
4年前から本格的に漫画を描き始め、現在は社会人をしながら執筆を続けているはつきななこさん。2020年1月より、漫画やイラスト作品をpixivにて公開している。
2022年1月公開の読切漫画「さよなら、マスク」は、はつきななこさんが自身の学生時代の体験をもとに描いた最新作(2022年3月29日時点)。どうしてもマスクを外せない主人公・大倉に共感した読者からたくさんのコメントが寄せられている本作。なぜこの作品を描いたのか、作品に込めた思いとは…?はつきななこさんに話を伺った。
――「さよなら、マスク」はどのような作品ですか?執筆のきっかけなどあれば教えてください。
「新型コロナウイルス感染症が収束した何年か後の世界で、マスクを外せない二人の女の子のお話です。きっかけは、当時お世話になっていた編集さんの言葉でした。『貴方にしか描けない話を描いて欲しい』と言われて人生を振り返ったとき、中学生から高校生までマスクが外せなかったことを思い出したんです。作中に出てくるクラスメイトや教師は、実在の人物をモデルにしています」
――マスクは「顔パンツ」とも呼ばれ、コロナ禍が収束しても恥ずかしくてマスクを外せないという若者が増えています。この漫画の主人公のように、コンプレックスに対する防衛意識から外せない、という人も増えそうですね。
「外しても生きていける人は外していいと思います。私も、コロナが収まったときにマスクを外せるかは分かりません。マスクをしていると、やっぱり生きやすいなと思ってしまいます。“人にどう思われるか”より、“自分が楽に生きられるか”を大切にして欲しいですね。生きやすい方を選択したことに対して責めてくる人のことは、無視していいと思います」
――「さよなら、マスク」には、読者からたくさんの共感のコメントが寄せられています。
「昔はマスクを外せないのは自分だけだったので、こんなにも共感していただけるのかと驚きました。『こういう考え方があることを大衆に表現してくれるだけですごく助かる』というコメントをいただけて、辛い体験も無駄じゃなかったと思えました。ただ、批判的な意見もいくつかありました。たかがマスクに大袈裟な話だ、と思う方もいるのは当たり前です。でも、そんなときにはこの作品を思い出して、それを認められなかったとしても、否定だけはしないであげて欲しいです」
――「さよなら、マスク」のほかにも、「かくれんぼ」や「君が明日」などを発表されていますが、今後はどのような活動をしていく予定ですか?
「今は漫画家デビューに向けて編集さんにお世話になっています。まだまだ描きたい話はいっぱいあるので、読んでくださる方の心に寄り添える作品をどんどん作っていきたいです!」
漫画家としてさらなる高みを目指す、はつきななこさん。次はどのような物語を描くのか、今後の活動にも注目したい!
取材協力:はつきななこ