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【コロナ対策情報付き】比叡山延暦寺の楽しみ方ガイド!伝教大師最澄によって開かれた日本仏教の聖地

  • 2020年10月16日
  • Walkerplus

比叡山延暦寺の見どころからグルメ・お土産まで、おでかけの前に知っておくと便利な情報を徹底レポート!(※記事内で紹介している展示や施設等は、休止・中止または内容が変更になっている場合があります。ご注意ください)

■修行の聖地、比叡山延暦寺ってどんなところ?京都にある日本仏教の聖地
京都市街の北東に位置する天台宗総本山、比叡山延暦寺は伝教大師最澄(でんぎょうだいしさいちょう)が開いた日本仏教の聖地。奈良時代末期の788年(延暦7年)に、最澄が比叡山に入り、小さな堂を建て薬師如来を安置し開創、修行に入ったのが始まり。以来、法然上人や親鸞聖人、日蓮聖人など、誰もが知る宗派の開祖が修行。

■【歴史・回り方】平安時代に開創。信長の焼き討ちにあい、再興された延暦寺
嵯峨天皇より「延暦寺」の寺号を拝領したあとは続々と弟子が入門し、伽藍も整備され、大きな勢力となっていった。ところが1571年(元亀2年)、戦国武将の朝倉義景と浅井長政をかくまったことで織田信長が比叡山に焼き討ちをかけ、ほとんどの伽藍を焼失。その後、豊臣秀吉や徳川家康らによって山内の塔堂伽藍が順次再興された。

開かれて1200年以上の歴史をもつ比叡山は日本仏教の聖地となり、この霊域の地でさらに多くの僧たちが日々厳しい修行に励んできた。1994年にはユネスコの世界遺産に登録された。

標高848メートルの比叡山一帯が境内である比叡山延暦寺のエリアは広大であるが、おもな見どころは3つ(東塔、西塔、横川)のエリアに分かれている。それぞれのエリアに重要文化財などの見どころがある。ただ各エリアは離れているので、回り方としては、移動は車、または3エリアを結ぶ有料のシャトルバス(1日フリー乗車券1000円)を利用するのが便利。所要時間は東塔エリアのみならば約2時間、西塔、横川は各約1時間で、移動などを含めると丸1日見ておきたい。現在はコロナ禍で混雑もないため、ゆっくり時間をかけて回ってはいかがだろうか。次に3つのエリアについての見どころなどを紹介する。

■【見どころ1】国宝の根本中堂を中心とした東塔
ケーブル延暦寺駅から徒歩約10分で、伝教大師最澄が最初に開いた東塔エリアに。延暦寺の総本堂である国宝・根本中堂を中心として、大講堂や大黒堂など150もの堂宇が並ぶ。最澄が彫った薬師如来を本尊とする根本中堂は、1642年(寛永19年)の再建。1200年間灯り続ける「不滅の法灯」はこの堂内にある。

また根本中堂は2016年から約10年をかけて大改修中だが、堂内を参拝することができる。担当者によると「改修作業の様子を修学ステージから見ることができるので、貴重な機会を逃さずぜひ見学してください」とのことだ。

東塔は700メートルほど圏内に見どころの堂宇があるので、順次見て回りたい。1678年(延宝6年)再建の戒壇院は、和様と唐様の2つの様式が見られる独特な雰囲気。その東にある大講堂は僧侶の学問の修業が行われ、大日如来像が本尊。大講堂の奥に根本中堂があり、その東には本尊が大黒天の大黒堂、その北には文殊菩薩を安置する文殊楼がある。

■【見どころ2】山内最古の建築物、釈迦堂が鎮座する西塔
東塔から北へ約1キロメートルにある西塔エリアは、第2世天台座主寂光大師円澄によって開かれた。西塔の本堂にあたる釈迦堂は、1595年(文禄4年)に豊臣秀吉が移築させたもので、延暦寺現存の最古の建物であり、国の重要文化財。本尊は最澄の自作と伝わる釈迦如来像。

釈迦堂から石段を上った先にあるのが、常行堂と法華堂。同じ形のお堂2つが道を挟んで渡り廊で繋がれており、この渡り廊下は弁慶が肩に担いで運んだという伝説から、「にない堂」とも呼ばれている。「にない堂」のすぐ近くにある椿堂は小さなお堂。聖徳太子が比叡山に登る際に使った椿の杖を地面にさしたところ、根付いて椿が茂ったという逸話が残っている。

■【見どころ3】うっそうと茂る木々と朱色の堂宇、横川
西塔から北へ4キロメートルほど、木々がうっそうと茂る静かな横川エリア。第3世天台座主慈覚大師円仁によって開かれ、横川の本堂にあたるのが横川中堂。舞台造りが特徴の建物で、建物全体を見渡したときに船が浮かんでいるように見えるといい、往時の遣唐使船をモデルにしたといわれている。本尊は、1942年(昭和17年)の火災から奇跡的に逃れた聖観音菩薩像。

横川中堂の北西、木立に囲まれて立つ朱塗りの根本如法塔は、第3世天台座主の円仁が写経をした仏教経典などを納めた多宝塔。夏は緑と建物の朱色のコントラスト、晩秋は目の覚めるような紅葉と、いつの季節も美しいエリアだ。

■【グルメ・お土産】延暦寺会館で精進料理と坐禅を体験
東塔、根本中堂の東約200メートルにある延暦寺会館は延暦寺の宿坊。宿泊のほか食事処、写経や坐禅の体験などができ、ランチをここで食べるのもおすすめ。ごま豆腐やゆば、地元産野菜など滋味あふれる精進料理(11時30分~13時30分)が楽しめ、予約なしでもOKの比叡御膳が好評だ(精進懐石膳・税込3300円は要予約)。館内には喫茶「れいほう」が併設されており、梵字を描いた梵字抹茶ラテが人気。

館内では予約をすれば、写経や坐禅の体験も受け付けている。写経は約90分で般若心経を写し、心身を清めるもの。坐禅は約60分で、坐禅は禅の基本的な修行で姿勢を正して精神統一行うもの。禅杖で背中を打っていただき喝を入れてもらおう。

体験のあとは延暦寺会館の売店でお土産の購入もできる。ミニ般若心経本(980円)や数珠など仏具が並ぶほか、胡麻豆腐の比叡どうふ6個入り(1130円)や、部屋菓子ともなっている四季彩菓叡山10個入り(750円)などがお土産に人気だ。

■【おすすめ・イベント】おみくじ発祥の地でおみくじ体験を
横川エリア、根本如法塔の東にある元三大師堂は、おみくじの形を考案したという元三慈恵大師良源のゆかりのお堂で、おみくじ発祥の地ともいわれている。そのルーツとなったかつてのおみくじ体験(料金志納)にチャレンジしてみよう。体験は要予約。

往時のおみくじは運勢を占うものではなく、僧侶に悩みを相談して、助言をいただくというもの。お遊びではなく真剣な気持ちのものなので、相談の内容によってはおみくじが適当ではないという判断になることもあるそう。相談のあと、元三大師に伺いをたてるためお経を唱えて祈願。それによっておみくじを引き、僧侶から助言をいただくことができる。

■【アクセス】バス・ケーブルカーで乗り継ぎ山頂へ!周辺には無料駐車場もあり
バスで行くならJR比叡山坂本駅から江若交通バスで6分、ケーブル坂本駅で下車後、比叡山坂本ケーブルに乗り換え11分、ケーブル延暦寺駅下車。徒歩10分で東塔に着く。また、東塔から西塔、横川へは有料のシャトルバスが運行しており、すべてのエリアを観光するなら1日フリー乗車券1000円の購入がおすすめ。

車で行くなら、北陸方面からは湖西道路仰木雄琴ICから約23分、大阪・名古屋からは名神高速道路京都東ICから約30分。延暦寺の近隣駐車場は終日開放されており、駐車料金は無料。

■【新型コロナウイルス感染拡大予防対策】
・延暦寺の僧侶並びに職員はマスク着用とアルコール消毒液による手指消毒を実施しています。
・各巡拝所・施設受付にはビニールシートを設置しています。また、ソーシャルディスタンスの表示をしています。
・境内各お堂では随時換気し、アルコール消毒液を設置しています。
・法要参拝随喜者にはソーシャルディスタンスにて対応しています。
・御朱印受付では通常通りの対応を行っています。(朱印帳・朱印一枚書き)
・参拝者が撞く場合、鐘楼(開運平和の鐘)前にアルコール消毒液を設置しています。
・各トイレにアルコール消毒液を設置しています。また、ジェットタオルを停止しています。

取材・文=AVANCER

<施設情報>
住所:滋賀県大津市坂本本町4220
アクセス:【電車】JR比叡山坂本駅から江若交通バスで6分、ケーブル坂本駅で下車、比叡山坂本ケーブルに乗り換え11分、ケーブル延暦寺駅下車、徒歩10分で東塔(東塔から西塔、横川へは有料のシャトルバスが運行)【車】湖西道路仰木雄琴ICから約23分、または名神高速道路京都東ICから約30分
営業時間:東塔地区/3月~11月は8:30~16:30、12月は9:00~16:00、1・2月は9:00~16:30。西塔・横川地区/3月~11月は9:00~16:00、12月は9:30~15:30、1・2月は9:30~16:00。
定休日:なし
駐車場:525台(無料)
料金:拝観料 大人1000円、中高生600円、小学生300円(ともに東塔・西塔・横川共通)

※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。

※記事内の価格は特に記載がない場合は税抜き表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

※2020年9月時点の情報です。

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