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長崎の盆文化は想像の斜め上!お墓で花火、町中で爆竹!!耳栓必須でコンビニで販売!?子供は“お年玉”ならぬ“お盆玉”握りしめ花火屋へ!?

  • 2022年8月12日
  • Walkerplus

夏休みをいかがお過ごしだろうか。明日からはお盆。お盆休暇に地元に里帰りをし、お墓参りをしたり、夜は手持ち花火を楽しんだり…と夏らしいイベントを楽しむ人も多いのではないだろうか。さて、この「お盆」と「花火」について、驚くべき風習が色濃く残った地域があることをご存知だろうか。その地域とは長崎県。実は長崎では、お墓で花火…しかもロケット花火を飛ばす派手な風習が今も受け継がれている。

今回は、長崎県観光振興課の岡村真理さんに、なぜ長崎でこのような文化が根付いたのか、実際にどのようにお墓で花火をするのかなど、いろいろと話を伺ってみた。岡村さんが生まれ育った長崎市で行われている内容を元に、お墓での花火がどういったものか一緒に見ていこう。

――まず、お盆にお墓で花火をするようになった由来について教えてください!

岡村さん「お盆にお墓で花火をする風習は中国文化の影響で、先祖を賑やかに迎え送るという思いが込められていると言われています。長崎は日本が鎖国をしていた江戸時代にも海外との交易が許されていた国際貿易港でした。特に中国との関わりが深く、今もなお長崎市を中心に、中国文化の影響を受けた風習が受け継がれています。ただ、この風習が始まった詳しい時期については不明です」

なるほど、中国文化を取り入れ、花火をすることで、ご先祖様があの世から迷わず帰ってきてくれるようにという意味があるようだ。調べると、長崎以外にも、岩手県や青森県などでもお墓で花火をする風習があるようで、花火をすることで先祖の霊を迎えるという意味合いは長崎と同じなのだとか。

――そもそも、長崎では、どのようにお盆を過ごしているのでしょうか?

岡村さん「まずは長崎のお墓参りについてご説明します。お盆前に墓掃除を済ませ、墓石の両サイドに提灯を立てて先祖を迎える準備をします。ちなみに、長崎の墓地には提灯を立てるための穴が設置されていることが多いのも特徴です。そして、8月13日~15日のお盆期間中にお墓参りし、初盆の家庭は13日にお参りをします。その際、中国式の竹で作られた長い線香『竹線香』(自分の家の墓だけでなく、近隣のお墓にも火をつけたまま持参してお参りしてまわる)、花火のほか、ビールなどを持参して賑やかに過ごす家庭もあります」

――親戚なども集まって、とても賑やかにご先祖様をお迎えするのですね。また、長崎といえば「精霊(しょうろう)流し」という伝統行事もあります。こちらはいつどのように行われるのですか?

岡村さん「8月15日に、盆前までの一年間に死去した人の遺族が故人の霊を弔うために手作りの船を造り、船を曳きながら街中を練り歩き極楽浄土へ送り出すという長崎の伝統行事です。各家庭が出す船のほか、町内などが出す『もやい船(共同の船)』というものもあります。『チャンコンチャンコン』という鉦(かね)の音のあとに『ドーイドイ』と掛け声が続き、爆竹や花火で賑やかに故人を送るのが特徴です。爆竹を賑やかに鳴らすのは邪気を払うという意味があるそうですよ」

――お墓参りも精霊流しも長崎ならではの伝統行事なのですね。では、お墓での花火に話を戻します。実際には、どのような花火を持ち寄るのでしょうか?

岡村さん「一般的な手持ち花火もしますが、特徴的なのは長崎で『矢火矢(やびや)』とよばれるロケット花火です。先端に火をつけると『ヒューッ』という矢のような大きな音と共に上空へ飛んでいきます。余談ですが、ひと昔前までは、これを直接手に持って飛ばすことができれば“長崎の男”などと言われていましたが、危険なのでメーカーは推奨していません。本当に危ないのでマネしないでくださいね」

――ロケット花火をお墓でやるとは、かなり特殊な風習と言えそうです。ということは、長崎には花火専門店がいくつもあるということですか?

岡村さん「長崎市内中心部には花火専門店がいくつかあり、初盆で大量の花火や爆竹を必要とする家庭は、専門店に発注することが多いようです。購入金額は、初盆1家庭あたり平均3~4万円、多い家庭では10万円分の花火や爆竹を購入するところもあるのだとか。なお、大きな破裂音が街中に長時間鳴り続けるため、耳栓は必須です。耳栓はコンビニでも販売しています」

――初めて体験する人は特に耳栓必須ですね!ちなみに、岡村さんは、お盆にはどのような思い出がありますか?

岡村さん「長崎のお盆では、親戚の子供に『花火代』を渡す風習があります。これは、『お年玉』ならぬ『お盆玉』のようなもので、私も子供の頃はそれを楽しみにしていて、花火代を貰ったら、お墓でするための花火を買いに走っていました。専門店では1本単位のばら売りもしているので、従妹たちとあれこれ悩みながら選ぶのが楽しかったです。しかし長崎のお墓花火の花形である矢火矢は怖くて、いまだにできません(笑)」

地域によって、お盆の過ごし方はさまざまだが、長崎はその中でも、中国の文化を取り入れた特種な行事だということがわかった。そして、あくまでも先祖供養の行事であり、観光イベントではないため、あしからず。

「近年はここで紹介したような伝統的なお盆の過ごし方をしない家庭も増えていますし、コロナ禍でさらに自粛傾向になっています。ただ、個人的には長崎ならではの伝統を継承していきたいという想いがありますね」と最後に想い語ってくれた。一年に一度しかないお盆だからこそ、それぞれの先祖を想い、この機会に各々の地域の風習や伝統を、今一度見つめ直してみるのもいいのではないだろうか。

取材協力/長崎県観光振興課

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