北海道札幌市東区にある総合公園「モエレ沼公園」。世界的に著名な彫刻家イサム・ノグチが、「全体をひとつの彫刻作品とする」をコンセプトに基本設計し、1982年(昭和57年)に着工、2005年(平成17年)にグランドオープンした。広大な敷地には幾何学模様をモチーフにした山や噴水、遊具などの施設が並び、自然とアートが融合した美しい景観が楽しめる。そんなモエレ沼公園の魅力を紹介しよう。
※記事内で紹介している展示やアトラクション、イベント、施設等は、休止・中止または内容が変更になっている場合があります。ご注意ください。
■【見どころ】イサム・ノグチの世界観にふれられる3つの代表的な施設
モエレ沼公園は、世界的に知られる彫刻家イサム・ノグチがデザインしたアートパーク。園内には札幌市内を一望できる「モエレ山」や、レストランやギャラリーのある「ガラスのピラミッド」、最大25メートルまで噴き上げる「海の噴水」など、全部で15の施設が美しく整然と配置されている。中でも代表的な3つの施設を紹介。
ひとつ目は、モエレ沼公園最大の造形物「モエレ山」。不燃ゴミと建設残土を積み上げた人工の山で、登り口は3方向5ルートあり、高さ52メートルの山頂へはいずれも約10分で登り切ることが可能。頂上からは札幌市内全体を見渡せ、絶景を堪能できる。
2つ目は、公園を象徴するモニュメント「ガラスのピラミッド」。三角面と四角錐の立方体が組み合わされたガラスの建築物で、季節や時間ごとに映り込む景色が変わり、さまざまな表情を見せてくれる。館内にはレストランやギャラリー、ショップ、公園管理事務所が入り、週末には音楽やダンスイベント、美術の展覧会なども開催されるので注目を。
3つ目は、モエレ沼公園の中央に位置する「海の噴水」。直径48メートルの大きな噴水で、最大25メートルまで水が噴き上がる。1日3~4回、40分のロングプログラムと15分のショートプログラムを実施し、ダイナミックな水の造形美が楽しめるほか、夜にはライトアップされ幻想的な雰囲気に。
※海の噴水の運転期間は2020年10月20日(火)まで。
■【イベント】モエレ沼公園の魅力をとらえた写真展を開催
2020年8月30日(日)まで、モエレ沼公園グランドオープン15周年記念「山内悠 惑星 展」を開催。自らの宿命とも言うべき内的な衝動に突き動かされ、自然世界を写し続ける山内悠氏の写真展。開催時間は9時~17時。会場は「ガラスのピラミッド」2階 スペース2。入場料は無料。
■【攻略法】レンタサイクルを利用して存分に楽しもう
駐車場から公園の端まで歩くと片道20分はかかる広大なモエレ沼公園。効率的な回り方を広報の宮井さんが教えてくれた。「園内は広いのでレンタサイクルを利用するのが便利。『ガラスのピラミッド』や『モエレ山』、『海の噴水』などが人気スポットです。『海の噴水』は1日2~4回の打ち上げなので、来る前に公式サイトで時間をチェックしてください。園内を余すところなく回ると所要時間は1時間30分から2時間です」
レンタサイクルは公園東口で受付をしているので、ぜひ利用して快適に園内を散策しよう。
また、「通年開放している『ガラスのピラミッド』は四季折々の風景を取り込んだ美しい建築が楽しめるスポット。インスタ映えもして、撮影スポットとしても人気です。また、『モエレ山』の頂上はイサム・ノグチが目指した『公園全体が彫刻作品』という言葉が体感できる展望台にもなっています。ぜひ登って、公園の魅力を満喫してください!」と宮井さん。
■【グルメ】星付きシェフによる本格フレンチとテイクアウトショップ
「ガラスのピラミッド」1階にあるフレンチレストラン「ランファン・キ・レーヴ」では、地元・北海道の食材を使った本格的なフランス料理が味わえる(要予約)。美しい景色とともに、ミシュラン1つ星を獲得した本格的な料理を楽しむことができる。問い合わせは、011-791-3255(テイクアウトも同じ)。
また、テイクアウトショップ「パニエ」はお弁当や軽食がそろう。ソフトクリームもおすすめ。園内でピクニックを楽しもう!
■【ショッピング】オリジナルグッズやイサム・ノグチのデザイン照明に注目
「モエレ山に登って公園の魅力を満喫したあとは、ガラスのピラミッド内のショップでお土産を探すのも楽しいです。公園オリジナルの缶バッチガチャや新作のマスキングテープも人気です」と宮井さん。
特におすすめは、マスキングテープやてぬぐい、イサムノグチデザインの照明器具「あかり」だとか。
公園内の施設がデザインされたオリジナルマスキングテープは、ちょっとしたプレゼントやおみやげに好評だ。
東京のてぬぐいの専門店「かまわぬ」とコラボしたオリジナルアイテムの手ぬぐい。ガラスのピラミッドやプレイマウンテン、海の噴水などを幾何学的に配した、シンプルなデザインで飽きがこない。昔ながらの注染という染め方で仕上げられ、スカーフのように巻いたり、額装してインテリアとして楽しむことも。
イサム・ノグチがデザインした光の彫刻-「あかり」は、1950年代に作られたモダンデザインのマスターピースとして有名。シェード部は岐阜県の伝統工芸品の美濃和紙と竹ひごで仕上げ、職人が丹精込めて一点一点手作りした逸品だ。
■【施設データ&アクセス】車でも電車でも三角のモエレ山を目指して
入園料は無料。通年開放(一部ゲートにより異なる)。休園日はなし(施設により休業日あり)。
電車でのアクセスは、地下鉄東豊線「環状通東駅」から北海道中央バス東69系統「あいの里教育大学駅前行」、または、東79系統「中沼小学校通行」に乗り約25分。「モエレ公園東口」で下車、徒歩10分。
車でのアクセスは、札幌市街地から国道12号を東へ。北海道道89号線(環状通)を経由し三角点通を中沼方面へ進み、約30分。駐車場は1500台(無料)。
電車でも車でも、美しい三角形の「モエレ山」を目印にするとわかりやすい。
また、宮井さんによると、「天気の良い土・日曜、祝日の11時~15時は混雑します。すいている時間をねらっておでかけしてくださいね!」
■【新型コロナウイルス感染予防対策】
・他の利用者(同居の家族以外)と距離をおいて利用しましょう。
・すいた時間、場所を選び、混んでいるときは利用を控えましょう。
・マスクをつけましょう。ハンカチ、ティッシュなどで口をしっかりと覆う「咳エチケット」を守りましょう(熱中症に注意。息苦しさを感じたらはずしたり、休憩しましょう)。
・来園時はこまめな手洗いをしましょう。利用後はしっかり手洗い、うがいをしましょう。
・短時間のご利用にご協力ください。
取材・文=下八重順子
※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。
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※2020年5月時点の情報です。