「文鳥の吐息で鏡がくもる事象を初めて発見しました…世界一かわいいくもり…」という文章と共にTwitterに投稿された、2枚の写真。「かわいすぎて発狂する」「ちっちゃいのにちゃんと息してるんだね…」と数多くのコメントが寄せられ、13.7万件ものいいね!が付くほど話題に。撮影時の様子や文鳥の魅力について、飼い主のruriさん(@ruripiyo1220)に話を聞いた。
■実は威嚇だった…!「世界一かわいいくもり」撮影の背景
鏡の前に立つのは白文鳥のるり(オス)。手にすっぽりとおさまってしまうほど小さな体から出た息で鏡がくもる様子に、ほっこりした人も多いだろう。実はこれ、威嚇で生まれたものだったそう。
「普段は人間用の鏡を文鳥の前に出していないのですが、たまたま汚れが気になって拭いていた時に、るりが近づいて鏡に映った自分に威嚇し出しました。換羽期だから気性が荒くなっていたんです。その時、磨いた鏡に小さな曇りが生まれて。ちょっと感動してしまい、写真を撮りました」と話すruriさん。
まさか怒っていたとは…!しかし、かわいいのには変わりない。当たり前だが、こんなに小さいのに呼吸をしていること、健気に生きていることが写真から伝わってきて、胸がぎゅっとなってしまう。
るりを飼い始めたのは2019年12月で、これが初めての文鳥飼育なんだとか。飼育のきっかけについて「学生時代の友人が白文鳥のむぎちゃんと暮らしていて、文鳥のストレートな感情表現の愛らしさに心を打たれたからですね」と教えてくれた。
「るりは一羽のシルバー文鳥と一緒のケージにいて、瞳がとてもきれいな雛でした。ひと目見た瞬間に『この子しか考えられない!』と衝撃が走り、夫に相談し、飼育書や小鳥に関する書籍で学習した後に決意を固め、お迎えしました」と、ひと目惚れだった様子。
ruriさんの家ではるりのほか、シルバー文鳥のあやめ(オス)も一緒に暮らしている。きゅるきゅるとした大きい瞳と、ふくよかで魅力的なむちむちボディに惹かれて、お迎えを決めたそう。
ちょっと神経質で愛情深いシャイボーイのるりと、いたずら好きでとにかく常に動いていたいアクティブ男子のあやめ。ruriさんのTwitterは、そんな二羽の愛らしい姿を撮影した写真であふれている。
■小鳥の鳴き声で目覚める朝。文鳥中心の生活が心地いい
文鳥を飼ってから暮らしの変化は?と聞くと、不規則な生活がなくなったという。「朝は文鳥の鳴き声で目覚めるし、夜はお仕事をきちんと終わらせて、文鳥たちとゆっくりコミュニケーションをとります。文鳥の就寝時間に合わせて寝かしつける、文鳥中心のルーティンが心地いいです」と、まるで我が子のようにかわいがっている様子が伝わってくる。
文鳥を飼い始めてから、文鳥たちの安全を考えてネイルポリッシュをやめたruriさん。るりが大人になったころに、初めてジェルネイルをした時のことが特に印象に残っているそう。
「最初はナチュラルなカラーにすればよかったのに、私のテンションが上がってしまい、くっきりした色のネイルにしてしまいました。その結果るりをとても驚かせてしまい、翌日オフに行こうと決意。しかし、そういうものと理解したのか、それよりもわたしとの信頼が上回ったのか、次の日には手の中でいつも通り眠ってくれるようになりました。反省もしましたが、ちょっとうれしかったです」
また、文鳥と食べ物を分かち合える瞬間には、大きな喜びを感じるそう。「お仕事を頑張ったご褒美にシャインマスカットを買ってきた時、るりにも分けてあげたらおいしそうに果汁をすすってくれました。他にも旬の野菜を与えることはあるのですが、マスカットは他のどの野菜よりも食いつきがよかった印象があります。今年も旬の季節が来るのを楽しみにしています」
ほかにも、中雛(ちゅうすう)の時のあやめがエサを食べた後、手の中で眠ってしまったところがとてもかわいくて印象に残っているという。「るりは今でこそ手の中で眠ってくれますが、中雛の時には少なかったので、あやめの物怖じしない性格が雛の頃から垣間見えて、幸せな時間でした」と語る。
■とろんとした顔や突然のブチ切れも愛おしい。ころころ変わる表情にキュン
文鳥の魅力について「豊かすぎる感情表現に惹かれます」と語るruriさん。文鳥は基本的にパートナーを決めて、一途にパートナーとの時間を楽しむ性質があるそう。
「信頼を得られると、手の中でとろんとした顔でこちらを見つめてくれたり、在宅ワーク中に腰を上げると『仕事終わったの!?早く遊んで!』と言わんばかりにソワソワしています。よくわからないけれど突然ブチ切れてきたりもして、ころころ変わる表情に、本当に毎日飽きないです」
イケメンの文鳥=イケブンとして定期的に写真を投稿しているruriさん。 写真を撮ることは以前から好きだったが、人間以外の生き物を撮るのは文鳥が初めてなんだとか。
「ささいな事故や病気が命取りになる小さな命なので、今日も元気に生きてくれてありがとうという気持ちと、これが最後の写真になりませんようにという願掛けもあり、毎日撮影は欠かせません」と、写真に込める思いを語ってくれた。
「少しでもるりとあやめに興味を持ってくださった方、ありがとうございます。文鳥は人間のように外の世界を知ることはできませんが、この記事を見て覚えてくださる方がいると思うと、生きた証という感じがします。よろしければ、今後もあたたかく見守ってくださるとうれしいです」
マイペースに仲良く暮らす文鳥のるりとあやめ。二羽の愛らしい表情に今後も目が離せない!
取材・文=江口琴音(glass)