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革新的な「MA-Tシステム」の活用で、“感染症”や“環境問題”に取り組むアース製薬

  • 2022年5月12日
  • Walkerplus

虫ケア用品(殺虫剤)などの多様な商品を展開し、虫媒介感染症対策を推進するアース製薬。同社はいま、感染症対策のトータルケアカンパニーとして事業領域の拡大および未来につながる取り組みを行っている。キーワードとなるのは「MA-T」だ。MA-Tとはどんなものなのか、またその展開について、執行役員でありグループ経営統括本部MA-T ビジネスセンター長(兼)CSR/サステナビリティ推進室室長の桜井克明さんに話を聞いた。

■新たなチャレンジとして「一般社団法人 日本MA-T工業会」を設立
アース製薬は「生命と暮らしに寄り添い、地球との共生を実現する。」を経営理念に掲げ、工場や物流、オフィスにおけるCO2の削減や働きがいのある職場の創出を行っている。またボルバキアを活用し、蚊媒介感染症低減の取り組みを進めるワールド・モスキート・プログラムとの連携スポーツ事業への貢献など、多様な展開で社会の課題解決に努めている。

さらにMA-Tの酸化制御技術を活用したサステナブルな社会を実現することを目的として2020年に「日本MA-T工業会」を設立し、MA-Tへの取り組みをスタート。アース製薬のみならず化学品・日用品メーカー・ゴム製品、建設、機械、化学機器、半導体、印刷、医療、商社などさまざまな分野のリーディングカンパニーを中心に約80社が参画。オープンイノベーションによるMA-Tのさらなる研究開発が進んでおり、オールジャパンで取り組んでいる。

■社会を変える可能性を秘めた技術

MA-Tとは、「マッチング・トランスフォーメーション・システム(R)」の略で、亜塩素酸イオンから必要な時に、必要な量の水性ラジカルを生成する日本初の画期的な酸化制御システムだ。「MA-Tの主成分は亜塩素酸イオンであり、化学平衡によりラジカル活性種を制御する、安全性を最も重視し開発されたものです」(桜井さん)

例えば、除菌消臭剤にMA-Tを活用した場合、亜塩素酸イオンに含まれる活性種(水性ラジカル)が、ウイルスや細菌がいるときだけ瞬時に反応し、ウイルスの不活性化や細菌の殺菌を行う。また活性化の強弱を制御することで、農業や医薬、あるいはエネルギーに転化することも可能で、幅広い分野での活用が期待できる。

「一例ですが、牛の糞尿から出るメタンガスは、約1200度の熱を加えることでメタノールに変えることができますが、一方で二酸化炭素も排出します。しかし、MA-Tのメカニズムを活用すれば、常温常圧でのカーボンニュートラルなエネルギーの製造が可能です。こうした研究は大阪大学などの先生方や各企業の皆様方により日進月歩で進められており、今後は環境問題やごみ処理問題にも貢献していくと考えられます」と桜井さんは話す。

MA-Tは約18年前からエースネット社にて研究開発、その後、大阪大学の各学科にてさらなる研究が行われていたが、実際に社会実装に対しての広範な取り組みを始めたのは日本MA-T工業会が初めてだ。

「当社の事業開発部には、多くの企業からさまざまな製剤のご提案をいただきますが、MA-Tと出合った時、広範な応用展開が見込めるシステムであり、カーボンニュートラルや感染症対策が急務であるこれからの社会を変えるかもしれないと思いました。事業開発部に所属して以来、こんなにハイスペックなものに出合ったのは初めてです」と桜井さんはその時の思いを振り返る。

■除菌消臭や口腔ケア製品など、身近な衛生対策製品に活用

MA-Tを活用した多様な製品のひとつである除菌消臭剤は、その成分の99%が水なので、人体に害がなく、高い安全性と除菌力、強い酸化力で除菌消臭が可能だ。すでに、プロ野球・Jリーグ・大相撲などのスポーツ界や演劇・オペラなどの文化芸術界、航空会社や大学、病院、歯科医院、介護・老健施設、飲食店などで広く使われ始めている。

通常、アルコールや次亜塩素酸水など、除菌力が高いものほど安全性が低いとされる。しかし、MA-Tは安全性が高く、引火性や使用期限などについても他に比べて優位性があるとのこと。10年までは備蓄に対応できると検証されているので、災害時の備えとしても活用できそうだ。

昨今のコロナウイルスのような世界的流行をきたす感染症はもとより、災害時は特にインフラが一時的に途絶えることが予想され、清潔な環境が保たれないことが多く、感染症が発生しやすいとされる。そんな時にも、MA-Tを取り入れた除菌消臭剤は活躍しそうだ。

「MA-Tの特徴としては上記の比較表のとおり安全性・効果・使用期限などすべての項目について優れていることがわかります。アルコールは殺菌頻度が早く速乾性に優れる反面、揮発性が高いため、マイナス要因になる場合があります。また、MA-Tは流行性ウイルスに関する衛生対策としても多方面より期待されています」(桜井さん)

その有効性に魅力を感じ、第70代元横綱の日馬富士氏は祖国モンゴルのウランバートルで理事長を務める「新モンゴル日馬富士学園」にて口腔ケア用MA-T液剤を配布し、1600人の生徒と200人の先生・スタッフに口腔ケアの取り組みを励行。子供たちに衛生対策の重要性を教え、意識向上を図っている。「日馬富士さんに通訳をしていただき、学園の先生方にもMA-T工業会よりWEBで講習会を行いました。取り組みの3カ月後に同学園のYo ムンフジャラガル医師から、ウランバートルの他の学校と比較して非常によい効果が得られているとのコメントをいただきました」(桜井さん)。MA-Tの活用による衛生対策は海を越え、海外でも浸透してきている。
■スポーツ界、医学界、工業界でもMA-Tに期待

さらにこうしたMA-Tの特徴や活用に期待し、2022年、プロ野球パシフィック・リーグ6球団のメディア・イベントを運営するパシフィックリーグマーケティングが日本MA-T工業会と公式衛生パートナーを締結し「パ・リーグ6球団感動の輪を広げようプロジェクト」をスタート。衛生対策に関する情報発信や各種イベントを通して、より安心、安全に試合観戦を楽しんでもらえるような取り組みをはじめた。

「MA-Tは、がんの縮退にも効果がある可能性があり、今後は医学の分野でも実装化が期待されています」と話す桜井さんは工業分野での広がりも予想されるとも話す。「MA-Tを活用すれば、廃液無しの環境に良いメッキや接着剤フリーの金属材料接着、高解像度解析を実現するクライオ電子顕微鏡の分析準備期間の大幅短縮、超高難度の化学反応である常温常圧でのバイオメタノールの液化など環境問題などのリスク回避に貢献できる可能性があると考えております」(桜井さん)

■さらに幅広いMA-T製品を開発し、感染症対策やカーボンニュートラルを展開

このように日本MA-T工業会の設立とともに感染症対策を進める中で、社員の意識も変わってきたと桜井さんはいう。「もともと弊社は虫ケア用品を中心としたメーカーでしたが、MA-Tの活用に対する理解も浸透し、社員も感染症トータルケアカンパニーとして取り組んでいこうという意識が高まってきています」(桜井さん)

今後は、使う場所や用途など、さらに幅広い製品開発も行われる予定だ。「世界経済フォーラム2021で報告されたグローバルリスクでも、感染症やカーボンニュートラル問題が今後10年で最も影響が大きいと予想されています。我々、日本MA-T工業会でも、こうした課題を解決するために、さらにMA-Tの活用幅を広げていきたいと考えています」(桜井さん)

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