広島県の伝統文化を継承するために若手が立ち上がった。それが「NEXTひろしま神楽プロジェクト」だ。このプロジェクトには地元ゆかりの著名人であるCHEMISTRYの堂珍嘉邦さんが公式アンバサダーに就任するとともに、角川春樹小説賞受賞作家の稲田幸久さんが新作演目の脚本を手掛けている。
■広島の伝統文化「ひろしま神楽」とは?
「ひろしま神楽」とは、華やかな衣装を着て表情豊かな神楽面をつけた人達が太鼓や笛、拍子のお囃子で舞い、五穀豊穣を祈って氏神様に奉納される神事として執り行われる広島の伝統文化だ。広島県は約300の神楽団が活動し、全国有数の神楽処として知られている。
催事やお祝いごとには欠かせない郷土芸能としても県民に親しまれているほか、昨今では、エンターテインメント性が高い神楽が生まれるなど、独自の発展を遂げており、観光資源としても活用されている。
しかし、新型コロナウイルスの影響により予定していた公演の中止を余儀なくされ、練習もままならならない状況が続いた。さらに、神楽団員のモチベーションの低下や、神楽団の運営資金の不足問題が発生するなど、神楽団存続の危機に直面。この状況を分かちあい、共に打破しようと若手神楽団員が立ち上がり発足したのが、「NEXTひろしま神楽プロジェクト」だ。
■若手団員が中心となり発足した「NEXTひろしま神楽プロジェクト」
「NEXTひろしま神楽プロジェクト」では、「ひろしま神楽」を紹介する映像やアニメーションを制作しYouTube配信するほか、InstagramなどのSNSを活用している。
これまで舞台でしか観ることのできなかった「ひろしま神楽」が身近になり、ひろしま神楽ファンだけでなく、今まで見たことがなかった人も楽しめるコンテンツが満載だ。また、これまで神楽団同士の交流はほとんどなかったが、コンテンツを制作する過程で交流が生まれ、神楽団同士の繋がりを深めていくことも目的となっている。
さらに、本プロジェクトの発足を機に新作の神楽台本を制作。この新作神楽台本を各神楽団で共有することで、神楽団員たちのモチベーションの向上に寄与し、次世代の神楽団員への継承も期待している。この新作神楽は、今年6月に広島県内の神社で披露される予定だ。
今は自宅でYouTubeやInstagramを通じて「ひろしま神楽」に触れ、コロナが明けたら現地で「ひろしま神楽」を楽しむのはいかがだろうか。