック廃棄物をアップサイクルして、高性能のシューズに生まれ変わらせる商品開発など、エコ・イノベーションを推進している。

こういった背景を持つなか、2017年からはパートナーシップの一環として、海洋プラスチックゴミ問題への意識を高めるための世界的なムーブメント「RUN FOR THE OCEANS」をスタート。これは、開催期間中に参加者が走った時間に応じて、アディダスとParleyがプラスチックゴミを回収するという取り組みだ。今回は、2022年は5度目の実施となったこの有意義な取り組みについて紹介する。

■走行時間10分ごとに、プラスチックボトル1本相当のプラスチックゴミを回収する

2022年の「RUN FOR THE OCEANS」は5月23日〜6月8日まで行われた。プラスチックゴミ ゼロの未来を目指して「走行時間10分ごとに、プラスチックボトル1本相当のプラスチックゴミをアディダスとParleyが沿岸地域から回収する」という試みである。

「RUN FOR THE OCEANS」の初日となった5月23日にはアディダスがアスリートへサステナビリティに関する講義を行う「adidas Sustainability School(アディダス サステナ スクール)」も開講。

カヌースラローム・羽根田卓也選手、陸上競技・岩出玲亜選手、アディダス フットボールアドバイザー・石川直宏さんが会場にて“授業”に参加した他、オンラインにて野球・清宮幸太郎選手、フィギュアスケート・坂本香織選手、サッカー・浅野拓磨選手など16競技から総勢44名ものアスリートが参加し、「サステナビリティ」の基本的概念はもちろん、海洋汚染の現状、「RUN FOR THE OCEANS」の意義について、わかりやすくレクチャーした。

■海岸や海沿いエリア以外での試みも!
「RUN FOR THE OCEANS」は原則海岸や海沿いのエリアから数十万キロ分におよぶプラスチックゴミ回収に貢献すると同時に、海洋問題に関する青少年教育プログラムの開発、ハブとなる学校の実現をしてきた。

今年の「RUN FOR THE OCEANS」期間中は、海岸や海沿いを走るだけでなく東京・渋谷区とアディダスの協定「S-SAP(シブヤ・ソーシャル・アクション・パートナー)」の下、ゴミを拾いながら走る"プロギング"活動「SHIBUYA 530 CHALLENGE」も行った。

また、開催期間中の特別な実践はランニングだけでなくさまざまなアクティビティとプラスチックゴミ回収を行う「ADIDAS RUNNERS TOKYOセッション」や、「キリンチャレンジカップ2022 SAMURAI BLUE VS ブラジル代表」試合開催前に国立競技場内を走るスペシャルセッション「KOKURITSU RUN」なども。さらにはJリーグチーム、大学陸上部などのコラボ企画もあり、各所でプラスチックゴミ削減を広く呼びかけ実践した。

■約2500万本分相当のプラスチックゴミ回収に貢献
ここまでに紹介した「RUN FOR THE OCEANS」の取り組みは一部に過ぎず、ほかにもさまざまな取り組みが実施されたが、このことで昨年度を大きく上回る約676万人が全189カ国より参加。全世界で過去最大の参加人数を記録することができたという。

また、参加者の総走行時間は7億7122万分(約1285万時間)を超え、最大回収重量上限の250トン分、ペットボトルに換算して約2500万本分相当のプラスチックゴミ回収に貢献することができた。

■「スポーツを通じて私たちには人々の人生を変える力がある」
実に有意義な取り組みであり、相応の結果を残すこともできた「RUN FOR THE OCEANS」だが、アディダスはどのような思いでこの活動を行っているのだろうか。アディダス担当者に話を聞いた。

「アディダスはグローバルなスポーツ企業として、『スポーツを通して、私たちには人々の人生を変える力がある』と信じています。その企業理念のもと、私たちは20年以上に渡ってよりサステナブルな企業となることに継続的に取り組んでおり、持続可能性をプロダクトのレベルとビジネスモデルに統合しています。

サステナビリティはアディダスにおける2025年までの成長戦略の柱のひとつとして位置づけられており、これからも業界におけるリーダーとしての企業規模を活かし、大きな取り組みを行う必要があると考えています。

スポーツの未来とともに、私たち自身、そして地球の未来も大切であることはもちろん、アディダスがグローバル企業としての責任を果たすことは、将来的な成長に必須だと考えているからです。

Parleyとのパートナーシップおよび『RUN FOR THE OCEANS』は、そういったアディダスのサステナビリティに関する取り組みの一環として実施しています」(アディダス・担当者)

■「2050年まで」を目標に「クライメートニュートラル(気候中立)」の実現を目指す
聞けば、「RUN FOR THE OCEANS」は今後も継続して実施していくとのことで、2023年も、6月8日の世界海洋デーに向け、2022年の実施と同規模かあるいはそれ以上の参加者数・走行距離を目指すという。アディダスが考えるサステナビリティとは何かを改めて聞いた。

「アディダスは世界中の消費者にとって、馴染みあるグローバルブランドです。だからこそさまざまな問題解決に積極的に関わり、我々の規模とリーチ、プラットフォームを活かして、より多くの人たちの認知向上や行動変容を促すためのアクションを起こす責任と使命があると考えております。『RUN FOR THE OCEANS』もその一環です。

また、アディダスにとってのサステナビリティは、企業責任や企業理念の実践というだけではなく、2025年までの成長戦略の柱のひとつです。つまりサステナビリティはブランドとして市場で競争に勝つための強みとしても重要と考えており、それをバリューチェーン全体と戦略的提案に取り入れています。

アディダスは業界のグローバルリーダーとして、自分たち自身の働き方を再設計し、今までの考え方、創造の仕方、そして消費の仕方を大きく変えていくことを目指しています」(アディダス・担当者)

こういったサステナビリティに対する想いのもと、さまざまな取り組みを行っているとのことだが、直近での目標・実施にはどのようなものがあるか最後に聞いた。

「私たちの目標は2024年までに、商品に使用するすべてのバージンポリエステルをリサイクル素材に置き換えるだけにとどまらず、2050年までに『クライメートニュートラル(気候中立)』を実現するという大きな目標を掲げています。

その目標のもと、アディダスはParleyとのコラボレーションをはじめとした新たなイノベーションやサービスを通じ、使い捨てから返品・リメイクへと移行し、循環型の商品開発に取り組むことでプラスチックゴミゼロの未来を実現し、より良い世界をする取り組みを今後も続けていきます」(アディダス・担当者)

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