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コロナ時代にどう変わる?今後のマンションのトレンド予想!キーワードは「安・遠・広」

  • 2020年12月28日
  • Walkerplus

これからの時代の住まい選びにおける「安・遠・広」の「安」は、新型コロナウイルスへの感染のリスクが小さく、安全・安心に暮らせるマンションであることを意味します。「遠」は在宅勤務の定着で、職場や都心から遠くてもOKという人が増えている点。「広」は、在宅勤務するためのワークスペースや、家族がくつろげる一定の広さが求められるということです。

まずは「安」について、最新のマンションでは接触機会はかなり減少しています。例えば宅配便に関しては、宅配ボックスがあれば人と接触することなく荷物を受け取れます。最近では大手デベロッパーがメールボックスに全戸宅配ボックスを設置するマンションを増やしていますし、各戸の玄関に宅配ボックスを設置する動きもあります。これなら、人との接触機会が減って、安心感が高まります。

他にも、エントランスのオートロックにキーを差し込んだり、エレベーターでボタンを押したりなどの接触機会があります。最新のマンションでは非接触型のキーが増えていて、触れなくてもかざすだけでドアが開く、ハンズフリーでポケットにキーを入れたままで出入りできる物件もあります。

そもそも、高層マンションや超高層マンションでも低層階なら、運動を兼ねて階段を利用すれば、密になりやすいエレベーターに乗らなくてすみます。低層で戸数の少ないマンションなら、マンション内での住民との接触機会も減少し、安心して暮らせそうです。

次に、「遠」については、在宅勤務が定着し、会社には週に1、2回、あるいは月に何回か出社すればいいという人が増えています。中にはオフィスを縮小、廃止して、在宅勤務のみに切り替えるといったケースもあります。

正社員として働いていても、会社の近くにこだわる必要はなく、都心から遠く離れた場所に住まいを確保してもかまわないということになります。中には、地方の実家やその近くに引っ越したという人もいますし、サーフィンが趣味の人は海岸のリゾート地に、野菜作りをしてみたい人は田園地帯に引っ越して、仕事と趣味の両立を図ろうとする人もいます。


不動産仲介会社を通さないダイレクト買取再販を行う株式会社すむたすが、コロナ禍を受けて住まい選びがどう変わってきたかを調査した結果、都市部でなくても、郊外でもOKとする人が多くいることが分かりました。「あてはまるものはない」の14.0%を差し引いて再計算すれば、郊外でOKという人は実質半数を超えることになります。

最後に、「広」をみると、在宅勤務の増加によって、住まいに広さが求められるようになってきました。もともと日本の住まいのほとんどは、家の中で働くことが前提にはなっていませんから、仕事に集中できるスペースを確保できず、ストレスがたまって夫婦関係、家族関係が悪化するケースが少なくないといわれています。遠くてもいいから、広めの住まい、ゆとりあるマンションを求める傾向が高まっているのです。

コロナ禍での住まい選びについて、広さと駅からの近さのどちらを重視するかという調査がありました。その中で、半数以上の人が、多少遠くなっても広い住まいを求めていることが結果として示されています。

これを見ると、これからのマンション選びでは「安・遠・広」が基本となるかもしれません。マンション市場の動向では、コロナ禍で土地取引が停滞し、これまでならホテル用地として落札されてきた土地が、ホテル業者の撤退によってマンション業者が比較的安値で取得できるようになっているといわれています。

1、2年先には、その安く仕入れた土地でのマンション分譲が始まるかもしれません。そうなると、時代のニーズに対応した「安・遠・広」のマンションが増える可能性があり、今後の動向が注目されます。

山下和之/住宅ジャーナリスト

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